評価すり合わせ会議
人事考課が一通り終了し、全体で評価のすり合わせをする予定です。その際、会議進行として、部署毎に具体的な行動などが異なるため、結局のところ、一次の直属上司の評価で落ち着くのではないか、という懸念があります。すり合わせの会議はどのようにすればよいでしょうか。
評価のすり合わせの会議を行うことはよいことだと思います。その際、注意していただきたいことは、人間の評価ではなく、具体的な行動事実や仕事の結果の評価を行うということです。
「誰々はA(4点)だ、B(3点)だ。」という議論ではなく、「誰々のこのような行動、あるいはこのような業績は、A(4点)に相当する、B(3点)に相当する。」という内容です。
ただ、おっしゃるとおり具体的な事実(行動や業績)は直属上司がよく知っているわけですから、その内容を認めた上で、どう評価するかということです。
言い方を変えれば、直属上司が提示して具体的事実を題材に、事例研究を行うことです。そして、その話し合いの中で、どのような事実がどのような評価点になるか、共通認識を持つようにしていきます。
一度、考課者訓練等で事例研究を行っていれば要領がつかめると思いますが、それぞれの事実について、会社としてどう判断するか、意見交換することで基準があってきます。
評価のすり合わせ会議を、実例による考課者訓練と言う意味に考えて、ぜひ実施してください。
人事考課の記入時間
当社では、部下及び自身の成績評価を用紙に記入しています。その時間は労働時間なのか、また、成績評価用紙に記入する時間が所定労働時間外に及んだ場合は時間外労働にあたるのでしょうか。
人事考課も大事な仕事の一部ですから、労働時間になります。当然、時間外で行えば時間が手当の対象になります。
また、自己評価も上司の命令で行うわけですから、仕事の一部であり、時間外で行えば時間が手当の対象になります。目標面接やフィードバック面接も、労働時間です。
ただ、時間外勤務の場合は、勝手に自主的に行って、後で時間外手当の請求をするよりは、はじめに残業申請して、承認を得てから時間外勤務をするなど、自社のルールの沿って行ってください。
業務の必要性があれば、自主的なものでも時間外手当の対象になるという判例もありますが、やはり、先に残業申請して承認を得てから行うことが必要です。
看護師の指導
病院の看護師ですが、
1.患者や家族の話,意見を聞き人格を尊重し思いやりのある態度で接し,不快な思いをさせない。
2.患者家族に対し威圧的・命令的な態度にならず話を傾聴する姿勢を持ち接すことができる。
ように、指導したいのですが、どうすれはよいでしょうか。
それなりの教育が必要ですが、人事面からの仕組みも必要だと思います。
人事面から言えば、人事考課の期待行動の項目に「傾聴力」や「おもいやり」の項目を入れて、求める行動を明確にするとよいと思います。
人間として、看護師として、そのような行動をしてくださいということではなく、組織として、このような行動をしてください、ということを明確にするということです。
実際に、私のが関与している介護施設では、このような項目を人事考課に入れて意識が変わり、非常に雰囲気が良くなった、というようなことがありました。
もし、人事考課シートに入れることができなければ、職場の行動チェックシートをなどを作成して、その中に入れて、毎日自己チェックするようにするとよいと思います。
例えば、次のようなチェック項目はいかがでしょうか。
傾聴力
・ 患者家族に対し威圧的・命令的な態度にならず話を傾聴する姿勢を持ち接している。
・ 苦情やクレームなど耳の痛い話こそ、内容を分析し整理しながら聞いている。
・ 単に話を聞くのではなく、相手の話に上手く相槌し、こちらの知りたい情報を引き出している。
・ 人の話を聞く時は、メモをとる、質問する、確認するということが習慣になっている。
・ 相手の言いたいことを、相手より上手に表現している。
・ 相手の目をよく見て、言葉だけでなく、相手の真意を聞くようにしている。
おもいやり
・ 相手の立場や気持ちを理解したうえで、対応している。
・ 他の人が間違いそうな部分については、先回りして教えてあげたりマークしたりしている。
・ お礼の言葉、ちょっとした支援など、自分がされて嬉しいことを相手にもしている。
・ 相手が仕事がしやすいような環境作りや気配りを欠かさないでしている。
・ ただ甘いのではなく、相手の成長を願い、いけないことははっきりと指摘し、正しい方向に導いている。
第一印象度
・ 声が大きく、きびきびした行動をとっている。
・ 明るく、礼儀正しい挨拶をしている。
・ 常ににこやかな笑顔を絶やさない。
・ 「堅実」「誠実」に見える身だしなみを常にしている。
・ 他人に対して、温かく愛想が良く、やさしい態度で接している。
アメとムチ
人間だけではなくネズミなどの動物でも、罰を与えられる行動を回避するようになり、報酬を与えられる行動を増やすようになる。このアメとムチ(報酬と罰)をうまく使い分けることで、人を動機付けることができる。このアメとムチによる力は、短期的には有効で強力な力である。
このアメとムチによって、動機付けられている人は、報酬を得ることや罰を回避することが目的であり、仕事をするなどの行動はその手段となっている。「動機は不純でも、行動することが大切」と考えれば、「アメとムチ」も大事な動機づけの方法である。しかし、長期的に考えた場合どうだろうか?
昔の話であるが、徹底して「アメとムチ」を使っていた営業会社を知っている。
そこでは、1日注文が取れないと、その夜、他の営業マンから張りせんで「尻たたき」をされるのである。
2日間続けて注文が取れないと、駅前や郵便局の前で童謡を歌わされたりもしていた。もちろん給与も歩合制で、注文が少ないと収入も少なくなる。
逆に、成績の良い人は収入が多いだけでなく、海外旅行に行けたり、豪華な賞品をもらったり、さらに役職もどんどん上がっていった。椅子や机もランク別になっていた。
そんな会社の営業マンの状況を見て、次のようなことに気がついた。
1. 罰を何度も受けていると、罰を回避するための努力をせず、罰をやわらげることに努力する。
2. 努力せずに罰を回避することを考えるようになる。罰を回避するために不正をする。
3. 罰を受けることで、自分の努力していないことを正当化する。サボっていても「罰を受ければいいのでしょ」とサボることの言い訳にする。
4. 報酬をいつも受けている人は、それで満足して、「今期は報酬が少なくてもいいや」と、努力しなくなる。
5. 報酬をいつも受けている人は、「報酬を得るためだけに努力していること」に嫌気が差して去っていく。
6. アメとムチによる動機づけを長く受けていると、絶えず誰かが見張っていてアメやムチを与え続けなければ、行動しなくなる。
これらは、決してよいことではない。一時騒がれた「成果主義」も、まさに金銭による「アメとムチ」である。
成果主義を掲げた企業の多くが、その看板を下ろしたのも必然だと思う。
やはり、「行動することで得られる楽しさや満足感による動機づけ」が必要である。
成果をあげるコツ
ホームページの以前の記事に「成果をあげるコツ」というのがあった。もう、5年以上も前の記事であるが、結構偉そうなことを書いていた。今読んでみると恥ずかしくなる。
◆ 昔書いた「成果をあげるコツ」 ◆
その1 (kana_3の経験則)
・ まず、「自ら汗をかく」 → 効率・成果は5%アップする。
・ 「自分の仕事のやり方を工夫する」 → 10%アップする。
・ 「他人との連携、仕事の流れ、仕組みを改善する」 → 20%アップする。
・ 「実施しなくても、それ以上の効果があがることを考える。」 → 30%以上アップする。
その2 (kana_3の経験則)
・ 一人でいるときは、一人でがんばる。
・ 周りに人がいるときは、その人をうまく使う。(すすんで協力してくれるように仕向ける)
・ お客がいれば、お客をうまく使う。(すすんで協力してくれるように仕向ける)
・ 協力すれば、メリットがあるような仕組みを作る。協力せざるをえない仕組みにする。
その3 (kana_3の経験則)
・ 創業当時は社員の努力に頼る。自分も汗かく。社員も汗かく。行け行けドンドン。
・ 3年経ったら、標準化。誰でもできるように、やり方を整備する。しかし、努力は必要。
・ 5年経ったら、努力しなくても成果が出る仕組みを作る。
・ 10年経ったら、次を考える。
その4 (昔読んだ本に書いてあった)
・ 明確な指示命令を与える。明確とは「何を」「いつまでに」がはっきりしていること。 → 100%の力を発揮する。
・ 「なぜそうするか」その指示命令の目的、理由を理解させる。 → 130%の力を発揮する。
・ 指示命令する前の段階から参画させ、自ら実行するように仕向ける → 169%の力を発揮する。
顧客の創造
「ビジネスの目的は顧客の創造である」と、あのピーター・ドラッカーがいっている。
ビジネスが成立するのは、製品やサービスが売れるからではなくて、お客さんがその製品やサービスを買ってくれるからであり、その顧客を創造することが一番大事であるということである。
そして、「顧客中心という視点」で考え、「顧客は何を基準にモノを買うのか」を考え、「顧客を維持すること」を考えることが必要だといわれてきた。また、多くの学者や経営者が、このような考えを元に色々議論し、顧客創造の方法を提唱している。
それはそれでいいのであるが、私は、人を増やすこと、子供を増やすことが「究極の顧客創造」になると思う。
少子化が進んでいる日本で、その防止策を打たないで、少なくなっているヒトの中(小さくなっているパイ)で、顧客創造だ、顧客満足だといってもたかが知れている。
企業がまず行う「顧客の創造」は、社員が子供を作りやすい環境を整えることである。少子化問題は国の問題と考えるのではなく、個々の企業が個々の企業の永続発展のために、子供を作りやすい環境を作ることが必要である。
一つの例として扶養手当(家族手当)がある。
ある経営者が「子供を作る、作らないは個人の問題だから、そんなものに会社が家族手当を支給する必要はない」と言っていたが、確かに賃金を労働対価という面でとらえればその通りであろう。
しかし、顧客の創造という点で考えてみれば、その子供が自社の顧客に育っていくわけであり、子供がたくさんいた方が顧客はたくさん増えることになる。
家族手当を人件費という枠ではなく、販売促進費という枠でとらえ、より多く支給することが、子供を生みやすい環境を作ることになり、「顧客の創造」にもつながっていく。
ヒトがいるからモノが必要になり、ヒトがいるから、モノが売れ、モノが動く。そして、それが繁栄につながる。少子化問題には政府も色々と手を打っているのであろうが、企業としても企業の発展のために手を打つべきであろう。また、その方が効果的なような気がする。
勿論、扶養手当だけでなく、色々な観点で子供を増やす環境作りが、究極の顧客創造になるのではないだろうか。
評価制度の見える化2
評価制度の見える化1からご覧ください。→ 評価制度の見える化1
今回は、評価制度の導入についてのご相談ですが、まず、次のことを明確にするとよいと思います。
その人、その立場、役割の担当者に対して、どのような成果を上げてほしいのか、また、そのためにどのようなことをして欲しいのか、この2点です。
私はこれを期待成果と期待行動と言っていますが、この2点を各役割について明確にすることが大切です。
○ 期待成果 (期待通りの成果を出してほしいという期待です)
どんな成果を出して欲しいのか、明確にすればよいわけです。
営業数値や生産性、不良率など仕事の結果について、評価するようにします。
○ 期待行動 (期待通りに業務を進めて欲しいという期待です)
その仕事をどのように進めて欲しいのか、 どのよう仕事ぶりがよいのか明確にすればいいんです。
これは文章で表現することになりますが、 後から判定できるように、表現に気をつける必要があります。
これらは職種によって異なりますので、職種ごとに作るとよいと思います。これが評価項目になります。また、その他、必要であれば、勤務態度に関する項目を入れるとよいと思います。
評価に仕方については、評価をする人はもちろん、評価される人にも考課者訓練を行って評価ルールや基準の共有化をかかります。
評価される人にも基準やルールを公開することで、評価する方も安易にできなくなり、妥当な評価をするようになります。
評価制度の見える化1
順調に利益は出ているのですが、従業員には『やる気』、会社にとっては『業績や状況』に応じた給与体系を考えています。
そこで、評価制度を新しく導入したいと思っていますが、何から手をつけていけばよいのでしょうか。
利益も出ており成長中の企業であるとお見受けします。利益を出して成長しているということですから、立派な人事制度(賃金制度や評価制度)があるはずです。もしなければ、これだけ成長しないと思います。
御社には、立派な人事制度(賃金制度や評価制度)があるのです。ただ、それが明文化されていなく、社長さんの頭の中にあるだけで、他人から見えない状態になっているのです。
ですから、社長さんの頭の中にある立派な人事制度を、他人にもわかるように明文化すればいいわけです。
そして、その明文化する時に、より今後の経営環境に合うように微調整すればよいわけです。
これまで業績を上げ続けてきたすばらしい実績がある現行人事制度(社長さんの頭の中にある仕組み)を無視して、全く違った新しい人事制度を導入すると、逆に混乱して業績が落ちてしまうことになります。
人事制度の見直しを考えていらっしゃるということですから、次の3点を見えるようにするとよいと思います。
個人の賃金は
・ 会社の業績とどう連動しているのか
・ 自分の評価はどうなっており、その評価とどのように連動しているのか
・ 自分の役職や等級、(場合によっては年齢や勤続)などとどのように連動しているのか
ということです。
人事制度の見える化
人事制度が全くないので、新たに作りたいとい相談をよく受ける。本当にそうであろうか。
実際には毎月給与を払っているわけであるし、妥当な人に役職を任命しているはずである。「人事制度がない」ということはありえない。現在も運用している立派な人事制度があるはずである。
まして、何十年も立派に成長し存続している会社であれば、それに見合った立派な制度があるはずである。
「人事制度が全くない。」というのは、人事制度そのものがないということではなく、ただ、紙に書いていないだけである。
明文化されていないから、決定者以外はわからないということだ。決定者(社長や実力のある役員)には、自分なりの判定基準があり、人事制度があるということである。
したがって、まず、今ある人事制度を目に見えるように「見える化」することが先決である。見える化することで、今の状況に合わない点や将来への問題点が見えるようになってくる。そして、その部分を改善していけばよいのである。
現状の人事制度を見える化しないで、今まで運用してきた現状の人事制度を否定して、新しい制度をいきなり導入してもうまく行く可能性は低い。
まず、今運用している制度の見える化を行い、よい点や問題点を認識した上で改善していくようにした方が不要な混乱を防ぐことができるし、より自社にあった制度として運用できるようになる。と考える。
もちろん、見える化の仕方や見せ方などは注意が必要である。
まぐれと不運
結果とプロセスについて、それぞれ「よい」「悪い」の2通りを考えた場合、次の4つの組み合わせが考えられる。
① 結果がよい、プロセスもよい → 当然の成功
② 結果がよい、プロセスは悪い → まぐれ
③ 結果は悪い、プロセスはよい → 不運
④ 結果は悪い、プロセスも悪い → 自業自得
その組織の中で、まぐれでも結果のよい方が高く評価されるのか、たまたま結果は悪くてもプロセスのしっかりしている方が高く評価されるのか?
あるいは、「運も実力のうち」と考えるのか「運はいつまでも続かない」と考えるのか。
この辺をしっかり議論して、その組織として明確にすることが大事である。