マンションへ引っ越す少し前の話に戻る。






俺たちは、俺の仕事が忙しくて、


新婚旅行に行けなかったから、

転職する方向で心が決まりかけてた頃、

どうせ辞めるなら、まとめて休みを取ってしまえ!




ということで、


入社以来、取ったことのない有給休暇を、

フル活用して長い休みを取った。






妻は、妊娠していたので、


遠くまで行くことができなかったから、

俺が温泉大好きってこともあって、


温泉旅行に決まった。




同じ温泉じゃつまらないから、


二つの代表的な温泉郷に行くことにした。




新婚旅行の日程は、


7泊8日の温泉三昧旅行だ!




はっきり言って、


海外旅行の方が、はるかに安いと思う。




でも、新婚旅行だし、


妻は妊婦だし、


お金はあるし、


こういうときに使わなきゃ!





宿泊先の旅館とかは、


すべて妻が選んで決めてくれた。




旅館以外の観光もすべて妻が探して決めてくれた。


旅館の予約も妻が入れてくれた。





移動手段は、本当は電車にしたかったけど、


妻が妊娠しているから、

車の方が身体に負担が掛からないと思い、


俺のクラウンで移動することになった。




その間、子どもは、


妻の実家へ預けることにした。



こういうところが、


シングルマザーとの結婚だなぁ…。


って感じるところだ。




1週間も子どもを預かることに、


妻の実家は嫌がることもなく、

むしろ、


この機会に、たっぷり孫を可愛がる


といった感じだった。





そして、俺たちは、


待ちに待った新婚旅行へ出発した。







快適な新婚旅行の道中のことだった。





どうしたことだろう…?



くしゃみと鼻水が止まらない・・・。


頭がぼうっとしてきた…。



俺としたことが、


まさか風邪をひいたのか?





途中で見つけた薬局に駆け込み、


症状を伝えると………。





なんと!


花粉症の疑い濃厚とのことだった!



花粉症…。




あの、ある日突然なると言われている花粉症か…。



よりによって、


新婚旅行の初日になることないじゃん!





でも、俺は、花粉症とは認めない!


断じて花粉症じゃない!




おれは、かぜ薬と点鼻薬を買った…。






そして、再び、目的地の旅館を目指した。

俺は、転職を決めたら、


すぐに会社へ辞表を提出した。




社長や役員からの慰留はあったけど、


もちろん全く未練はなかった。





転職先で働き始めるまで、


少し休養を取るために、


2ヶ月近く何もしなかった。





その間に、マンションへ引っ越しをした。



時間はあるわけだから、


引っ越しは、全て自分たちでやった。




ただ、妻は妊娠していたから、


荷造りだけ手伝ってもらって、

車への積み込みや搬入は、


もちろん、全て俺がやった。





そんなに遠くなかったけど、


隣町ってわけじゃなかったから、

引っ越しが完了するまでの間、


妻と子どもは、妻の実家へ行かせていた。






二日かかって、無事に引っ越しが終わった。





引っ越し初日は、そのまま一人で過ごした。




俺は、新居で感慨にふけっていた。





その翌日、


俺は、妻と子どもを迎えに行って、


一緒に荷物の整理をした。





子どもは、自分専用の部屋を


かなり、気に入ってくれたようだった。





その隣の部屋は、


まだ気が早いけど、


生まれてくる子どもの部屋だ。






それから、俺は、子どもを連れて、


近くの小学校までの通学路を確認した。


近いから迷うことは心配ない。





産婦人科も、新居近くの病院に変えた。




近くのスーパーに買い物も行った。





新しい生活が、ここで始まる。


これから、本当の生活が始まる。



ついに念願のマイホーム!


マンションだけど、マイホーム!






全てが順調だった。




シングルマザーと結婚して、色々あったけど、



良い転職。


妻の妊娠。


マンション購入。



何もかもが順調だった。





俺は、期待に胸を膨らませていた。


これから幸せな毎日が繰り返されると、


信じて疑わなかった。



俺は、幸せを感じていた。






そう、あの頃が最高に幸せだったんだ……。



購入するマンションを決めた俺は、


不動産屋や銀行との契約を進めていった。






マンションの購入ってことだから、


本当は、色々と勉強しておくべきだったんだけど、


仕事も忙しいし、


お金は何とかなっていたから、


全て不動産屋に任せた。






物件選びだけは、


一切妥協しなかったから、


お金のことは、割と流していた…。






これで新居も決まった。






子どもには、転校させてしまうことになるけど、


これが最後の転校ってことで、


妻も賛成していた。






子どもからしたら、


母親が俺と再婚したことで、


目まぐるしく環境が変わってしまったから、


少し困っていたかもしれない…。





でも、俺の子どもになったことで、


学習机、


ランドセル、


新品の洋服、


自分の部屋などなど、



経済的には、


すごく安定したというか、向上したし、



週末には、


母親と一緒にたくさん遊べる時間が


作れるようになったし、



なにより父親ができたことで、


子どもも喜んでくれていた。







俺は、シングルマザーの彼女と


結婚するって決めた時から、


子どもを一番大切にしたいと思っていた。






お金で与えられる幸せもあるだろうけど、


一緒に過ごす時間を大事にしたいと思っていた。






だから、転職を決めた。




転職するなら、マンションを買おう。




そうすれば、



住むところ、


お金、


一緒の時間、


全てが良い方向へ進んでくれる。






俺のマンション購入は、


そんな想いが込められたものだったんだ。






まぁ、20代でマンションを買ったことも、


かなり自慢だったかもしれないけど…。







子どもの転校手続きも終わって、


とうとうマンションへ引っ越すことになった。






いざ、わが新居へ!

そういえば、俺は、妻にプロポーズを2回している。






1度目は、電話で。




これが本当のプロポーズだったはず。





でも、妻は、



「あれじゃプロポーズじゃない。ちゃんとプロポーズして。」



と、半ば強制的に、


プロホーズのやり直しをさせられた…。







前の夫には、


ちゃんとプロポーズをしてもらっていなかったのか、


形式にこだわっていたのか、


今となっては不明だけど…。


とにかくプロポーズのやり直し。






シングルマザーだから、


妙にこだわりがあるのだろうか…?


女性は、みんなこだわるのか…?





俺は、初めての結婚だから、


さっぱり分からなかったけど。




うーん…。



でも、まぁ、確かに…。



あれはプロポーズにしては、


味気なさ過ぎたかも…。






ということで…。



俺たちは、


小洒落たレストランに行って、


コース料理を食べながら、


料理に合わせたワインを飲みながら、


婚約指輪を出して、






「結婚しよう。」






まさに、絵に描いたようなシチュエーションだった。






「はい。」






答えの分かっている…、


というより、

既にOKもらっているプロポーズは…、


というか、


やり直しのプロポーズは…、



全く緊張することもなく……、



全く新鮮味に欠けたものだったけど……、


それなりにサマになっていたとは思う……。







他にお客さんもいなかったけど、


なかなか盛り上がって、


料理もおいしかった。






何で、他にお客さんがいないのか?




穴場過ぎて、分かりづらいからかも…。







「毎年、結婚記念日は、この店に来よう。」






お決まりの約束もして、


無事にプロポーズのやり直しも済んだ。







気分も上々で、


俺は、やや飲み過ぎて、


そのまま当時の妻の部屋に行って、


このイベントは無事に終わった。







結婚してから、


記念日になる前だったけど、


また行こうっことになって、


その店を探してみたけど……。






既に無くなっていた………。







そう、


それから先の俺たちの未来を、


暗示しているかのように………。

今回は、濃いなぁ……。


夫婦喧嘩、妊娠、マンション購入、転職、でも離婚届!?


さて、始めよう。







妻とファミレスでの話し合いが、


もの別れに終わってから、


妻の姉の夫が接触をしてきた。






やはり、離婚をしないようにって話だった。






今回の件に限らず、


どちらかが先に原因を作っているんであって、


今回に関しては、


妻が逆ギレして俺を階段から蹴り落としたことに、


端を発しているんだから、


俺が一方的に悪いという前提での話し合いなんか、


成立するはずがない。







そうこうしているうちに、


お互いが歩み寄ることになって、


結局、離婚話は撤回された…。







1ヵ月にも及ぶ妻が子どもを連れての家出騒動は、


ようやく終止符をうった……。







妻が家出をする少し前に、


俺たちは計画的に子どもを作ろうと、


基礎体温を測ったりして、



「この日だ」



と決めて、子作りに挑戦していた。







妻が子どもを連れて帰ってきたころ、


妻の妊娠が発覚した!







なるほど!だから帰ってきたのか!?






それからは、夫婦生活も安定していた。







俺の転職の話も、


だいたい煮詰まってきていた。






社宅だったから、


転職した後の住居を考え始めた。






当然、妻の実家のある町からは、


出ていくことを決めていた。







「そうだ。マンションを買おう!」







早速、俺は、不動産屋を回って物件を探し始めた。






金額じゃない。



環境で選びたい。



南向き。



床や壁の遮音率。



小学校、病院、公園、スーパーなどなど。






あらゆる条件から選び抜いた。






内見もした。






妻は妊婦だったから、


全てに連れ回すわけにいかない。



いくつかの候補に絞ってから、


妻と子どもを連れて見て回った。






そうやって最高の物件を決めた。





まだ20代だったけど、


マンションの購入は、


人生最大の買い物になるはず。






20代でマンション所有かぁ…。






シングルマザーと結婚して、


子どももできて、


転職も決まって、


全てが順調に行っていた。







もう、離婚話は過去の話になっていた。







と思っていたら、


あのときに書いた離婚届を、


妻は、保管し続けていた……。






やはり経験者は違う。





シングルマザー、恐るべし!