【シルミド】
【シルミド】:白 東虎(ペク トンホ)著
対北朝鮮特殊工作員養成施設『シルミド』。
その実態とそれによって引き起こされた『シルミド事件』について
書かれたことで注目された著書であり、映画『SILMIDO』の原作。
北朝鮮大統領「金日成(キムイルソン)」暗殺を目的とした特殊工作員。
本作はその目的を成し遂げるため、地獄の特訓を課せられた彼らが、
暴動を起こした経緯をまとめたものである。
また、著者であるペク トンホ自身の壮絶な半生もしたためられている。
過酷な任務を成し遂げる為、更に過酷な地獄の特訓に耐えた兵士達。
その大半は前科者で、シルミドはいわばならず者の集まりだった。
そんな彼らをもってしても耐えることの出来なかった日々の過酷な訓練。
それらは活字で伝えれる代物ではないのだろうと思った。
真に『想像を絶する』出来事というのは、
自分の目で見なければ自分の中で『本当』にならないのだろう。
おそらく、シルミドに関するこの一連の出来事は、
このような暖かな環境の国、時代に生まれ育った自分には、
到底、思い描くことのできない世界なのだろう。
そう感じつつも、あまりに卑劣で残忍なシルミドの訓練。
それに耐えるしかない彼らの崩壊寸前の心。
それは自分の中でしっかり形を持てないままではあるが、
確実に伝わってきた。
それは勿論、著者の力であり、訳者の力であると思う。
相手が自分より劣っていると、もしも社会が認めたなら、
人は、相手を人あらざるモノとして接することができるのだと、そう思った。
人は誰しも、そういう無意味な残忍さを備えているのかもしれない。
時間を作って、映画の方も見てみようと思う。
【シルミド】の一節
【シルミド】:白 東虎(ペク トンホ)著
映画『SILMIDO』の原作となった著書で、
ペク・トンホが刑務所拘留中に出会った元特殊工作員カン・インチャンの話を元に、
対北朝鮮特殊工作員養成施設『シルミド』での壮絶な体験を記したものとして注目される。
また、本書の内容はそれに加え、著者自身の体験も事細かに記されている。
少し前からこの話には興味があったのだが、原作の存在自体を知らなかったため、
今まで中々この話に触れることがなかった。
『シルミド』での悲惨な出来事や、そこに集まった猛者の非凡な経歴。
その異様さもさることながら、
著者自身の特異な人生もまた目を背けたくなる内容であったことに驚いた。
娑婆の世界を何不自由なく満喫してる普通の人々が、
『シルミド』のような過酷で凄惨な世界と関わりようがないのだから、
著者の身の上も、よくよく考えれば当たり前のことかもしれない。
実はまだこの著書を読了した訳ではないので、
感想はしっかり読了した後に後日更新ということにさせてもらって、
今日はこの著書に出てくる心に染みた詩を一つ紹介したい。
この著書に出てくる一節。
一人の女の前で
山のような男でありたい
女が心安らかに
近寄って抱きしめて泣くこともでき
心安らぎ癒される
そんな山のような男でありたい
女が心穏やかに立ち去ることができるように
何ごともなかったかのように
笑みを浮かべているふりをして
引き裂かれた胸の中を
涙でいっぱいに満たすことができる
そんな山のような男になりたい
―― 「涙恋歌」(ナ・ヒョクジェ)
素直にとてもいい詩だと思った。
濁った心の水瓶に、ポタリと落ちて拡がって、
濁った心の水瓶に、じわりと滲み、心が染みた。
そんな風に感じる、とてもいい詩だと思う。
『天使の梯子』について
正に今この瞬間、地上波で放送されている『天使の梯子』。
【天使の卵】の続編と言うべきこの物語が、前作の放映と同時に放送されている。
『天使の卵』をいずれ見に行こうと思っている自分にとって、
これは由々しき事態なのだ。
まだ前作を知らない、しかしいつか知ろうと思っている人は、
この放送をどういう風に受け取ればいいのだろうか。
勿論、興味がない訳ではない。
しかし、続編を見る以上ある種のネタバレを覚悟しなければならないはず。
(新聞の『~梯子』の記事に『~卵』のストーリーは既に書かれていたのだが。)
そう考えると、続編も見たいけど『~卵』のストーリーも先に知っちゃうのは嫌。
そう思う人も多いのではないだろか。もちろん自分もその一人。
『~梯子』をテレビで放送、『~卵』を映画館に見に行くように仕向ける。
そういったシナリオなのかもしれないが、
自分はこのタイミングでの『~梯子』の放送に不快感を覚えた。
映画館での放映が終わってから、続編を放送してほしかったと思う。
追記:どうやら、デスノートも近々テレビで放送するみたいだが・・・。