すがられても困る~さすらいのタケルさん その3 | 音楽でよろこびの風を

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相模の風THEめをとのダンナ

いしはらとしひろです。

 

 

さすらいのタケルさん~3

タケルさん、こんにちは。
「今日もいい天気じゃの。
くーったまらん」

日本武尊(ヤマトタケルノミコト)は
腕を目一杯広げて
のびをする。
あ、そんなに伸びると
天井突き破りますよ。
「大丈夫、ワシ 神じゃから」

「ところでこの前は
運の話をしかけたよな」
ええ、そうです。
佳きツマがいるのなら
それでもう
人生88点だと言われました。

「そうじゃよ。
不満はあるまい」
ええ。
でも、もっと良くなりたいという
気持ちも当然持っていますよ。
「よきことじゃ
まぁ、がんばれ」
がんばれってタケルさん。
まぁそうなんですけどね。

「初めてお前が
ワシの元に来たあの頃」
ああ、8年前の走水神社ですね。

僕は神様の声を
聴けたりするわけではありませんが
初めて
「え?これってひょっとして
神様のパワー?」
というのを感じたのが
2011年の秋に
参拝した走水神社の
奥宮だったのです。

そして走水神社のご祭神が
日本武尊と弟橘姫の二柱。
(神様は一人二人ではなく
一柱 二柱 ですね)

それまでも知らずに
ヤマトタケルさんが祭神の
神社を参拝したことは
あったのかもしれませんが
ちゃんと
ヤマトタケルさんがいらっしゃる、
と思って参拝したのは
この走水神社が初めてです。

「ちゃんとこっちのことを
まぁ、せめて名前くらいは
わかってもらえないと
こっちも運だの御利益だのも
渡しにくいしなぁ」

そりゃそうですよね。
ぼくはそれまでは
神社はわりと好きでしたが
神社のことも神様のことも
ほぼ何も知らない状態でした。

なんとなく神社好き。
神社の前を通りかかって
まぁ時間の余裕があったら
ちょっと拝む。
その程度でした。

この走水神社参拝で
「神様の気」を初めて感じてから
神社のことを
神様のことを
より深く知ろうと、
本を読んだり
実際にたくさんの神社を参拝したり。

で、神様と神社が

大好きになったわけです。

「でも、最初の頃は
お前 神にすがっておったよな」
ええ、

色々調子の悪い時期でしたし。
それこそ神頼みしなきゃまずい、
くらいの時もありましたからね。
「その頃祈ったことって
叶った実感あるか?
運が良くなったか?」

うーん。どうだろう。
正直、走水神社に限らず、
その頃参拝した神社に
願ったこと、祈ったことで
これが叶った、
という実感は特にない。

「まぁ、そうじゃろうな」
なんだ、タケルさんも
そう思ってたわけですか。
まさか、僕の願いを聞いていたのに
叶えてくれなかったとか。

「あのな。
まぁ、叶え方にもいろいろあるから
それはまた後で話してやる」
はぁ。
「あの、

知り合ったばかりの頃のお前はな
もう神にすがっていたろう」
ああ、そういえば。
かなり切羽詰まって

いたかもしれません。
「もちろん切羽詰まった状態で
神に祈ってくれてもいいのじゃ。
だがな。
すがられるのは困る」

そ、そうなんですか。
神様なのに?

「たとえばじゃ。
海で溺れている人がいる。
たまたま近くにいた人が
大変、助けなきゃ!
とその人のそばまで泳いでいく」
素晴らしいことじゃないですか。
「だが、
溺れてパニックになっている
本人は、
助けに来てくれた人に
もう無我夢中ですがりつく」
そうでしょうねえ。
「そうするとだ。
ライフガードや

自衛隊の人のように
そういうことに対する
心得があり
体力もある人なら

なんとかなることが多い。

だが
ちょっと泳ぎがうまい、

くらいの人だと
そんな風に

水中ですがりつかれると
助けに来た人も
身動きがとれなくなって
一緒に溺れてしまう、

なんてことがある」

そうですねえ、確かに。
夏のニュースで目にする

海難事故のうち
何件かは

そういうパターンの事故だ。

「すがられると、
すがられた方も

力を発揮できんのじゃ」
なるほど。
「もちろんそんな状態だから
すがりついている方には

余裕なんてものもない」
そうですよね
「余裕が全然ないやつは
受け取ることができんのだよ」
 

ええ?そうなんですか??
「そうだろう。
せっかくこっちが

ヒントを出してやっても
頭の中は 

ああ大変なんとかしなきゃ
だけでパンパンになって、

しかも
空回りしとる」


言われてみれば。


「ええか、

あの頃だってワシも
それからお前の

産土神様や氏神様も
ずいぶんと

助けを出していたんだぞ。
お前にとって有益なことに
つながりそうなサインだって
ずいぶん出ていたのだ」
えええ。
そうだったんですか!
「馬鹿者が。
あの頃の『それ』には
何一つ気づいていまい」
ホントにすいません。
多分ほとんど
わかっていなかったと思います。

「まぁそれでもお前は
御利益がないから、
とかそういう理由では
神や神社のことを

嫌いにならなかった。
報われていない、と
思いつつも

結構熱心に参拝してた」

そうですね。
もうその頃には
御利益のあるなしとは別に
神様のことを

好きになっていましたから。

「だからきついことはあっても
壊滅的にダメになることはなかったな。
小さな幸せは結構あったろ?」
はい。
「その小さな幸せさえ、
気づけない、
感謝できない、
満足しない。
そんな阿呆なら
離れてしまおう、
位は思っていたぞ」

えええ。
そんなぁ。
冷たいじゃないですか。

「まぁ、安心しろ。
産土神様や氏神様は
お前が激しくバカでも
見捨てたりはしないから」
ほっ。
「でも、ワシのように
人生の途中で

縁ができた神は
場合によっては離れることもある。
まぁお前の場合
産土神様も超強力だから

そこでもずいぶん

助かっていると思うが」

僕の産土神様は
鹿島大明神・建御雷神様

(たけみかづちのかみさま)
大国主命に国譲りを迫った神。
日本最強の武神とも

言われています。
そりゃあ強力だわぁ。

「だからな。
開運だの何だの言う前に
まずやることって言うのが
いくつかはあるぞ」

はい。

「とりあえず、すがられても困る。
こっちも身動きとれないから」
はぁい。
わかりました。

確かにあの頃は
余裕がない上に
行動力もなかったよなぁ。

その上
色々鈍かったらしい。

それでも神様好きで居続けたことが
よかったのかな。

というわけで
タケルさんとの会話
まだまだ続きます。

さすらいのタケルさん その4はこちら

 

さすらいのタケルさん その2はこちら

読んでくださった皆様、
ありがとうございます。

※註 この文における
わたくし いしはらと
日本武尊の会話は
すべて いしはらの
脳内で行われているものです。



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