本日2021年1月24日(日)は「前日からの雨が未明に雪に変わって都心では1月12日の初雪以来の降雪になる」との予報だった。でも今朝起きると幸いにして予報は外れていて雨で済んだ。あーよかった。でもこれだけ寒いと私のような寒がりは一歩も外に出たくない。ま、日課の散歩も昨日は今日の分までしっかり歩いたし。

あ、そうそう。先日、男性ヴォーカルの私は「いつか王子様が」が歌えないという記事を書いたところ、早速、歌仲間の大津晃子さんからメールを頂戴した。大津さんはcatswingというステージネームを持つ猫好きのジャズ・ヴォーカリストで、あの“ジャズ・ヴォーカリストのバイブル”である「ジャズ詩大全」を全巻保有している。

 

彼女によると「ジャズ詩大全」には、私が引用した歌詞サイトとは違う英詞が掲載されており(記事中バーブラ・ストライサンドが歌っているのがその歌詞)、その2コーラス目は男性も歌える、というか王子様側からの歌詞のようなので「1コーラス目を女性、2コーラス目を男性ならデュエットできるのでは」との朗報だった。

 

彼女は私のMCの師匠で、彼女とは以前に記事に書いた「まことの愛(True Love)」「ユー・ドント・ノー・ミー(You Don't Know Me)」なども一緒にデュエットをさせて戴いているが、それらとは別に季節モノのデュエット曲にも一緒にトライしている。季節はまさに厳冬で曲名は「Baby, It's cold outside」である

 

これは70年以上も前の男女デュエット曲で、自分の家に招いた恋人がそろそろ帰ろうとするのを、なんだかんだと引き留めようとする男女の掛け合いをコミカルに表現している。原詞は例によって専門の歌詞サイトをご覧いただくとして、ナンチャッテ和訳をすると、こんな感じになる。

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ずっとここにはいられないわ/いま外は寒いよ~
そろそろ行かなくちゃ/本当に外は寒いよ~
今夜はとても…/ずっと立ち寄ってくれないかと思ってたんだ
楽しかったわ/あれ、君の手 氷のように冷たくなってるよ


母が心配しちゃうわ/綺麗だ、あれどうしてそんなに急ぐの
父だって部屋の中をウロウロ/ほら、暖炉の音を聞いてごらん
だから少し急がないと/頼むから、もう少しゆっくりしていって
あとグラス半分だけね/それじゃ、何か音楽でもかけようか
 

ご近所さんが勘ぐるかも/いま外はひどい嵐だよ
ねえ これって何か入れた?/タクシーだって拾えないよ
どうしたらいいのかしら/君の瞳、星のように煌めいてる
この魔法を解きたいわ/帽子取るよ、君の髪型は素敵だね


だってダメなんですもの/もう少し近づいてもいいかな
もう!とにかくそうなのよ/僕のプライド、傷ついちゃうよ
本当にここにはいられないわ/いつまでも意地を張らないでさ
(一緒に)ベイビー、いま外は凄く寒いよ~

(tranlated by Saigottimo)

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2コーラス目もこんな感じのやり取りが続くのだが、この曲が初めて世に出た映画「水着の女王」(1949)でのオリジナル動画を見てもらうと、エスター・ウィリアムズとリカルド・モンタルバンの絡みのシーンで動きも入っていてこの曲の雰囲気がよく分かって戴けるのではないだろうか(この曲は同年のアカデミー歌曲賞も受賞)。

 

 

ただ最近になって「これはデート・レイプじゃないの?」という議論も起きているらしい。グラスを指して「ねえ これって何か入れた?」というくだりなどが薬物を飲ませた疑惑などに当たるらしいが、この時代はせいぜい強いお酒のことだろうし、まあ、これも時代といえば時代なのだが、やや過剰反応ではないだろうか

 

しかしこの曲は米国では一種クリスマス(シーズンによくかかる)ソングとして定番だったのに近年はメディアで敬遠されているらしい。そこで、あの「美女と野獣」実写版で歌っているジョン・レジェンドが一昨年そういった疑惑のない歌詞に一部改変したら、今度はオリジナリティの点で問題になっているとの事、やれやれ…。

 

またこれはマペット・ショウでの余興っぽいが、いつも楽しい話題を提供してくれるレディ・ガガがジョセフ・ゴードンとの絡みで男女を逆転させてこの曲を流麗なダンスと共に楽しませてくれている。この動画を観ると、モラハラだのデート・レイプだのといった野暮はすっ飛んで、粋なオトナのエンターテイメントとして楽しめる

 

でも、実は最初にご紹介した映画「水着の女王」(1949)の中でも別の場面だが、喜劇女優のベティ・ギャレットとレッド・スケルトンによる“男女の逆バージョン”がちゃんと存在していることを最近知った。これはこれでユーモラスで笑える出来ではないか。だからレディ・ガガの動画は、これのリメイクと言えるのかも知れない。

 

そして、先ほど“オトナのエンターテイメント”と書いたが、逆に子供が演じる可愛いエンターテイメントに仕上がっている動画もあって、歌はイディナ・メンゼルとマイケル・ブーブレだが映像の主役は小さなレディと紳士たち。よくCM業界などでは「動物と子供には勝てない」などと言われているが、まさにその通りの出来だ。

 

一流のプロフェッショナル・パフォーマー達の素晴らしい歌唱の後で恐縮だが、この曲を大津さんと私が一緒に毎年トライしている。ただし寒い時期だけしか歌えないので、なかなか上達しないのだが…まあ、言い訳はそのくらいにして「(バンドの演奏は素晴らしいが)アマチュアが歌うとこうなる」という見本もお聴き戴きたい。

♪Baby, It's cold outside…with Catswing 2020年2月7日 SEABIRD第一金曜日ライブにて♪

 

このデュエットは時期的にコロナ禍直前だったから出来たのだが、その後、医療従事者である大津さんはライブには参加出来ない状況が続いているし、私も4月以降はライブ活動を自粛しているので今シーズンはもう歌えない。来冬シーズンには、また一緒にこの曲をデュエットできるといいのだが…

 

Saigottimo