★「石井町 諏訪神社」
場所・ 新潟県三島郡出雲崎町石井町599
JR出雲崎駅より1回・500円の乗り合いタクシー「てまりん」あり
創建・
竣工・ 昭和期
構造・ 木造 妻入り 石造明神系鳥居
祭神・ 健御名方命
社務所・ なし
最終訪問・ 2018.11
*日本遺産 「北前船寄港地」
出雲崎の海沿いの宿場町の漁港近くに鎮座し、社地は国道352号に接しています
「神社明細帳」(明治16年)に「三嶌郡出雲崎字石井町字諏訪ノ上 無格社・諏訪神社」とあるそうです
領主の陣屋の守護神として勧請されたと伝わりますが、年月は不詳で、健御名方命を祭神とします
昭和になって、水害を受けて現在地に遷したといいます
簡素な石祠ですが、日本海に面しているので、絶景神社ではあります
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ここは出雲崎の宿場の中でも色っぽい遊郭跡の場所にあります
漁港が近いということで、やはり北前船や佐渡と行き来する金を運んでいた船員の人たちを相手にしていたのでしょうね
ちょうどこの神社は、遊郭の裏手にあるので、遊女の方も参拝に来たかも知れません
きっと海が荒れるように、、、冬なんかは荒れる日本海の水を被り、凍る冷たーい西風に吹かれる位置です
それかいろんな切ない願いを聞いてきたのかも知れません
「山崎」の横の路地 街道から日本海へ「抜けられます」
ちょっとここは他の普通の神社とは違う、色町の神社ということで貴重です
こじんまりとした祠のようですが、立地が特別ですね
諏訪というところは新潟らしいなと思います
(諏訪様は新潟県上越地方出身、出雲の大国主命が越後の奴奈川姫にプロポーズし、生まれたのが諏訪の神様)
諏訪様・遊郭・海好きの方にもオススメです♪
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★北国街道 「石井町の遊郭跡」
出雲崎には遊郭跡好きにもたまらないポイントがあります
以前に来た時には気が付かなかった、木造3階建ての大きな遊郭跡も残ります(上と一番上画像)
これだけのものに気が付かないなんて、14年前くらいの初期の私はほんとに節穴だな
今回はもう、一目で見つけて「これは絶対、遊郭だ」と確信し、町並の案内をしている「妻入り会館」で確かめたところ、正解
唐破風の感じがもうそれっぽいので、これは好きな方は必見です
今は個人宅なのか、内部公開されていないのが残念です
もしこれが公開されたら、けっこうな目玉になると思うのですが、取り壊されていないだけ感謝、再利用するなら「遊郭CAFE」なんて最高かと
石井町の「山崎旅館」さんは現役の割烹旅館で、かつての置屋だった建物を使用しています(上と下画像)
遊女がいた1階の待合室も健在ですので、当時の面影を感じることができます
泊まるのは2食・10000円くらいで、昼食は要予約で4000円くらいからです
「みよや」という料亭もあり、これは洋館の看板建築が2階にほどこされています
「山崎旅館」 玄関 背後は日本海 窓からも海が
他にも「柏屋」さんというのもあり、石井町のこの地区が色町だったそうです
すぐ後ろは日本海、夜は冬の強風の音と荒れる波の音と遊女、、、想像したらすごい世界だー
北国の海沿いの遊郭、世界感がありすぎです
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★2018年11月 再訪
今回は12、3年ぶりくらいの再訪ということで、今の私がかつてと同じ町並みを見たらどんなことを感じるだろうと思って、楽しみにやって来ました
当日は土日で曇り、という日本海らしい雰囲気で、しかし誰も歩いていないので、さらに晩秋の日本海、一人旅(旦那は車で待機)感が高まって良かったです
昔は旦那もまだ田舎や新潟、日本海が珍しい都会の若者だったので、一緒に見てくれましたが、現在はもう在住10年を超えて、仕事でも私より新潟県内を駆けまわっているので、全然珍しくない様子
2005年の初訪時に撮影
「料亭 みよや」 国・登録文化財
出雲崎の北国街道は町並が4キロも日本海に沿って続きます
これだけの規模で町並が残っているなら重伝建でもいいのになあ
まだ中途半端なのかなー、保存の状態が
しかし、令和元年、ついに日本遺産「北前船寄港地」に指定されました
これだけの町並みがあるのに、誰もいないってもったいない、寺泊の魚市場や柏崎の海水浴場からも近いのに、観光空白地帯か
寺泊の向こうには人気の弥彦神社もあるのになあ
新幹線の停まる長岡市からも近いのに
日本遺産になったことで知られて、観光客が来ればいいですがね
現在でも普通に民家です 石井町 妻入りの町家
なので、逆に連休でも混まない、ゆっくりと土日でも浸って見られるという意味では穴場だと思います
新潟は一部の有名観光地以外は、ほとんどが土日、連休でも混まないので観光しやすいと思います
関東からも近いですしね、こういう穴場のところにも来てほしいなと思います
公共交通だと駅から遠いので、バスになるので不便ですが、車のある方なら日本海ドライブのついでにでも良いですし
間口が狭く、後ろの日本海に向けて長く伸びる町家
そんな宿場の井鼻ー鳴滝町ー石井町ー尼瀬地区をずっと見てみました
特に見どころは、妻入りの町家が連続して並ぶ、ウナギの寝床の風景
これは上の高台から見ないとわかりませんが、今でも当時の町割りが残されています
そして、町屋の妻の軒の側面に入った模様、土蔵の家が多いこと、なども見どころです
昔は北前船の港や天領として佐渡の金を運び入れる港だったので、土蔵が多いんだと思います
これは3回目に来ないとわからなかったので、来て良かったです
(明日も宿場の中心地だった石井町の政治系の町並みへ、遊郭と同居しているのがすごい)
遊郭・町並・港町好きの方にもオススメです♪
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*神社のデータは「新潟百景」というHPより
リンクの張り方がわからないので、サイト名を記載しました