よろこび製造所へようこそ！
相模の風THEめをとのダンナ
いしはらとしひろです。
さすらいのタケルさん その2
タケルさん、こんにちは。
「おう」
え？
タケルさん、なんか不機嫌？？
あのう。
「おまえさぁ、この前の回で、
ワシが男前で、
割と早く死んだのに、
でっぷりとしたオッサンや
爺さんのワシの像があるのはおかしい、
と書いてくれたのは、まぁよしとしよう」
はぁ。
「でもな」
なんでしょう？
「しゃべり方が爺さんじゃ」
ああ、そうかもしれない。
言われてみれば。
今も現に「爺さんじゃ」とか言っているし。
でも、脳内会話の仲では
そういう口調に聞こえるんですよね。
ダメですか？
「イヤじゃ」
いや、だからすでに今
「～～じゃ」って言ってるし。
どうなんでしょ。
でも、当時のリアルな
日本語なんてきっとわからないし。
だってタケルさんが生きてたの
2,000年近く前でしょ？
今と似ているところはあっても
発音なんかだって
違っていたのじゃなかろうか？
「そんな無茶は言わん。
だが、もう少し
30代にふさわしい
しゃべり方もあるじゃろう」
で、ですから
その～～じゃろうが既に。
わかりましたよ。
じゃあ、こんなしゃべり方、いかがですか？
「いいね、いしはらちゃん。
その調子その調子！」
いやぁ、バブルの頃の
プロデューサーみたいでちょっと。
銅像の肩に
カーディガンでも巻きます？
「いしはら、
そんなこと言うなよ～～。
おれっち、
そういうタイプぢゃないし～」
………………
軽すぎる…
タケルさん。
「なんじゃ」
ああ、
やっぱりその方が
ぴったりきますよ。
「そうかのう」
だって、いくら若くして
亡くなったとは言え、
昔の人じゃないですか。
僕的にはすごく自然なんですけど。
「そうかぁ。
ワシ的には少し不本意なのだが」
慣れましょう、慣れましょう。
この方が重みもあって
かっこいいですよ。
だってあなた、
神様ですよ！
か・み・さ・ま
軽すぎるのは
やばいですよ、きっと。
「そういうものかの」
ああ、いい感じです。
これにてタケルさんの
しゃべり方のキャラ、決定！
ところでタケルさん。
まぁ、元々人間だった方が
神様になったというのも
あるでしょうけれど、
あなたの残したエピソード、
事跡はめちゃくちゃ
人間くさいですよね。
だからこそ、
神様になられて後、
たくさんの徳を
お持ちになったのでしょうけれど。
「まぁ、生きているときは
自分が神になる、なんぞ
思ってもいなかったからのぅ。
自分のやるべきことを
やっただけじゃよ」
ひゅー、かっこいい。
でも、まぁそうですよね。
自分が「神になる前提」で
生きる人生ってのも、
これまた大変そうですしね。
「そりゃそうじゃ」
ところで、たくさんある
タケルさんのご神徳の一つに
開運、とか開拓とかもあると思うんです。
まぁ、古事記なんかに
残されたエピソードからして
そうですよね。
「おまえ、開運したいのか？」
え、ええ。
そりゃもちろんですとも。
「では聞くが、
おまえ、今の自分を
不運だと思っているか？」
お、いきなりのストレート。
いしはら 不運なのだろうか？
どうなんだろう。
そりゃ、いしはら
もう54年も生きてますんで、
楽しいこともつらいことも
まぁ、それなりにありましたよ。
特にお金の面では
結構大変な目に。
でも、
かみさんには恵まれているし、
好きな音楽もなんとかやれているし。
仕事も稼げる時と
稼げない時の波は激しいけれど、
自営なので、
好きなようにやっているし。
「かみさんに恵まれているのなら
もうそれだけで十分ではないか。
ワシは弟橘姫を
（おとたちばなひめ
＝日本武尊の奥方です）
喪って、ものすごく悲しんだのだ。
良いかみさんがいるならそれだけで
人生88点くらい行っているだろう」
88点って。
まさか点数をつけられるとは
思っていませんでした。
そうだなぁ、
まずは運の話なんかも
聞いてみたいかな、
タケルさんに。
というわけで
続きます。
さすらいのタケルさん その３はこちら
読んでくださった皆様、
ありがとうございます。
※註 この文における
わたくし いしはらと
日本武尊の会話は
すべて いしはらの
脳内で行われているものです。
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