まだ寒い日が続いているがもう春。四季は地球と太陽の位置関係で決まるので立春(今年は2月3日)からの4分の1年間(約91日間)は春に当たる。春まだ浅きこの時期に私が毎年歌うスタンダードに「If Love Is Good To Me」という曲があるジャッキー•パリス(vo.)の曲として山本晋平さん(cl,ts)に教えて戴いた。

 

 

山本晋平さんとは渋谷・SEABIRDを通じて知り合い、これまでクリスマスコンサート等で何度かお声かけ戴きご一緒している。私は所謂「ジャズ屋」ではないが、山本さんも広いジャンルで音楽をよくご存じの方なので、イージー・リスニングの話だけでもいくらでも盛り上がれるという、私にとっては得難く貴重な存在である。

 

この曲は、ナット•キング•コールカーメン•マクレエなども歌っているスタンダードなのだが余り知られていない。私が一時期セッション・ナビゲーターをしていたこともある表参道のJazz birdで歌ったら、米国暮らしもしていたママさんに「日本人が歌ってるのは初めて聴いたわ」と言われたくらい、歌う人も少ない曲のようだ。

 

【表参道・jazzbird(お店のHPより)】

 

私はこの曲の歌詞も好きなので「春の如く」と同じくナンチャッテ翻訳をして“歌わない和訳詞”として歌う前に朗読をしている。その際にどう訳していいのか困ったのがgoodという言葉だ。調べると「good time→幸福な(楽しい)時間」「be good to me→私に優しくして」等の用法もあり、非常に守備範囲が広い言葉である。

 

例によって原詞は専門ページを見て戴くとして、私は下記のようにナンチャッテ和訳をしてみた。

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もし、この愛が、私にふさわしいものだったら、
春が訪れ、草は伸び、雪は溶けて、小川が流れ出すだろう
雲は泣き、雨となって、大地はため息と共に、

それを呑み込むだろう

母なる自然が、あなたの愛を育(はぐく)む限り、
青空はいつだって、私の上に広がっているだろう

冬の寒さに、木の葉(このは)が散るころ、
私はかつて、あなたがくれた夏のときめきを思い出す

いつだって、素晴らしいことは、あなたによってもたらされたから

どんなことだって、起こるにちがいない
もし、この愛が、私にふさわしいものだったら

(Tranlated by Saigottimo)
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ここでは「good to drink→飲料に適する」等の用法から、good to meを「私にふさわしい」と訳してみた。loveは定冠詞が無いので本来は「愛(というもの)」だが、ここでは「この愛」としないことには収まりがつかない気がした。makes you love meは直訳すると「貴方をして私を愛させる」だが「あなたの(私への)愛を育む」とした。

 

♪If Love Is Good To Me 2016年2月5日…SEABIRD第一金曜ライブにて♪

 

上記は5年前の録音だが、いま聴き返してみると(歌はともかく和訳の)朗読は今ならもう少しちゃんと読めそうな気がする。いずれにしろ、残念ながら今年はこの曲も歌えないまま本格的な春を迎えることになりそうだ。さて、今年は果たして春になったら、あるいは夏になったらライブで歌える世の中になっているのだろうか。

 

Saigottimo