俺は、気を取り直して話を続けた。



・昨日、お前が来なかったから、

 事情を先生へ話した。

 おふくろに病室の入室許可と

 退院後の子どもの接し方の
 
 レクチャーを受けるように頼んだ。

 今後、どうするんだ?





「私の子どもだから、私が育てる。」





・俺の子どもでもあるだろう?





「……。」





・昨日、母乳を持って来るって、

 子どもと約束をしてたのに、

 何で来なかったんだ?

 俺が子どもと、

 どんな思いで会ったのか、

 お前に分かるか?





「一日来ないだけで、

 子どもを捨てたとは思ってない。」





・お前が子どもを捨てたと思ったよ。

 捨てたのと同じだろう。





「……。」


妻は、無言でキッと睨んできた…。





・昨日は、俺一人でしか、
 
 子どもに会えなかったから、

 今日は、二人で会ってあげよう。





「何で?」





・子どものためにも一緒に会おう。





「私が先に入って、先に帰るから。」



妻は、そう言い放って、

病室へ入って行った……。







あまりにも一方的すぎる妻の言い分。




俺は、感情を抑えるのが精一杯だった…。





今、怒りを爆発させたところで、

何も解決しない。



我慢だ。我慢しなくちゃ…。




俺は、妻に続いて、

すぐに入室して、子どもと面会した。



今日、特別抗告理由書と、


抗告許可申立て理由書を、


高裁へ提出してきた。






土曜だったから、


近所の郵便局がやってなかったんで、


本局まで行ってきた。






月曜には、高裁へ届く。






提出期限いっぱいを使って、


色々と勉強しながら、


理由書を作成した。







憲法も久々に勉強したし、


判例集も久しぶりに読んだ。






裁判だらけの人生だったから、


裁判書類を作るのは、


割と慣れているけど、


やっぱり弁護士とは違う…。





それでも、今回の養育費請求は、


子どものためにも何とかしたい。





六法全書とにらめっこの数週間が、


ようやく終わった…。







特別抗告と抗告許可申立て。



つまり、憲法違反と判例や法令違反。






かなり難しい戦いになったけど、


できることは全てやった。





最高裁で、審理されることを祈りたい。



ようやく特別抗告理由書と


抗告許可理由書が完成した。






これで明日、提出するだけだ。







相手方は1名だけど、


この理由書ってのは、


各8部も必要らしい…。






コピーだけでも、かなりの量だ。






追加の切手も買ってきた。







この手続って、結構お金がかかるな…。






明日、養育費請求の特別抗告理由書と、


抗告許可申立て理由書と、


切手の追納分を


最高裁へ送ってやる!



(正確には、高裁だけど…。)






裁判書類の作成の中でも、


やっぱり最高裁宛の理由書ってのは、


一番疲れるなぁ……。






一杯飲んで、寝ようっと。



今日、高裁から書類が届いた。




特別送達だったから、いきなり却下か?


と思ったけど、そんなはずない。





封を開けてみると、事務連絡だった。









特別抗告提起通知書




抗告許可申立て通知書








と、それぞれ入っていた。





そして、それぞれの理由書の提出が求められていた。










大丈夫。



ちゃんと準備をしてきた。



もう少し見直しをすれば完成する。










さらに、もう一組、書類が入っていた。







なんと!



郵便切手の追納通知だった…。







俺としたことが…。


初歩的なミスをしてしまった……。







それにしても、裁判手続っていうのは、


切手代やら、収入印紙やらで


単なる手続なのに、割とお金がかかる…。









GW中に裁判書類を完成させるぞ!


最高裁、待ってろよ!

(裁判資料の作成に煮詰まってきたので


 今日は、ちょっとブログ再開…。)







俺は、妻に子どもの病状を伝えた。



「…。そう。」



ただ、それだけだった……。






俺は、聞きたいこと続けた。



・昨日は、どうやって実家へ帰ったのか?



「…。タクシー。」




おかしい。


7、8千円はかかる距離だ。


妻が自分の車を乗らないで

タクシーで帰ったというのは、

どうも腑に落ちない。




おそらく、妻の母親あたりが

自宅まで迎えに来たんだろう。



全て妻と妻の母親らの

巧妙な作戦だったんだろう。





・離婚するなんてことは、
 
 一方的に決められない話だ。



「もう決めたから。」




出た!


女性特有というのだろか…。


得意技というか決まり文句だ!






・今、最優先に考えることは、

 子どもの病気のことだろ?



「私のことは?
 
 上の子どものことは?」




妻は、現実を分かっていないのだろうか?


俺は、妻に分かるように説明をした。




・今は、入院している子どものことが一番だ。

 次に、難産だった妻の身体のことだ。

 その次に、上の子どものことだ。

 普段は、全て同じだ。平等だ。

 子どもたちのために一番良いのは、

 4人で生活することだろ。




「笑顔のある生活だね。」




もはや話にならない。


意味が分からない。



妻は、全てにおいて、

自分を最優先にされないと、

その全てを壊したくなるんだろうか…?




子どもが病気で入院して、

病気と闘っているときに、

「笑顔のある生活」を求めるって、

何を考えているのだろうか…?



俺も普段は、


温かい家庭。

笑顔のある家庭。

安らげる家庭。


そんな家庭を心掛けてきた。




だから、家庭や家族を最優先とする

転職もしたし、

全てにおいて、家庭を最優先にしてきた。



そういう自負はあった。




でも、今は、子どもが髄膜炎で入院して

必死に闘っているんだ。


そんなことを議論しているときじゃないだろ。




しかし、妻は、そんなことなどお構いなし。






それでも、俺は、子どものためにも、

ちゃんと妻と話し合って、

何とか離婚問題だけは、

解決しなくちゃならないんだ。