おおよそ、こんな会話だった。



・検査結果が陰性で本当によかった。


・可愛いな。








そして、俺が、


「子どもが一番頑張ったし、

 毎日見舞いに来たから、

 きっと祈りが通じたんだな。」


こう締めくくったところ、






妻の母親が、

「みんなの祈りが通じたんだね」









お前らは、毎日来てねえだろうが!









少し、時間があったから、


「俺は、親父に報告してくるよ。

 お前もお義父さんへ教えてあげな。」







俺は、親父に報告したけど、

妻は、妻の父親に報告しなかった…。



おそらく、昨日、報告してたんだろう。




ってことは、妻の父親も知ってたってことだ。








この前、腹を割って話したにも関わらず、

妻の父親からも検査結果の報告がなかったわけだ。


あの男もおかしいし、許せないな。









面会の順番が来たから、

俺と妻は、子どもと面会した。







妻が先に面会ノートに書いていた。

次に俺が書いたんだけど、





妻は、


「子どもの検査結果が陰性で良かった。」


とか全く書いていなかった…。






なんで?


この女、信じられないぞ。

母親だろうが!



検査結果が陰性で良かった!

って思ってないのか…?








もちろん、俺はちゃんと書いた。








すると、妻は、

「もう時間だから。」







カチンときたけど、


「そうだな。

 ノート書き終わったら出るよ。


 でも、昨日、17時に来ておいて、

 よくそんなことが言えるよな。」







イヤミが分かったらしい。


「……。」









まあ、妻は、自分に都合の悪いことには、

聞こえないふりの如く返答しない。
   
   
   
どっちも気に入らない言い方だったけど、

妻の方が悪意を強く感じた。









そして、妻が、


「ミルクが融けちゃうから持っていく。」









クーラーボックスに入ってるじゃねえか!


明らかに、この場を逃げ出す口上だ。









・待て。こんな精神状態で、

子どもに会わせるわけにいかない。









妻の母親が、


「会ってきますんで!」










本当に腹が立つ女だ!



・とにかくこんな状態で会うべきじゃない。

 会わせないとは言ってない。

15分でも20分でも時間を空けるべきだ。








おふくろからも、


「子どもは敏感だから、

 今はやめておいた方が良い。」







・下に喫茶店があるし、俺がおごるから。


(なんで俺がおごる必要があるんだ?

 とは思いつつ、

 その場からこいつらを離すことが優先だった。)










ようやく妻が折れたのか、

最後の悪あがきなのか、


「ミルクミルクを持って行く。」








・じゃあミルクだけ預けよう。





ということで、

看護師にミルクを預けて、

4人で喫茶店へ行った。








そして、子どもの検査結果が陰性だったことを、

子どもの無事を喜びながら、

心を静めていった。







その後、面会に向かったけど、

新生児室の面会者が多くて、

順番が来るまで、

4人でガラス越しに子どもを見た。








その際の会話は、

全く普通のものだった。

   
   
   
ラチが明かないから、

さらに俺は、強く追及した。







・昨日言うべきと思っているのか?

 思ってないのか?

 どっちだ?








「………。」










・本当に、昨日言うべきと思わなかったのか?









妻の母親が、


「そこまで気づかなかった。」










・気づかなかった!?

 本当に気づかなかったのか?










「気づかなかった!」









・逆の立場だったらどう思うよ?









すると妻が、


「謝ってるんだから、いいでしょ!!!」









・なんだ?その言い方は!

 そんなんで謝ってるってのか?








「だから、謝ってるでしょ!!

 すいませんでした!!!」










完全に逆ギレじゃねえか!



全く反省してねえな。









・本当に悪いと思ってたら、

 そんな言い方できねえだろうが!









「本当にすいませんでした!!!」






全く悪いとは思ってないな。


ますます気に入らない…。









おふくろが、


「息子は、逐次報告しているのに、

 こんな大事なことを、そちらが報告しないのは、

 親の義務を果たしていないですよ。

 とても心から申し訳ないと
 
 思っているようには見えない。」











・俺は、母子手帳のこともちゃんと連絡入れた。

 留守電にも入れておいた。

 今回の話は、必ず報告すべき内容だ!











妻が、


「本当にすいませんでした!!!」






妻の母親が、


「本当にすいませんでした!!」









親子揃って、この態度か……。

   
   
   
そのまま俺は続けた…。




    
    
    
妻の母親に向かって


・昨日報告すべきじゃないのか?

 答えろ!








「………。」









・俺が、どれだけの思いで、
 
 毎日子どもに会いに来ているか。

 会社にも協力してもらって、

 どんな思いで来てるか、

 お前らに分かるか?

 お前らは、毎日来てないだろう。

 俺は、毎日来てるんだ。









妻と妻の母親とも、


「………。」


無言だった。









・俺も身体がおかしい。

 首も痛いし、あっちこっち具合悪い。

 でも、子どものために毎日来てる。

 お前らは来ないじゃないか。

 俺の言ってること分かるか?

 嘘に聞こえるか?












ようやく妻が、


「嘘には聞こえない!」








なんだ?その言い方は!







妻の母親が、


「分かります!」









お前ら、ふざけるんじゃねえぞ!












それまで静観していたおふくろが、

「息子が、どんな思いで毎日病院へ来ているか、

分かりますか?」










「………。」










ますます腹が立ってきた…。



・昨日、言うべきだろ?









「今日で良いと思ってました!」










同じことを何度も繰り返した。

    
    
    
・昨日、子どもの検査結果を聞いていながら、

 なぜ俺に教えないんだ?

 昨日、教える義務がある! 








「今日の話の後で良いと思ってた。」









・今日、お前らが来るって、

 いつ俺に言ったんだ?


(そんなの、言い訳にもならないな。)









「………。」










(そりゃ、何も言えないだろう。)


・昨日、言うべきだ!









「今日で良いと思ってた。」









・昨日、言わなくて悪いと思ってないのか?









「………。」









妻の母親に向って


・「答える義務がある。」









「………。」










妻の母親に向かって


・答える義務があるだろうが。

 俺の目を見て答えろ!

 大人だろうが!









「思ってます!!」







明らかに、ふて腐れた言い方だった。


全く反省していない、

ぶっきらぼうな言い方だった。



・何だ?その言い方は!










「申し訳ないと思ってます!!」



同じ言い方じゃねえか!









すると、妻が、


「お母さんは、悪くない。私が悪い。」









・お前が悪いのは分かってるんだよ。

 当たり前だ。お前が悪い。

 お義母さんは、今、お前を預かってるんだろうが。

 だから、お義母さんに話してるんだ。










お前らのかばい合いごっこに興味はない。