理系の読書入門。 -9ページ目
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【リアル鬼ごっこ】










【リアル鬼ごっこ】:山田悠介著



全国500万の「佐藤」姓を皆殺しにせよ!



―西暦3000年、国王はある日突然、7日間にわたる大量虐殺を決行した。



生き残りを誓う大学生・佐藤翼の眼前で殺されていく父や友。



陸上選手の翼は、幼い頃に生き別れた妹を探し出すため死の競走路を疾走する。




この作品は先に述べた通り、『世間の酷評』を知ってから読んだもので、



その影響を受けていると思う。それが不快な人には読み飛ばしてほしい。




主人公の翼(勿論「佐藤 翼」)は陸上競技の高校生アスリート。というありきたりな設定の下、



翼の「生き別れた妹探し」が始まる。



ここまで読んだだけで、おぼろげながら先が想像できてしまう気がするが・・・。



鬼との追いかけっこや、一週間という限られた日数の中の一日一日の描写など、



スピード感溢れる読みやすい作品に仕上がっていると思う。



やはりどれだけ罵倒されようと腐っても有名作家。



最後まで読ませる力は十分にあったと思う。


(後半は最後のどんでん返しを期待する一心だったが)



が、そんな期待をものともせず、結末は案外あっさり。ありきたりに始まりありきたりに終わる。



いくつか「山田悠介」の著書を読んだが、この原案を考える能力には素晴らしい光を感じる。



「山田悠介」の著書を読むと、小説の良さをいつもと違った観点から見れるようになる気がする。



文庫化されているので手にも取り易いだろう。古本ならば買って『損をした』とは思わないかもしれない。

【クリムゾンの迷宮】

【クリムゾンの迷宮】:貴志祐介著



「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された」



藤木達数名は全く見覚えの無い、赤茶けた大地の上で目を覚ます。



携帯ゲームの端末に送られてくる謎のメッセージに従って、ゲームへの参加を強制される人々。



過酷なサバイバルに勝ち残り、最後に生き残るのは誰なのか。




この本は分類するとすればホラーになるのだが、実際はホラーといった感は薄い。



よってホラーが苦手な人でも十分に楽しめる内容になっているのではないだろうか。



細かな内容を記述するとネタバレになってしまうので控えるが、



違った過程を経て、違った状況で行われた【バトル・ロワイヤル】といった感じだろうか。



主人公の感じる緊迫感、臨場感。それらが表現されている文章が巧みで、わかりやすく、



細やかなその場の状況がありありと目に浮かぶ。



他の貴志祐介作品ではそのためにグロさを伴ったりもするのだが、



本作では特にそのような部位はなかったと思われる。



(多少のグロさに目をつぶった場合、と考えてほしい。)



物語中盤から結果が読めてくるのだが、これは著者があえてそう書いているからだと感じる。



これは他の貴志祐介作品にも共通である。



おそらく、ある程度読者に先を予想させつつ物語を展開することで、



より物語に入り込みやすく、また、理解しやすくなるのではないだろうか。



本作は今のところ、貴志祐介作品の中では一押しである。



【十三番目の人格(ペルソナ)~ISOLA~】もお薦めであるが、



少しリアリティのなさが欠点か。




この著書と対となる曲。(自分の中で)


♪メビウス  by Janne Da Arc

【親指探し】

【親指探し】:山田悠介著



この本は自分が読書にハマるきっかけとなった本で、特に思い入れがある本。




面白かった。という印象はあるものの、いざ書こうとすると意外と何も浮かんでこない。



本として『駄作』であるということなのかもしれない。



だが、非常に怖かった作品である。



読んだのは随分前だが、今でも思い出しては背中をゾクゾクさせているくらいだ。



『駄作』なのでは?と感じる原因として、自分がホラーに大して興味がない



(怖いものが苦手なので避けている)というのが一つと、



世間の酷評』が影響しているというのが正直なところ少なからずあると感じる。



「文章が稚拙で日本語の言い回しにも間違いが多い。」というのが大まかな酷評である。



この作品を読んだ時には感じなかったのだが、



書評欄にてそのコメントを拝見した以後に読んだ



この著者「山田悠介」の作品【リアル鬼ごっこ】、【スイッチを押すとき】には、



実際、そのような箇所がいくつも見受けられた。



が、【スイッチを押すとき】は他の著者の作品に比べても



決して劣らぬ内容と言えると思う(【スイッチを押すとき】については後日記載)



よって、面白い作品に『およそ凡人には会得し得ない高次元の日本語能力』は



必要不可欠なものではなく、



むしろソレによってかえって読みにくくすらなっている著書も



多数存在するのではないか、と、そんなことを、「山田悠介」、この著者には考えさせられた。

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