9/1


09:45 シュヴェリーン

11:00 リューベック


友人と別れ、今日の宿泊地ハンブルクへの道中、リューベックに寄る。興味深い友人数人がリューベックに留学経験があり、以前から是非訪れたかった街。

電車が少し遅れるも、乗り継ぎは珍しく待ってくれていた。少し不安はあるが、荷物を駅のロッカーに預け、いざ出陣。


駅舎


音楽大学


ホルステン門


マリエン教会


教会内部


素晴らしい。まず天気が良すぎる。

期待通りの、こじんまりとした美しい街である。特にマリエン教会は特別な空間だった。ここのみならず、教会内にたたずむと別世界にいるような感覚に陥る。色々科学的な理由はあるのだろうが、単純に教会の持つ力なのだろう。短期間の滞在ながら満喫。


13:30 リューベック

14:20 ハンブルク


ホテル代があまりにも高く、リスク承知で節約を試みたが、これは失敗だったか。ホテル内部はなんの問題もなく機能的で快適だが、危険地帯を通る必要があり…夜の回避方法を探る。大都市は多民族が居住するので、地域によって大きな差が出るのは避けられない。


実家があまりに近すぎる知り合いと初対面。ドイツでご近所さんが学んでいるということを知ったのも最近のこと、巡り合わせの面白さよ。


ブラームスハウスを数年ぶりに訪れたが、内部が大いに改装されていた。あまり小綺麗にならなくても良いのにな、と勝手に思う。

その後教会をいくつか。





この教会の空間の感覚をどう身体に落とし込み、音楽で表現するのか。記憶することはできても、それを他者に感じさせるように表現するには、大きな壁を超える必要があるなと感じた。


夜は初めてのエルプフィル。






入り口でチケットを通すと、長い長いエスカレーター。想像よりずっと観光地、テーマパーク的な空気を感じた。あまりに全てが煌びやかで、ここで自分が録音で知るNDR、ブラームスの音がどう響くのかあまり想像が出来ない。

この日の演目は春の祭典をメインにしていたので環境と演目にそこまでのギャップはなく、観客は大盛り上がり。一曲ごとに拍手が起き、それが最後まで引き続いたのは驚いた、大抵ここは拍手しないものだと途中から気づくものだが、それも少々建物全体の気配が作用しているのかもしれない。懐古主義というわけではないが、あまりに現代的すぎるのもどうなのかしらと思ったり。


帰りは危険を回避するためにタクシーに。ドライバーとホテル近辺の治安について聞くに、タクシーは正解。明朝の移動は問題なさそうで一安心。



8/31


朝は流石に身体が重い。アルコールのせいか、疲れのせいか、時差ぼけのせいか…まあ疲れだろう。


一日シュヴェリーンを堪能。2万歩ほど歩く。

当地オーケストラで活躍するヴァイオリニスト、一本芯の通った素晴らしい音楽家、学生の頃に室内楽を組み、2019年には日本でしっかりしたリサイタルで共演させていただくなど、音楽面での繋がりは当然あるのだが、それ以上に野球をしていた時間の方が長いのではないかという仲。シュヴェリーンの地でもキャッチボールをしたが、自分の肩の絶望的な弱り具合に歳を大いに感じて意気消沈。

来年どこかで共演できないかと提案、お願い。






大きな街ではないが、まことに素晴らしい街である…。

こういう街を歩くことによって得られるエネルギーは果てしない。東京の喧騒からはどうしても得ようがないものがあるのだと再認識したが、もしかしたら素晴らしい音楽はこのエネルギーを内包しているのかもしれない。音楽家は喧騒の中に生きていたとしても、全く別の空間を生み出さねばならないのだろう。

演奏する意義に関する新しい空間が開けた瞬間だった。それを実践するには現実離れした努力と時間(と才能)が必要だなとほのかで重たい不安も腹の底にはいるが、酒で押し流し旅を続ける。



突然の旅行記が始まります。

とはいえ旅に有用な情報を書くわけではなく、私の感じたことをちょこちょこ書くだけですが。 


8/30


05:20


免許とって以来、数年ぶりに乗りたくなった車を運転し(指導員(母)同乗)羽田に。リハビリも一回のみだったので不安はあったものの環八が空いていたため快適に走行。


06:50


羽田着 早すぎる。まあまあ混んでるし、日本人含めほぼマスクの人がいない。コロナの暗い空気が少し払拭されているのかなと。

さて、今回の便は50分と異常に乗り換え時間が短く、流石にロストバゲージが不安。手荷物を預ける時に何度か不安を口にしてみたが、迷惑そうに

「普通ですから…他の人もいますし大丈夫ですよ」

と言われるのみ。むしろロストバゲージしてしまって、

「それみたことか」

と言いたくなってしまうが、ロストバゲージがないように祈る。

なぜか搭乗前に異様に食べたくなるラーメンを食べる。これこそ立地の勝利だよなぁと思いながら、重めの朝食。


09:40 羽田→ミュンヘン


うむ、機材準備で遅れてるね。「それみ」まで口に出てきていた。

機内は満席。夏休みも終わった時期だからもう少し空いてるかと思ったのに。

機内では帰国後に備えて楽譜を読み、その他勉強が主。あとはもちろん睡眠。映画はトップガンマーヴェリックにいたく感動。スプラッター映画がラインアップにあってびっくり。ちょっと見たがこんなの機内で流していいのか笑

留学のため渡独する時、何もかも手探り、しかもコンクールで結果を残せなかった直後、未来に押しつぶされそうな機内で見た「ビリギャル」で大号泣していたことをふと思い出す。3回見て3回とも泣いたのは異常だったな…。

中国ルートで14時間。


以下現地時間

17:10

やきもきしたが予定時刻に着陸。

ただ流石に不安もあり大急ぎで入国審査に向かうが、まさかの並びなし。ほんと、空港によって様々だなぁ…確かに楽々と乗り継ぎ便搭乗口に着いてしまい、逆に落胆。まだ荷物のロストバゲージはあるからな、と拗ねる。


18:00 ミュンヘン→ベルリン

特になし。周りがドイツ人だらけですごく気楽な気持ちに。


19:00


着。荷物が出てくるのを待ちながら、何の違和感もなく立っていることに気づく。特に緊張もなく、身体が覚えているんだろうなぁ。大して長くいたわけではないけれど、自分にとって深々と刻まれたドイツの空気を全力で吸収して帰ると決意を新たに。穴埋めなのかもしれない。

結局あっさり荷物は出てきてしまい、大変喜ばしいのに少し拍子抜け。


21:40 ベルリン→シュヴェリーン


ベルリン中央駅に着いて、あまりの懐かしさにもう帰ってもいいかもと思うほどの感動。

カリーヴルストを食べて、ジャンキーにドイツ食の幕開け。



友人ヴァイオリニストの住む、シュヴェリーンに向かう。湖の街に心躍る。

道中既に寒く、半袖だったら風邪であっという間に旅が終わっただろうな。移動中雨が降り始め、シュヴェリーンに着いたら本降りに。友人の助けを得てなんとか転がり込み、友人のあたたかさ、部屋のあたたかさに感動。


長い長い移動だったなあ。

教わる、もしくは自ら考え、想像し、内的に発展したからといって、演奏の質を向上させるとは限らない。

演奏は実施であり、表に出てきているその瞬間の音が全てである。自分のやりたいことが実施できている演奏はそれだけで立派に成立し、聴き手は安心してその音楽に身を任せることができる。それが不快であれば離れれば良い。

 

逆に、実施が不安定な演奏は本当に勿体無い。演奏者にとっては道の一つの地点だが、その空間は一度きりしかないのだ。当然内的充足は透けて見えるものだとしても。

 

考えることと実施の距離は正確に見る必要がある。「考えること」を過剰評価してはならない。

内的充足があればあるほど、その実施には膨大な労力を必要とするのは当然だろう。

 

 

長い道のりである。少しでも還元していきたいものだ…

いやはや、今回も充実した時間でした。


曲の素晴らしさに感動しながらも、自分のやるべきことを遂行する、シンプルながらあまりにも難しく尊いなと改めて。

そしてお客様のあたたかさ、かつ集中力には今回も多大な力をいただいた。舞台を踏むほどに、お客様の空気をよく感じるようになってきて、うまく相互に影響しあえるようになってきた。昔は些細な物音ばかり気にしていたなあ…小さい小さい。


さ、また暑さに負けず次に進むのみ。

引き続き応援いただけましたら幸いです。