最後の浮世絵師 月岡芳年@芦屋市立美術博物館 | the art,music and subculture.

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趣味に関する日記というか記録というか、そんなとこです。

 
最近お熱を上げている月岡芳年(つきおかよしとし)。
 
わりとご近所でやってくれるというので、喜び勇んで行ってきました音符
 
 
 

最寄駅からちょっと離れた住宅街にあります。隣には谷崎潤一郎記念館があります。
 
グロい「無残絵(血みどろ絵)」で有名になってしまい、長年真価を正当に評価されずにいた月岡芳年ですが、最近は再評価が進み、嬉しい限りです。
 
グロい絵を描いてたのはほんの何年からしいんですけどね。
やっぱそんだけインパクトがあったってことなんでしょうね。
 
しかし、芳年の真骨頂はなんといっても繊細かつ大胆な場面描写と美しい色彩。
だからグロい絵が鮮烈な印象を残してるんでしょうけど。歴史画や武者絵、美人画も秀逸なんですよ~キラキラ
 
中でも美人画は、お着物がホント美しくて芳年入門編にオススメです。
 
「風俗三十二相」という美人画シリーズがあって、今回は24作品(だったけかな?)がそろってるので、そのあたりが堪能できます。
 
 「いたさう(痛そう)」
 「あつそう(暑そう)」
 「おもしろさう(面白そう」
 
など、「○○そう」な女性を表情豊かに描いた連作で、芳年の美人画の代表作と言われてます。
女性の服装や髪型のほか、蚊遣り、こたつ、歯磨きなどの当時の生活ぶり、風俗もよくわかります。
 
このシリーズをこれだけまとめて鑑賞できたのは、私も初めてです。
 
 
「うるささう」
 
上記の場合、うるさがってるのはネコみたいですけどね。
ユーモアも効いてて、見てるとほのぼのしますよ。
 
 
ちなみに今回は展示されてませんでしたが、芳年には「見立多以尽(みたてたいづくし)」という美人画シリーズもあり、こっちは「○○したい」女性が描かれてます。
機会があったらぜひ。

 
さて、そんなほのぼの系や勇ましい武者絵などが中心に展示されてた本展ですが、最後の最後に無残絵も数点飾ってありました。
 
私のお気に入り(?)の「奥州安達がはらひとつ家の図」もありました。
めっちゃ有名な絵なのに、どうしてポストカードにしてくれないんだろ…今回もなかった… (悪趣味やっちゅーねん)
 
点数は少ないし、無残絵のラインナップとしては控えめな表現なのを選んでるみたいなので、グロが苦手な方も安心して見ることができると思いますよ。たぶん。
 
 
 
あしあとあしあとあしあとあしあとあしあと猫しっぽ猫あたま
 
 
 
今回の展覧会は150作品が展示されてて、超見応えがありました。
 
また、同じ浮世絵でも摺りの時期が違うものを並べ、色合いの違いなどがわかるように工夫して展示しているのも良かったです。
 
やるな、芦屋市!物申す
 
って思いました。
興味がある方は、ぜひぜひ足をお運びくださいませ。