共有地の悲劇
多数者が利用できる共有資源を自らの利益のみを求めて乱獲することで、その資源の枯渇を招いてしまい、全体の利益が失われること。
1968年、生物学者G・ハーディンが次のようなモデルを提示したことから「共有地の悲劇」と呼ばれている。
「一定の広さの牧草地で牛を飼育する人たちがいる。他の牧夫に先んじて牧夫Aは、ウシの頭数を増やして追加収入を得た。それを知ったほかの牧夫たちもこぞって牛を増やした。しかし、牛が増えれば牧草地は過密状態になり、荒廃して共倒れとなってしまった。」
限られた資源の下では、個々人が自らの利益を求め、権利を主張してばかりいると、全体の利益のみでなく、その人自身も利益を失い、集団が崩壊してしまうということである。
共有地においては、それなりの制限やインセンティブが必要であり、自由競争が望ましいとは限らない。
ネットワーク外部性
ネットワークサービスにおいて、利用者が増えれば増えるほど、その利用価値が高まるという現象のこと。
例えば、電話網への最初の加入者は全く利用価値がないが、1人が加入すると相互に通話できるという利用価値が発生する。さらにもう1人が加入すれば、最初の1人にとっては2人の相手に通話できる状態となり、利用価値が増加する。多くの人が加入してしまうと、「加入しないと不便だ」ということで、さらに加入者が増え利用価値が増加する。
このように、電話機そのものの性能ではなく、加入者の数によって価値が変化することを言う。
製品の性能ではなく、利用者の規模が価値を生むことがポイントで、携帯電話やコンピューターのOSなどの顧客獲得競争は、「ネットワーク外部性」が大きく影響し、「ひとり勝ち」をもたらす原因にもなるといわれている。
1980年代のビデオ戦争といわれたVHS方式/ベータ方式の事例は有名である。
人事考課の記入時間
当社では、部下及び自身の成績評価を用紙に記入しています。その時間は労働時間なのか、また、成績評価用紙に記入する時間が所定労働時間外に及んだ場合は時間外労働にあたるのでしょうか。
人事考課も大事な仕事の一部ですから、労働時間になります。当然、時間外で行えば時間が手当の対象になります。
また、自己評価も上司の命令で行うわけですから、仕事の一部であり、時間外で行えば時間が手当の対象になります。目標面接やフィードバック面接も、労働時間です。
ただ、時間外勤務の場合は、勝手に自主的に行って、後で時間外手当の請求をするよりは、はじめに残業申請して、承認を得てから時間外勤務をするなど、自社のルールの沿って行ってください。
業務の必要性があれば、自主的なものでも時間外手当の対象になるという判例もありますが、やはり、先に残業申請して承認を得てから行うことが必要です。
出張手当(日当)の意味
出張手当(出張日当)について、見直しを進めているのですが、そもそも出張手当の意味は何ですか。
出張手当(日当)は、出張にかかわる実費の弁済分ということになります。
出張には、次のような費用がかかります。
・運賃、交通費
・宿泊費
・食事代
・出張準備経費
・その他必要経費
出張手当(日当)は、その費用の全部または一部を「払い切り」として、支給するものです。
交通費は実費精算、それ以外の費用を全部含めて1日1万円という場合もありますし、交通費と宿泊費は実費精算、それ以外の費用の充当分として1日3千円という場合もあります。(金額は各社色々です。役職や等級で格差をつけている場合もあります。)
なお、出張経費を全て実費精算した上で、さらに手当が支給される場合は、給与として従業員の課税対象となります。
人事考課の負担
人事考課の必要性や重要性は、御社のホームページなどを見て、十分認識しているのですが、実際に行うとなると、かなり大変な感じ(負担が大きい)がします。どう考えればよいでしょうか。
人事考課は人事制度(賃金制度など)を運用していく上で、非常に大事なことです。人事制度を機能させるためには、ここを避けては通れないところです。
ただ、おっしゃるようにイメージとして大変だ、負担が大きいと感じる点もあると思います。
評価をすると考えるのではなく、上司がその役割と一つとして、部下の仕事ぶりをよく見て、よい点はほめる、いけない点は叱る、注意するということをしっかり行う、そして、そのほめた点を考課シートの合致する項目に4、5点をつける、叱ったり注意したりした点を考課シートの合致する項目に1、2点をつけるとう風に考えてください。
上司が本来行うべき管理監督活動をしっかりすることが大事です。
そうはいっても、いきなりは大変でしょうから、考課シートを記入しやすいように工夫したり、考課者研修や被考課者研修などで教育したりすることも必要だと思います。
職業観の人事考課
仕事一筋という人や、仕事は仕事と割り切っている人、マイホーム主義の人など、いろいろな職業観(仕事に対する考え方みたいなもの)の人がいます。人事考課ではどう考えればいいのでしょうか。
そうですね。価値観の多様化により、管理職を目指して仕事をする人もいれば、仕事は仕事と割り切って仕事する人もいます。どんな仕事でもやってみたいという人もいれば、慣れた仕事、同じ仕事を続けたいという人もいます。
どのような職業観を持っているかは自由であり、それを理由に人事考課に差をつけることは許されることではないと考えます。
人事考課は行動事実や仕事の結果を評価するものであり、本人の価値観や職業観を評価するものではないからです。
しかし、仕事の与え方となるどうでしょうか。
仕事には、高度の判断を伴う仕事もあれば、単純な定型業務もあります。仕事の完結までに長期間かかるものや短時間で終わるものもあります。一旦任せるとなかなか代わりを作れない仕事もあれば、すぐに代わりが見つかる仕事もあります。
そうなると、営利を目的とした企業である以上、個人の職業観に合わせて仕事を与えることが必要となってくるのではないでしょうか。すなわち個人の職業観を尊重した上で、その職業観に見合った仕事を与えるということです。その方が、本人にとっても会社にとっても都合がよく幸せだと思います。アンマッチはお互いに負担と不満を残してしまいます。
職務遂行能力とは、基本的には仕事を通じて向上するものであり、職業観の低い人に、それに見合った仕事を与えていると、能力開発を促すような仕事に携わることができない場合が多く発生します。
その結果、職業観の低い人は能力が低いとか、職務価値が低いとかという事実が発生するため人事考課が悪くなるということになってしまいます。
職業観とは自己の責任において形成されたものであり、その職業観を尊重した結果が評価に結びつくわけですから、これはこれでヨシとしなければならないと考えます。
新型コロナウイルス感染者数デッドクロスのその後
発表される毎日の新規感染者数だけで判断であるが、4月19日に7日間移動平均線が14日間移動平均線を下抜け(デッドクロス)したので、その後は新規感染数は減少するものと予想した。(4月22日の投稿)
その後、どうなったのか。予想通りに下降している。
曜日の関係もあり、3日間移動平均が一旦上昇したが、7日間移動平均線に抑えられ、また下降した。
今週も、この後3日間移動平均線が上昇するであろうが、先週と同じように7日間移動平均線までで収まれば、下降トレンド継続となる。
最悪、14日間移動平均線までで収まって欲しい。
この3日間移動平均線が、7日間や14日間の移動平均線を上抜け(ゴールデンクロス)するようだと、上昇トレンドの兆しとなり、危険だ。
直近の7日間移動平均の値は309人である。3日間平均でこれを上回らないように願いたい。
なお、東京都の数字もほぼ同じような傾向を示している。
もちろん株価チャートと同じように考えるわけにはいかないが、やはり下降トレンドを継続して早く消滅して欲しいものである。
組織の重さ
組織が「重い」と、新たな方策を立てて組織が一丸となって行動しようとすると、多大な労力がかかったり、結局何も変わらなかったりする。(「組織の“重さ”―日本的企業組織の再点検」日本経済新聞出版社より)
逆に、「軽い」組織は、思い切った政策転換が容易で、新しいものを生み出していく創発力を持っている。
組織の重さを形成する4つの要素
1.過剰な和志向
一人でも反対意見が出るとまとまらない。変化を拒み、現状維持への志向が強くなる。
2.内向きの合意形成
市場や業界の動向よりも、組織内部の事情が優先される。
3.フリーライダー問題(「社内評論家」の存在)
評論家のように口は出すけれど責任は取らない人が多い。
4.経営リテラシー(基本的考え方)の不足
経営に関する基本的な考え方を理解していない管理職が多いと、的外れの方向に組織が動く。
「組織の“重さ”―日本的企業組織の再点検」日本経済新聞出版社 (2007/08)は、一橋大学の教授・准教授たちが、2003年から2007年にかけて、日本の組織の問題点を実証的に明らかにするために遂行されたプロジェクトの結果をまとめたものであるが、さらに、次のようなことも言っている。
個人的なネットワークや情報源を増やすことはよいことと思えるが、実際にはそれ以上のデメリットがつきまとう。
組織内に知人が増えるということは、支持者が増えることにつながるが、それ以上に説得者が増えることになる。
すなわち、根回しの必要な人数が増えてかえって手間がかかるということである。
今まで勘違いしていたかもしれない。
目標水準の高さ
期待理論によると「モチベーションの強さ(高さ)」は、達成の魅力と達成の可能性によって決まるそうである。
モチベーションの強さ(高さ)=達成の魅力×達成の可能性
目標管理で考えた場合、達成水準が高すぎて達成の可能性が低い目標は、逆にモチベーションを下げてしまうということになってしまう。
やはり、達成可能な妥当な目標に設定したほうがよいということになる。
ただ、ここで注意しなくてはいけないのは、ここでいう「達成の可能性」というのは、本人が感じる「達成の可能性」ということである。
仮に高い水準の目標であっても、目標面接等で話し合って、本人が「達成できそうだ」と感じることができれば、モチベーションは強くなるということである。
逆に、妥当な水準の目標であっても、本人が「無理だ」と思ってしまうと、モチベーションは低くなってしまうということである。
目標管理をしっかり運用するためには、その目標の水準も大事であるが、設定時の話し合いや設定のプロセスがもっと大事であるといえる。
情報の質と量
情報の質はとる量に比例する。その件に関して、かたっぱしから膨大な量の情報を集めていく。そうすれば、その中から本当に必要な質の高い情報が見えてくる。
その件に関して、持っている情報量が少ないと、後から入る新しい情報の影響力は大きい。新しい情報にほれ込んで、間違った判断をしてしまうかもしれない。
もともと多くの情報を持っていれば、新しい情報が入っても、その情報の占める割合が小さいので、冷静に考えることができる。
質の高い情報だけをピンポイントで得るような特別な方法を探すよりは、まず、たくさんの量の情報を集める努力の方が大事だろう。

