★国・重要伝統的建造物群保存地区・北陸編★
引き続き、重伝建のまとめで北陸編、新潟県、富山県、石川県、福井県です
新潟県と富山県、福井県の重伝建は制覇したので、
残りの石川県で行けていない地区は4か所で、
金沢市の「卯辰山山麓」、「寺町台」、加賀市の「加賀東谷」、白山市の「白峰」と指定が2011年以降のものが多いです(後出しやめてー)
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17.新潟県佐渡市 「宿根木」 2008年7月
日本海に浮かぶ佐渡島の南西部、小木という港町の近くにある船大工の漁村集落です
ここの建築は北前船を作る船の技術を使った「三角の家」などで有名です
「世捨て小路」や「北前船主の家」、1日1組だけの民宿、古民家CAFEなど、ここにしかない独特の町並みが残ります
不便な島だけに他の地域からの影響が限られるので、独自の進化を遂げたと言えます
歴史の古い佐渡には佐渡霊場88か所、国分寺、朱鷺、能舞台のある神社、鬼太鼓、世界遺産暫定候補の佐渡金山もあります
宿泊は日本海一望の絶景温泉や海の幸も世界規模で有名な佐渡産コシヒカリもあるので旅好きは一度は訪れてみてほしいです
私は子供のころから親族の縁で何度も行っているので、特別な島でもあります
18・ 新潟県佐渡市 「小木」 2008年7月
すぐ近くの「宿根木」とともに重伝建に2024年になって指定された小木
ともに北前船で栄えた港町で、町家建築の旅館や5階建ての木造建築などが残ります
佐渡は2024年には相川の「佐渡金山」も世界遺産に指定され、盛り上がりを見せています
19.富山県高岡市 「山町筋」 2008年12月
富山県西部の城下町、高岡市の旧市街の中心街にあります
高岡も3度くらい行っていて、初めて行ったこのときに山町筋を歩きました
高岡の城下町、商家町の町並で、重厚な蔵の建築が見どころです
市内には有名な国宝の瑞龍寺や高岡大仏もあるので、「THE 仏都 高岡」を感じられます
高岡市内も連休でも空いているので、周りやすいです
20.富山県高岡市 「金屋町」 2008年12月
同じく高岡市内にある、鋳物産業の産業町で、木造の町家が並ぶ風景が壮観です
鋳物は火を使うので、火災を恐れて町の外側に移転され、そのときに一斉に建替えたので統一された町並みが残るそうです
奥に長いうなぎの寝床で、代々内部の作りを変えながら一族で住んできたので、この町並が残りました
町の伝統産業として、若い職人さんも多いそうで、今後もモダンな商品が多く発売されると思います(伝統は常に革新へ)
昔は侍の武器を作っていた鍛冶町が土台にあるので、やはり城下町には金物産業が残りますね
21・ 富山県高岡市 「吉久」 2022年5月
2020年12月に重伝建になったばかりの地域で、49棟の建物が指定(高岡市3か所目)
加賀藩の年貢米の御蔵があった在郷町で、商業で栄えた倉庫町の江戸時代から昭和初期の邸宅が残ります
GWでも見学者は私だけで、まだあまり知られていません
22.富山県南砺市 「相倉」 2009年10月
富山県と岐阜県の県境にある「合掌集落」で有名な山村集落です
世界遺産にもなっているので有名ですよね
富山側の方は観光客も白川郷ほどいなくて、自然な風景が残り、のんびりしているので気に入りました
町並みの中に泊まれる民宿も残りますので、豪雪の冬なんかは雰囲気ありそうです
23.富山県南砺市 「菅沼」 2009年10月
こちらも同じく、世界遺産の合掌集落になります
山間に点在する5つの集落を総称して「五箇山の合掌集落」として登録されているようですよね
重伝建はそのうちの2つが指定されていて、比較的大きめの集落だからでしょうか
町並みの中に泊まれる合掌造りの宿もある
木造3階建ての大きな古民家は、屋根の急な角度で雪を落とし、一族で1階に住み、2から3階は蚕を飼って、繭を生産していました
加賀藩の火薬としての硝酸を秘密裏に山奥の豪雪の集落の床下で生産していた、という歴史もあります
五箇山で生産された繭は同じく市内の城端へと運ばれ、絹製品として、加賀で高く売れたそうです
個人的には新婚旅行の地としての思い出です
24.石川県金沢市 「東山ひがし」 2010年5月
北陸の中心都市、観光の町として有名な金沢市の代表的な観光地なので説明するまでもないですね
江戸時代に町の東の郊外に形成された遊郭町、
今でもいちげんさんお断りのお茶屋が軒を連ね、花街、芸者文化が残ります
ここは金沢市に行ったら、みんなが必ず行く場所ですので、GWはこの通り人だらけ、、、
25.石川県金沢市 「主計町」 2010年5月
同じく金沢市内にある茶屋街で、3大茶屋街の一つですが、西だけは重伝建でないんですね
こちらは川沿いにあるので風情があり、観光客も少ないです
どちらの茶屋街にも木造の民宿があるので、町並の中に泊まってみたいです
映画の「舞子Ha----n!」のロケ地にもなりました
26.石川県加賀市 「加賀橋立」 2010年5月
石川県西部、福井県との県境近くにある北前船の港町で「蔵六園」など、北前舩の船主の邸宅などが軒を連ねる、ひっそりとした町並です
石川県でもここだけが、町並が山陰ぽい町並で、北前舩での影響を感じられました
GWでも貸切状態だったので、ここは穴場だと思います
実は石川県は、あの京都よりも重伝建の数が多く、金沢市4件、県全体では8件にも上ります
金沢市は小京都の会からも抜けたそうですし、京都にも負けない、金沢市のプライドと独自の文化があることを感じます
京都市ほど混雑もしないので、コンパクトで周りやすい街かなと観光客側からすると思います
27・ 石川県輪島市 「黒島」 2023年4月
能登半島最大の北前船の基地だった港町で庄屋の家や資料館もある路地の町
木造の下見板張りの家が連なり、新潟県の出雲崎にそっくりで驚いた
江戸時代中期から明治中期にかけて繁栄、外浦街道に面する海岸沿い
しかし残念ながら、2024年1月1日の「能登半島地震」で町並みは壊滅的な被害に、、、
28. 福井県南越前町 「今庄宿」 2010年5月
ここは私が行った後に、2011年頃から町並み保存運動が始まり、2021年5月にめでたく重伝建に指定されました
ということは、私は先見の明があったということか(大袈裟)
このように、後から指定されてくれると楽で良いですね(爆)
こちらも旧北陸道の峠を控えた宿場になります
このときは観光地化されていませんでしたが、現在はお店とかあるのかな
29.福井県若狭町 「熊川宿」 2010年5月
福井県西部、「京は遠ても18里」で知られる「若狭街道・鯖街道」で有名な道の駅に併設された旧宿場町です
18里とは現代のキロでいうと57キロくらいで、ここで早朝に小浜市で水揚げされた塩をまぶされた鯖を荷受けして、明日の朝までに京都の町中に届ける、という物流の拠点だったところです
昔は冷蔵技術もなく、サバは足が速い魚なので鮮度を保つために塩をまぶすと、次の朝に届くころには良い塩梅(それこそ、あんばいだ)になっていたそうですが、さすがに夏は厳しかったらしいです
現在ではすっかり観光地化されて有名になっています
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北陸の町並みは観光地化されているところとされていないところの差が大きいような気がします
基本は北前舩と城下町など、物流か城下で栄えたところが特徴のような気がします
新潟県は本土の方に重伝建が欲しいところです
佐渡はアクセスさえ悪くなければ、新潟県内で一番の見どころの多い島です
わざわざ船に乗って、訪れる価値のある島です
島だからこそ守られた文化、町並があるんだと思いますし、独自性も島ならではだと思います
町並・歴史・観光好きの方にもおススメです(^^♪