つい数日前、9月5日にロッテが「記憶力を維持するガム」という商品をリリースしました。
新聞に大きく広告が載っていましたから、ご覧になった方も多いでしょう。
ロッテ 歯につきにくいガム板(記憶力を維持するタイプ) 9枚×15個
2,268円
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これは、イチョウ葉フラボノイド配糖体とイチョウ葉テルペンラクトンを含む製品。
なかなか思い切った商品を出してきたものだと思って広告を読みました。
すると・・・
本日の健康産業新聞には、まったく別会社、別食品で
【健康産業新聞】プラズマローゲンで「学習記憶能力増強剤」特許取得、丸大食品
というヘッドラインが。
こちらは、特開2016-210696(発明の名称:学習記憶能力増強剤)に対応するもので、九州大学と丸大食品の共願です。
成分は、プラズマローゲン。
土曜日で審査経過を取得できていないので、請求項をどの程度補正しているのかいないのかは、現時点では未確認です。
ただ、2015年の4月に出願され、わずか2年半で特許査定になっていますから、特許庁とそれほど多くのやり取りはなされていないと思います。
おまけに、出願時の請求項1は、わずか1行。
プラズマローゲンを含む、学習記憶能力増強剤。
これだけです。
請求項2で「生体組織から抽出されたプラズマローゲン」に限定し、請求項3では、生体組織が「鳥組織」であるとしています。
私はよく、こういった報道記事をきっかけに自分の英訳を考えます。
「鳥」をいかに英訳するか、「学習記憶能力」をいかに英訳するか、といった感じです。
鳥だからbirdでしょ、なんていう単純な話でよいかどうかは、わかりませんし。
たとえ問題ないとしても、他に「鳥」を表す周辺語は何があるかと考えてみたり。
すぐに思いつくのはavianですね。
あるいは、birdと一緒に使われる動詞を考えてみるとか。
「鳥」といえば、「飛ぶ」「羽ばたく」「(枝などに)止まる」「鳴く」「(エサを)つつく」などがありますね。
これを英語にしたら?
a bird flies、a bird flaps its wings、a bird perches・・・・・
いくらでも遊べますね(笑)。
余談ですが、プラズマローゲンについては、食品化学新聞社の『Food Stype 21』という雑誌の本年6月号で機能性食品の特集が組まれたときに、3記事まとめて出ています。
そのうち1本は、丸大食品の「鶏由来プラズマローゲンの機能性について」。
残りは、三生医薬の「ホヤ由来プラズマローゲンの開発」と、ピーアンドエスの「高純度ホタテ由来プラズマローゲンの開発と機能性 」です。
丸大食品の記事では、アルツハイマーとの関連性が示されています。
調べてみたところ、他にも昨年秋に『食品と開発』という学術誌に、「認知・ストレス・睡眠改善機能をもつ食品開発 食品素材としてのプラズマローゲンの開発」という記事が出ていました。
著者は、上記の特許出願の発明者のうちの一人です。
これはこれで、読めば英語を考える題材はいくらでも転がっているだろうと思います。
現代は本当に便利な時代になりましたね。
ひとつの記事をきっかけに、好きなだけ資料を増やしていくくことができるのですから。