しばりやトーマスの斜陽産業・続 -53ページ目

2023年3月予定

 

3月11日(土)

『アイドル十戒 新たなる支配者其の七』

場所:アワーズルーム 開演:19:00 

料金:¥1500(drink代別)

出演:竹内義和 しばりやトーマス

 

アイドルとオタクの起こした珍事件簿

 

3月15日(水)

『旧シネマパラダイス』

会場:アワーズルーム 

開演:20:00 

料金:¥1000(1drink込)

解説:しばりやトーマス

 

カルトを研究する若人の会。3月はラクエル・ウェルチ追悼企画、『恐竜100万年』(1966)。

原始ビキニ美女がハリーハウゼンのコマ撮り恐竜に襲われるぞ!

 

3月16日(木)

『スーパーヒーロートーク』

場所:なんば紅鶴 

開場:19:30

料金:¥1000(1drink別)

出演:にしね・ザ・タイガー ソエジマ隊員 しばりやトーマス

 

新番組開始で盛り上がる特撮ヒーロートーク

 

3月19日(日)

大阪おもしろマップ 名古屋

場所:ライブシアター金色鮫

 

3月20日(月)

『ヒーローと呼ばないで!〜大阪でストレスを発散したいだけなんです〜』

場所:なんば紅鶴

open 19:00start 19:30
¥2500(1drink別)

出演:原田篤 にしね・ザ・タイガー

 

ヒーロー大好き芸人、にしね・ザ・タイガーと、元戦隊(救急戦隊ゴーゴーファイブ)、元仮面ライダー(仮面ライダーデルタ)の原田篤のトークライブ。

東京から愛知県にUターン移住して、飲食店やこども食堂などをしている原田が、ただ大阪に来たいというだけでにしねを誘った企画!

※どこかで出ます

 

3月25日(土)

『僕の宗教へようこそ第一六〇教義~シン・仮面ライダーを語る会

場所:なんば白鯨

開演:19:00

料金:¥1500(1drink付)

出演:しばりやトーマス アシスタント・トモ

 

来月から始まる僕の宗教へようこそ新シリーズ
装いも新たに、興味抜群 スリル、アクション
次週、『シン・仮面ライダーを語る会』に、ご期待下さい

 

3月30日(木)

『キネマサロン肥後橋』

会場:アワーズルーム

開演:19:30 ¥1000(1drink込) 

解説:しばりやトーマス

 

深夜の映画番組のような映画研究会。3月は松本零士追悼企画、『銀河鉄道999 劇場版』

今、万感の思いを込めて汽笛が鳴る。

ファンの粋を超えた迷惑行為、再発

 はてなブログではなく、こちらの方に書きます。

 

 去年、声優の宮崎羽衣さんに過激な(自主規制表現)ファンレターならぬ不安レターを送りつけて所属事務所の81プロデュースから「法的措置を取ることもある」と反応され、「ファンの粋を超えた迷惑行為」と非難されたファンの男性。彼はSNSやブログ、フェイスブックなどで宮崎羽衣さんに対する危険な感情を露わにしていたので、ネット上で炎上したため、アカウントを削除、発言を撤回するなどしていたのですが…今年に入ってまたも危険な感情を再発し始めたのです。

 

ttps://ameblo.jp/matsumoto-kouji/entry-12790181046.html#cbox

 
 
 

 

 

※不快感を催す内容のため、直リンクを貼っていません。覚悟の上でご覧ください

 

 宮崎羽衣さんと思われる名前を出して、薄気味悪い動画を突然アップしたのです。これを受け、アメブロのコメント欄は久しぶりに活性化。ちなみに彼は少し前から「彼女ができた」と自慢を始めていました。去年の12月30日のことです。

 

まだ、メールですが、僕に恋人(彼女)が、出来ました!😀 勿論、現役女性声優&歌手の「宮崎 羽衣」ちゃん(以下、羽衣ちゃん)じゃないです…😭 その子と、メールをやり始めてから、約半年(6ヶ月)位は、経ちます!😀 で、告白は、僕から「○○ちゃん、メール友からで、良いから、僕と、お付き合いして下さい!😀」と、言ったら、色々な約束たら「良いよ!😀」て、言ってくれました!😀 で、相手の名前は、相手の都合上書きませんが、職種は、羽衣ちゃんと、同じ、声優です!😀 相手の誕生日も、羽衣ちゃんと、同じ、8月23日生まれです!

 

 その時はほとんどコメントがつかず、盛り上がらずじまい。僕も99%デマだろうと思い込んでました。そして上記の気持ち悪い動画をアップした途端、炎上して「どうせ騙されてるんだろう」などとコメントをつけられたのが不快だったのか、以下のエントリをアップ。

 

 

僕は、ある声優&歌手に危険物を送った事を今年(2023年)の年賀状で、特に、謝罪しました💢😡 だから、テメェーーラにインターネット上で、謝罪しません💢😡

 

 さらに恋人(と彼が自称する)の名前を晒したのです。

 

 

 苦笑しちゃうのは「毎日、1通は、メールのやりとりをしています!」という部分。一日1通のメール、それって恋人っていうのかな…?僕の考えは以下だ。

 

1.アンチによるなりすまし。バカにされていることに気づいていない。

2.いかがわしいサイトからの迷惑メール。サクラ。

3.そんな相手はいない。妄想。

 

 のどれかじゃない?彼を見ていると、かつて未成年のAKBメンバーにプロポーズして握手会を出禁になり、日立製作所を訴えて敗訴、その後ドイツに亡命(!)して一年後に強制送還され、最終的にストーカー容疑で逮捕されたおーにっちゃんを思い出す。

 おーにっちゃんもわけのわからないファンレターを書いたり、気持ち悪い動画をアップしたりしていて、自分の正しさをまったく疑っていなかった。アンチから激しい批判を浴び、こんなやつは女にもてないと言われ続けたことに反発して、学生時代ホモの先輩に誘われそうになった、と謎のモテ自慢を始めたのだった。

 

 恋愛コンプレックスのある人間は「本当はモテるんだぞ!」とウソをつきがち。今回の彼も同じでしょ。きっとおーにっちゃんと同じ末路が待っていると思われます。唯一違うところはおーにっちゃんは両親を憎んでいたけど、彼はお母さん大好きっていうところですかね。

 こんなストーカー野郎に執着されてる宮崎羽衣さん本当に可哀そう。

 

モーツァルトなんか知らねえ!『イニシェリン島の精霊』

 今年のアカデミー賞有力候補のひとつである『イニシェリン島の精霊』はマーティン・マクドナー監督の最新作。七人のイカれた男たちが出てくる『セブン・サイコパス』やレイプされて焼き殺された娘の事件の犯人を捕まえられない警察にいら立って非難する看板を設置する母親の暴走とそのせいで町の人間たちに変化が起こるブラックコメディ『スリー・ビルボード』など、変な作風で知られるマクドナーの新作はもっと変だった。

 

 1923年、アイルランドの孤島イニシェリン島は島内の住人がみな顔見知りという寂れた田舎町。島で妹のシボーン(ケリー・コンドン)と暮らす独り者の中年パードリック(コリン・ファレル)は長年の友人だった老人コルム(ブレンダン・グリーソン)から絶縁を言い渡される。友人がそんなことを言い出す理由がわからないパードリックは納得できず、関係の修復に努めようとする。

 島には電気も通っておらず、道は一本しかない。だから島で暮らす以上どうしたって顔を合わせる、会うたびに話しかけようとするパードリックに鬱陶しそうに対応するコルム。なじみのパブでコルムは絶縁の理由を「俺はもう長くない。残りの人生をお前との退屈なおしゃべりに費やしたくない。お前はロバのクソの話を2時間するぐらい退屈だ!」と告げる。だが退屈なのは彼のせいではない。島そのものが何もない、退屈な島だから。

 

 島の商店のおばさんは郵便屋を兼ねているが、届いた手紙を勝手に開封するぐらい失礼な人間で、店の客に話題はないのかといちいち聞く。すぐに他人を殴る警官(警官なのに)が他所で起きた自殺事件や殺人事件を話すとおばさんは嬉しそうにする。嬉しそうに聞く話じゃねえよ!

 

 コルムは趣味でバイオリンを弾く。島にやってきた本土の音楽大の学生とセッションをするコルムは作曲をして、死ぬまでに何か残したいと思っている。パブでパードリックと言い争いになったコルムは「お前は優しいのが取り得だというが、そんなものになんの価値がある?お前が死んだら『あいつは優しいやつだった」って誰が覚えている?モーツァルトの音楽は何年経っても残ってるしみんなが彼の名前を知っている」というとパードリックは

 

「俺はモーツァルトなんか知らねえ!」

 

 と堂々宣言。それぐらい無学な田舎の中年ってことなんだけど、続く言葉は聞く人の胸を打つ。

 

「妹は優しくて可愛い女だ。俺は妹が優しいことを忘れたりなんかしねえ。それの何がいけないんだ?」

 

 コルムは言いよどんで、「今までで一番面白かったな」などと捨て台詞を吐く。コルムのような老人が老いを恐れて「こんなことしてる場合じゃないんだ!」と危機感を覚えるのはわかる。自分に退屈な時間しか残されていないことを嘆くのもわかる。しかし彼のやってる作曲もほぼ無意味で、コルムがパードリックを貶したりするのは自分のみじめさが認められなくて友人相手にマウントを取っているだけだ。なにしろコルムは偉そうにモーツァルトについて吹聴するが、実はモーツァルトのことを何も知らなかった!パードリックと同じじゃないか!単に有名人の名前を出してイキリたかっただけ。モーツァルトがなんだ!僕もモーツァルトなんかよく知らない。なにわのモーツァルトなら知ってる

 

 この町で一番の知恵者は本を読むのが趣味の妹シボーンで、周囲の人間が退屈なのは島の生活が退屈だということを唯一知っている。シボーンは警官に「行き遅れ」と罵られたことで島を出ていく決意をする。本土に渡ったシボーンは世界は広くて美しいことを知る。コルムはああだこうだといいながら島を出てくる勇気がない。パードリックともめた果てに彼は「これ以上話しかけてきたら、自分の指を切る」といい、その通りにする。バイオリンを弾く指をだ!そんな根性があるなら島を出ろよ!島に残ったパードリックはコルムと対立を深め、救いようのないところまでいく。同じ時期のアイルランド人同士が内戦で激しく争ったように。

 同国人たちの醜い争いと比べ、島のロバや犬たちはみな可愛らしい。人間はアホで愚かで、良き存在は動物だけ!本作は英国アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、本家アカデミー賞などで絶賛されているが、犬とロバはノミネートしてなかった。やっぱり人間はダメだ!

 

 

 

 

 

 

まんがタイムきららMAX4月号雑感

 まんがタイムきららMAX2023年4月号が発売。今月号で長期連載の『こみっくがーるず』が完結。つみきつき先生の『性別不明な殺し屋さんがカワイすぎる。』連載昇格です。

 

 8年間にわたる長期連載の締めくくりとなった『こみっくがーるず』は今やきらら系(特にMAX)の定番となった「陰キャ、ぼっち主人公」の走りとなったともいえる主人公像で、かおす先生がいなければ、ぼっちも玉村小町もいなかった!(はず)最終回になっても激弱メンタルのままのかおす先生が愛おしい…そんな簡単にねえ、自己肯定感は上がらないんですよ!

 

 単行本一巻発売で勢いに乗る『マグロちゃんは食べられたい!』は海外出張中の母親からみさきの元に宅急便が。まぐろとの同棲生活のために夫婦箸やらペアグッズがいっぱいで何か勘違いをしているぞ!ペアグッズを仲良しの証として持つと説明されたまぐろは「将来私はみさきさんに食べられるのだから、持っていてもしょうがない」と送り返そうとするのだった。

 この漫画は人間の姿になったまぐろが人間に美味しく食べられようとする話で、食べたいのは魚のマグロであって、人の姿に変わったまぐろじゃない(ややこしい)、と説得しようとする、二人のすれ違いが笑いどころ。次回、食うか食われるか?

 

 作者の宇崎うそ先生が産休に入るのでしばらく休載となる『ななどなどなど』は自虐陰キャ少女の吉岡るるさんとクレイジーサイコレズ高山萌の出会いを綴るエピソードゼロ。高校入学前の春休みにド陰キャ・人見知りの性格を変えようとと奮闘するも美容院で本人の意図しない派手目の髪型にされてしまい、買い物の列では横入りされても文句もいえないるるちゃん。その時、彼女の後ろに並んでいた高山が「この子が先に並んでましたよ」と注意。これが二人の初めての出会いだった…

 もちろんるるちゃんは「ありがとう」もいえないド陰キャなので、ずっとうつむいていたのだが、高山が声をかけてくれたのでなけなしの勇気を振り絞って半泣きでありがとうを告げる。これが一目ぼれのきっかけとなった高山は以後るるさんのヤバ目ストーカーと化すのだった。いい話だなー。思わずほろりとしちゃったよ。頑張れるるさん!同じド陰キャの小町(主人公)も見習って!

 そして2年に進級する小町、ななど、るる、高山らであったがなんとクラス替えでまさかの離れ離れになる!しかもななどは…こんなところでしばらく休載なんかい!という引きで数か月後が気になってしょうがない!

 

 久しぶりにきららに帰ってきた有馬先生の『ニブンノハチジュウハチ』ゲスト3回目は天才ピアニストと謡われながらすべてを投げ出して2か月ピアノを弾いてない奏が過去を知るルームメイトの美弦に強引に(ホント強引に)彼女が実家から持ってきたピアノを連弾で弾かせられると、隣室から壁ドンのクレームが!隣の住人は奏の過去を知る人物で下手クソな言い訳も通用せず、このまま奏は止めてしまったピアノを再開させられてしまうのでしょうか。

「ピアノを私物として自宅から持ってきた」と説明されて?の嵐な隣室のギャル松永来夢さん。※ピアノは重機で吊り上げて運び入れました。

 

 テンポの良いギャグの連打とデフォルメされたキャラのかわいらしさは相変わらずで、あっさりと次号からの連載が決定。タイトルは『エイティエイトを2で割って』に改題されます…って有馬先生、前作もゲスト掲載時の『ハンドスタンド!』から『はんどすたんど!』に改題したんでしたっけ。先が気になる連載になりそうです。

 

 毎度お馴染みセンターカラーの『ご注文はうさぎですか?』野良メイドのフユとユラさんの腹話術ごっこだ!最高だ!

 

 異世界と終末ゾンビパニックの合体漫画『白魔導士はゾンビの夢を見るか?』は大学を出て、次の目的地(製薬会社の支社)を目指して電動アシスト自転車でGO。

 大学で謎のしっぽを生やした化け物と相対していた時のことを回想するのだが、‟不死者”を反転させる魔法レサナが利かずに左腕だけが消えたのは何か理由があるのかということだが、こいつの正体って、まさかアヤちゃんの…そうだったらこの漫画どんどん救いのない方向に突き進んでいきそうで、きららで「カワイイ絵柄のゾンビ漫画」といえば『がっこうぐらし!』というパイオニアがあるわけで、そいつを上回る鬱漫画になってしまうのか?

 

 先月号から続き2度目のゲスト掲載となった『てくてくっ!秘密リサーチ』「きららのブラタモリ、ないしタモリ倶楽部」的な知的好奇心を刺激する漫画だ。今回のテーマは‟超芸術トマソン”…ってなに?

 建物などにある「かつてはなんらかの意味があったが、今ではなんのために作られたのかわからなくなってしまったもの」「芸術のように存在しながら、まったく役に立たないので芸術を超えた超芸術」としての様がかつて読売ジャイアンツに在籍した元メジャーリーガー、ゲーリー・トマソン(2年目のシーズンに不振にも関わらず、4番に据えられ、三振の山を築いている姿を‟美しく保存された無用の長物”として例えられた)をもじった表現だ。

 意味をなしてないホームドア(かつてプラットホームがあったが、鉄版を敷き詰められたため、不要になり、ホームドアだけが残された)、万世橋の謎の地下室、階段などを発見するひぐれとすかいであった。

 不思議な魅力を持った漫画なので連載昇格に期待したが、6月号から連載決定!おめでとうございます。

 

 前回、野生の少女と出会った『リリカお嬢様に振り回される!』はその子が出てこなくて、これまでさんざん役に立たなかった飼い犬のシャルロッテが介助犬として大活躍、という話。そのため無能扱いされたお手伝いの永野が対抗心を燃やして(相手、犬だよ)、フリスビーを咥えようとするも躓いてずっこける…って永野何してんの…

 でも最後には永野が犬にはできない活躍をしていたのでよかったね。安心だね(何が)

 

 来月は3月16日発売。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この吹き替え版がすごい!『トムとジェリーの大冒険』

 2月10日はアニメ『トムとジェリー』の誕生日だ。1940年2月10日、MGMのアニメーター、ウィリアム・ハンナとジョゼフ・バーベラが思いついた「猫と鼠のキャラクターを使ったオリジナルアニメ」の企画『上には上がある』を初劇場公開した日だから。

 この時はまだトムとジェリーという名前ではなく、ジャスパーとジンクスという名前だった。公開した作品は大ヒットを記録、ハンナとバーベラは独立したプロジェクトを立ち上げ『トムとジェリー』と改題し、日本でも64年からテレビ放送がスタートした。僕が小中学生のころにはテレビの再放送枠の定番で「仲良くけんかしな」という日本語版主題歌(作詞作曲は日本のCMソングのパイオニア、三木鶏郎)が耳に残っている。

 最近はテレビでも見かけることのないタイトルなので、てっきり昔のアニメだと思ってたら90年代にも新作がつくられていて、日本でもカートゥーンネットワークで放送されているからZ世代(この言葉も死語だな…)も見ている。そんな息の長い人気を誇るシリーズの1992年に公開された映画『トムとジェリーの大冒険』を見た。92年に劇場公開されてたのも初めて知った…

 この作品は『トムとジェリー』の作品中、最も広く公開された作品だそうだが、興行的には苦しみ、評価もイマイチというやつだ。90年代初頭の劇場アニメといえばディズニーの『美女と野獣』(91)『アラジン』(92)だからね。40年代のクラシック・アニメの劇場版はさすがに見向きもされなかったか。でも、それ以外に理由があると思う。この映画、トムとジェリーがセリフをしゃべるのだ。

 

 トムの飼い主が引っ越すので、ついていくのだがジェリーも一緒について来ようとするので、邪魔者を追っ払おうとしているうちに車が出てしまい、トムとジェリーは家に取り残される。翌日、家は取り壊しにあってしまい二匹は居場所を失う。街をさまよっているうちに裏通りで人の言葉を話す野良犬のパグジーと彼の友人ノミのフランキーに出会って自己紹介…って、お前ら言葉しゃべれるのかよ!

 初期の作品には人の言葉を話すこともあるけど、基本は言葉を話さず、リアクションだけなのでものすごい違和感がある。パグジーが残飯を漁ってごちそうしてくれるのだが、直後、覆面の男たちにパグジーらは連れ去られる。トムは路地を根城にしている野良猫たちに「なわばりを荒らすんじゃねえ」と襲われたところをジェリーに救われる。ここで『ウエストサイド物語』風のミュージカルになるのが笑える。

 二匹は橋の下で家出娘のロビンに出会う。彼女は冒険家の父親、スターリングがチベットで行方不明になってしまい、以後は業突張りな叔母のフィッグと悪徳弁護士の叔父リックブートに養われているが、二人の目的はロビンが受け継ぐ遺産だけなので、父親を捜すという名目で逃げ出してきたのだ。

 捜索願を出されていたことでロビンは連れ戻され、トムとジェリーと共に暮らすがフィッグ叔母さんの陰謀でドクター・アップルチークが経営する動物収容所に送られる。アップルチークは慈善家を装った闇の動物ブローカーで、街でパグジーをさらったのも彼の部下たちであった。

 ジェリーの活躍で捕らえられていた動物たちは解放され、騒ぎに乗じてトムとジェリーは脱出。ロビンに行方不明の父親が生きていることを知らせ、ぼろい筏に乗ってチベットを目指す(無理があるよ!ニューヨークから中国は遠すぎるよ!)

 

 カートゥーン・コメディとミュージカルのミックスはよくできており、ディズニーには劣るかもしれないが…喧嘩ばかりしていたトムとジェリーが少女ロビンのために手を組んで八面六臂の大活躍をする、というのはトムとジェリーのコンセプトからは少しずれていて、童話のように強欲な叔母によって苦しめられる少女が苦難の末にハッピーエンドを迎えるというのも、それこそディズニーにやらせとけよ!こんな話は…

 という意味では往年のトムとジェリーらしさが失われているので不満が残る向きもあるが、素晴らしいところはある。日本語吹き替え版だ。

 当時は予算が潤沢だったのか、日本語吹き替え用のオリジナルスコアが用意されていて声優陣が日本語の楽曲を熱唱する。ちなみに声優陣はトム・堀内賢雄ジェリー・堀絢子をはじめとして富田耕生、滝口順平、北村弘一、安西正弘、龍田直樹…というベテラン勢ぞろい。しかもみんな歌が上手い!

 フィッグ叔母さんはなんと小林幸子で、さすが芸能界デビューのころは役者業をやってただけのことはある。徹底した悪女っぷりは堂に入っていて、歌唱場面では言わずもがなの実力を発揮。不遇のヒロインであるロビン役は篠原涼子で、彼女も歌になると見事というしかない。

 

 総じて、日本語吹き替え版の方に価値がある作品と言えますね。日本語版のサントラが出てないの惜しい。この時は金あったんだなあ。2021年版の映画トムとジェリーなんか、本国版の歌しかないからね。