月の扉
85点。座間味くんシリーズらしいです。沖縄・那覇空港で、乗客240名を乗せた旅客機がハイジャックされた。犯行グループ3人の要求は、那覇警察署に留置されている彼らの「師匠」を空港まで「連れてくること」。ところが、機内のトイレで乗客の一人が死体となって発見され、事態は一変――。極限の閉鎖状況で、スリリングな犯人探しが始まる。(Amaz〇nより)碓氷優佳シリーズだと勘違いしてて、ずっと彼女の登場を待ってた(汗)さて。何点か言及します。1点目は作者独特の環境構築です。石持浅海は、どの作品でも特殊な環境を設定しています。ちなみに今回は、ハイジャック機内で起きた殺人事件。実に特異な舞台設定ですね。2点目は「師匠」の存在です。キリストのような奇跡の存在とも、危険な新興宗教の教祖とも思える「師匠」ですが、作中で彼の評価・検証が行われ ることはありません。彼の「奇跡」が本物であろうとなかろうと、事件究明に影響を与えないからです。ただ、彼の「奇跡」を信仰している人たちがいる、という点だけは前提条件として承諾します。これだけは事件と関係し得るからです。作中で座間味くんが明確に言及しています。3点目は「理系脳」。作者が理学部出身であることが影響しているのか、実に論理的な試行錯誤を繰り返しながら、座間味くんは真相に近づいていきます。(こういうロジカルシンキングに基づくやりとりは個人的に好き。)――と、総じて本作は個人的に好き。