どうして。

進んだんだよ、あたし。進めたんだよ、あたし。何でふと、一瞬で戻ってきてしまうん??


哀しい現実と、哀しい自分に泣きたくなる。そんなバカさ加減にも泣きたくなる。際限ないくらいに、いくらでも泣きたくなる自分がおる。


不幸も、幸せも全部抱えればいいのに、チッポケで抱えられずに、どれも零してしまう感じがする。まるで、ポッケに穴が開いとるみたいだわ。何かが抜け落ちてってしまう。


落ちて堕ちて、キャッチしてもらえんかったら、一体どこへ行くんだろぉ? どこに辿り着くんだろぉ?


闇は広がるばっかりで、重力に逆らえない。


このままでいいのに。

もう居ないんだよ。

求めてはいけないんだよ。

あたしを許す声が聴こえたなら、そちらへ行けばいい。でも許される気がせん。怖い。とっても怖い。誰にも許してもらえん、拾ってもらえん、すくってもらえん、抱き締めてもらえん。


眠ればいいのに。

また戻ってきちゃったよ。

ワガママはいかんだよ。いかんだよ・・・。


風、薫る。
その実が何かも分からず、

口にする。

舐めただけじゃ分からず、

歯を立てる。

歯を立てたら分かった、

柔らかい。

噛んでみたらまた分かった、

酸っぱい。

味わってみたら更に分かった、

甘い。


優しくも、甘酸っぱい。


一度覚えたら、

ヤメられない。


クセになるから、

繰り返す。


笑って泣いて笑って、また味わう。

この想いや、この感覚が、本物かどぉかは分からん。


一時の儚きものでも、今は大事にしたい。いや、本当はずっと大事にしたくて。

そぉ、ずっと大事にしたくて。

大事にしときたくって、消えて欲しくなくって、ならこのまま自分が消えてしまえば良いんだって、思っちゃう。


破滅的思考ではなくて、この感覚を残したままでの保存的思考。


こんな風に思うよぉになったんは、果たして自分が変わったもんでか?

相手に染まって、少し自分に優しくなれる、そんな感じがする。


いつか、これに泣く時が来るんだろぉと思うだけど、それさえも愛おしく今は思う。

まぁ、そん時が来たら来たで、全力で泣くんだろぉけどねん。


いつも全力。

いつでも全力。

いつだって全力。


そいでもって、空回りで空振りして、勝手に疲れて泣くんだ。


人間の恋なんて、どれも支離滅裂だよ。

あれだけ忘れられず、そこに足が留まったまま動けず、時には泣いてしまった。

勿論、嘘じゃない。

だけど、「待ってる」と言ったあたしの言葉は、若干の嘘を孕みつつある。

まだ待っているか?

これからも待っているか?

それが分からなくなってきた。

分からなくなるんが嫌で、次だとかそんな事は考えられんかった。


“自暴自棄”。

そんな言葉がピッタリなあたしになっていたのだけれど、今、自暴自棄だとは思わない。


むしろ、前向きに進もまいって思っとる。


それでもやっぱり、こぉゆぅ人間にはなりたくない、なりたくなかったってゆう気持ちが拭えん。

だもんで、自分が嫌いになる。また自信が消えてく。それで、周りの人からも嫌われたと感じてしまう。嫌悪感が不安感を呼んで、孤独感に繋がってしまう。


ずっとずっと悲劇のヒロインで良かった。

でもそれって、「想っとるよ」「待っとるよ」ってゆう自分に浸っとるだけであって、すんごく自己中な幸せの中でぬくぬくしとるんだなぁって思う。


本当に残酷な人間だ。

上書きしてしまうだなんて、忘れられないその気持ちが薄れるだなんて、やっぱり嫌って言えば嫌。でも、受け入れなきゃ、成長も何もなくって、今向き合う方々みんなに失礼に当たる。それも嫌で、やっぱ選ばんとかんくて、それなら過去に生きるより、今に生きてった方が良いんかなぁとか・・・自分を納得させてくしかないんよな、この人生とゆうやらは。


あぁ、残酷だ。


風、薫る。
愛をささやかないで。

愛は儚く、消えゆくものだから。


愛をささやかないで。

恋は強く、燃えゆくものだから。


それなら、愛より恋を。


ずっと永遠に続く恋をしたいの。


きっとあなたも分かっているはず。


それが出来ないなら、愛に溺れて死ぬわ。


風、薫る。
あなたに溺れて、そのまま息を止めてしまおう。

あなたに溶けて、このまま消えてしまおう。


水の様に。泡の様に。


溶けて、溶けて、このまま眠ってしまいたい。


水面に落ちた水滴。

一滴、一滴と連なるよ。


奏でる感覚は、身体のあちこちに響いていく。

奏でる感覚は、あたしにも、あなたにも、響いていく。


もうそのまま。

もうこのまま。

いっそ、ずっとこのままで。

忘れることなど出来ないし、忘れようとも思わない。

もう近付けないと分かっている貴方に、何故か近付きたく思ってしまうあたしがいる。


「それでもいいよ」と言ってる声がする。


だけれど、進めなかった、進まなかった。

だって、貴方が一番だからだよ。誰かのもとへ行ってしまった貴方が一番で、貴方もあたしが一番なら、進めるわけもない。あの日から止まったままの思い出さえ、思い出なんかじゃないって、夢なんかじゃないって、そう思ってしまう。


嘘じゃないから。全部。

全部。嘘じゃないから。


あたし、頑張るよ。

浸ってるだけの自分からの脱却。


だから、どこかで応援していて欲しい。

嫌われたくない。

・・・嫌われたくない、誰からも。そんなの無理。分かってる。


どうして数があって、数える能力が人間にはあって、順番が生まれるんだろう。生まれてしまうんだろう。

1番だとか、2番だとか・・・誰もが一番になりたいに違いないのに。あたし分かっとんのに。あんなに愛されたくて仕方なかった母親に、「お兄ちゃんが一番。」だと言われて悲しかったから、だから分かっとんのに。


動けない。

でも、動かないと、この一歩を頑張らんとかん。


きっと動きたくない。きっと傷つきたくない。傷つけたくもない。

なのに、嫌われたくない。


もぉめっちゃくちゃだよ。

くっちゃくちゃだ・・・。


何でこんなんなんだ?


・・・もう全てを忘れさせてください。

じゃなきゃ、進めれん。


どうするの、どうしたいの自分。

このままじゃワガママで、そんなワガママな自分の事も許されないし、自分で自分を許すことさえ出来るはずない。嫌いになる、自分がどんどん嫌いになる。そいで、また人が、人間が嫌いになる。ややこしくなる。面倒くさくなる。投げれるなら投げたいけど、投げれないし、投げれた試しはまだない。


ダメだよ・・・。

このままじゃダメなんだよ・・・。


刺さる。心に久々に刺さる。いや、初めて刺さる。似てるだけだ、幼い頃の記憶と似てるだけだ。


風、薫る。
また一つ季節が過ぎる。

変わらないまま。

あたしは幸福にもなれてないし、不幸になったわけでもない。

ただ一つ季節が過ぎる。

過ぎてしまう。

少しだけ寂しいところに、今居るんだね。

風、薫る。

画面に世界が映されて。

それはみんなにとって別世界なの。


どんな美しさも、どんな醜さも、別世界のことなの。

だから、良いなぁって羨ましがったり、もっとって煽ったり、勝手が言えるの。


だから苛立つの。