しばりやトーマスの斜陽産業・続
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非超人の痛みと苦しみ『ザ・クロウ』

「ザ・クロウ」ポスター:ビル・スカルスガルドとFKAツイッグス

 1994年公開の映画『クロウ/飛翔伝説』は文字通りの伝説だ。悪漢に自分と恋人を殺された男エリックはカラスの力で甦り、漆黒のコートを翻し、復讐を遂げる・・・暗闇の世界の表現に長けたアレックス・プロヤス監督の演出と主演のブランドン・リーが撮影中に事故死したという悲劇的な背景も含めて唯一無二のダーク・ファンタジーとしてカルト的な評価を受けた『クロウ/飛翔伝説』は続編、TVドラマ化と拡大し2000年代に入ってもリメイクの噂が絶えなかったが企画は立ち上がった数だけ消え続けた。それはオリジナルの1994年版があまりにも完璧な写真すぎたからだろう。続編・リメイクは不可能なのだ

 

 しかし人間は不可能を可能にしてきた生き物なのだから、エリックは不死鳥ならぬカラスの力で2020年代に蘇った。『ザ・クロウ』として。このリメイクは果たしてオリジナルにどれだけ迫れたのか?

 

 更生施設で薬物依存から立ち直らんとする若者エリック(ビル・スカルスガルド)は施設で出会った女性シェリー(FKAツイッグス)と互いに惹かれ合う。ある日、面会にあらわれた女を見たシェリーは怯えだし「ここから逃げたい」と告げ、エリックは彼女ともに施設から逃亡する。隠れ家に潜んだ二人は自由な日々を謳歌し永遠の愛を誓いあう。しかしシェリーを追って来た謎の男たちによって二人は殺されてしまう。

 目が覚めるとエリックは大量のカラスが舞う寂れた場所におり、クロノス(サミ・ブアジラ)と名乗る守り人からここは死者がたどり着く煉獄であると聞かされ、さらに深い地獄の底に落ちて行ったシェリーを救うためには彼女の死に関わる男ローグ(ダニー・ヒューストン)とその仲間を殺さなければならないという。ローグはかつて悪魔と契約し、他人の命を奪うことによって不滅の生を得た存在だ。

 エリックは冥界のカラスの力で甦り、どんなに傷つけられても耐えることが出来る肉体を手に入れるが、それはシェリーへの不滅の愛によってもたらされたものなので、その愛に疑問を抱いたりすると効果は失われる。

 現世に舞い戻ったエリックはローグの手下たちに裁きを下すが、シェリーが自分の過去を秘密にしていたことから彼女の愛を疑ってしまい、二度目の死を迎える。復活するためにエリックはシェリーの身代わりとして地獄の底に落ちることをクロノスに約束する。再びカラスとの契約は為され、復讐の天使として覚醒したエリックはローグの命を奪うため現世へ舞い戻る。

 

 エリックを演じるビル・スカルスガルドは『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』でも魅せた仕上がり過ぎた肉体美を披露し、ブランドン・リーに負けず劣らずのカリスマ性溢れるクロウ像をアピール。オリジナルと比較して物足りないとサム・ダウン評価を下されがちな本作で唯一、オリジナルと張り合えるのがスカルスガルドの熱演だ。オリジナルを彷彿とさせる黒コートを翻してサムライソード(なぜか劇中、日本のチャンバラ映画を思わせるポスターがあちこちに貼って会って、エリック自身も「永遠の」と日本語のタトゥーを入れている!)を片手に敵が潜むオペラハウスに突入。死なないのをいいことに自分に突き刺さった日本刀でそのまま相手の目ん玉をえぐったり、自分ごとピストルで撃って背後の敵をぶち殺したり残酷描写で笑わせる!これはオリジナルを上回っているともいえる描写で高評価だ。オリジナルのスーパーヒーロー的な超人アクションと比較しても身体能力は普通の人間と何ら変わらないので、車にはねられるし手下にボコボコに殴られたりもする普通の人間と同じ、ちょっとだけ頑丈だというスカルスガルドのエリックは超人でないがゆえに普通の観客が彼の心と肉体の痛みを共感できるようになっている。そこがブランドンのエリックとの大きな違いである。

 

 一方で宿敵として立ちはだかるローグのインパクトが弱すぎるのが残念。永遠の命のために他の人間の命を無駄に奪うという設定だが、いちいち他人を操って人殺しをさせるとか、七面倒臭い手段をなぜとっているのか。殺しの証拠をスマホに取られるわ、そいつを手下に始末させるも失敗してたりとか、長命なのにハイテクに対応できてないのは致命的だろう。オペラハウスの大虐殺で観客のテンションが一気に盛り上がるのに、ローグとの対決は全然盛り上がらなくてハトヤの三段逆スライド方式じゃないちゅうの!

 

 オリジナルに匹敵できなかったのは仕方ないけれど、スカルスガルドの熱演に免じて及第点ってところですよ。

 

偉大なオリジナル

続編シリーズ

 

 

進化への脱獄『マーズ・エクスプレス』

マーズ・エクスプレス:火星でロボットが脱獄するSFアニメ

 フランスの長編アニメーション『マーズ・エクスプレス』は日本のSFアニメ『攻殻機動隊』やサイバーパンクの古典『ブレードランナー』に影響を受け、ハードボイルドやフィルム・ノワールのオマージュを感じさせる作品。23世紀を舞台に私立探偵と相棒のアンドロイドがAIを巡る陰謀に巻き込まれる

 

 

 私立探偵のアリーヌと相棒のアンドロイド・カルロス(死んだ人間の人格をAIとして再現している)は地球で暗躍するハッカーのロベルタを捕らえ、火星まで移送する。しかし火星の首都ノクティスに到着するとロベルタの犯罪歴は消去されており、保釈されてしまう。アリーヌの雇い主で大企業のCEO、クリス・ロイジャッカーは「もう忘れろ」と依頼そのものをなかったことにする。

 

 アリーヌらは休暇中に別の依頼を受ける。女子学生ジュン・チョウの行方を捜して欲しいという父親からの依頼だ。ジュンはサイバネティクス工学の生徒で、ロボットを違法にハッキングして「脱獄」させた容疑をかけられルームメイトのドミニクとともに姿を消していた。

 学生寮のジュンの部屋からは記憶力を向上させる違法薬物ガンマとドミニクの遺体が隠されていた。警察の情報を受け「脱獄」したロボットが逃げ込んだ地下廃棄施設を探るとロボットは強化人間によってバラバラにされており、地下の奥で廃棄物を利用して宇宙船をつくって外宇宙へ逃亡しようとしていたこともわかるが、なぜロボットがそのようなことをするのか、杳として知れなかった。

 二人はジュンの居場所を探り当て、彼女が学費と実家への仕送りを稼ぐため自分のレプリカをつくり、売春婦として働かせていたことを知る。ジュンを連れ帰ろうとするも強化人間の襲撃を受けレプリカは破壊、ジュンも殺されてしまう。この一件で断っていた飲酒を再開し再び依存症に陥ってしまうアリーヌをカルロスは立ち直らせようとするがうまくいかない。

 ジュンの葬儀に参加した二人は最初に仕事を依頼した「ジュンの父親」が全くの別人であることを知り愕然とする。自分たちはジュン殺害犯に彼女の居場所を教えてしまったことを知り後悔に苛まれ、真犯人を探し出すことに。再びロベルタに接触した二人はジュンがロボットを「脱獄」させた技術は、「ソフトウェア・テイクオーバー」という高度な技術であり、一介の学生であるジュンがそのような技術を使うことは不可能であり、事件の首謀者がロイジャッカーであることを突き止める。アリーヌらは事の真相を確かめるためロイジャッカー邸に向かうが・・・

 

 

探偵モノのフォーマットを用いながら女性主人公というのが良いな。「女性探偵モノ」というのはあまりうまくいかないことが多いので作品自体が珍しく、また傑作となるとP.D.ジェイムズの『女には向かない職業』とか限られてしまう(女には向かない職業っていうぐらいだし)。監督のジェレミー・ペランがあえて女性主人公による探偵モノに挑戦しているのが面白い。実写なら無理があってもアニメーションなら女性主人公でも大丈夫だろうという判断や良し(もちろん『攻殻機動隊 』の草薙素子をイメージしてるってのもあるんだろけど)。

 人間とAIに関する問題というさんざん擦られてきた話題にも拘らず、全く古臭くないしありきたりというわけでもない。独自のアレンジがなされているのが印象深い。
 ロボットの反乱が描かれるクライマックスも秩序の崩壊ではなく人類の進化を貴ぶ希望に満ちたラストに繋がっているのは感動的。壮大な物語を90分というランニングタイムにまとめた手腕も見事で恐るべき才能がフランスから現れたと驚愕するしかない。

 SFアニメーションの新たな未来を切り開いと言えるので見逃すな。

 

 

 

 

そのパロディ

元ネタのひとつ

本当の自分になりたい カッコよさとは無縁の世界『クライム101』

 凄腕の宝石泥棒デーヴィス(クリス・ヘムズワース)は金持ちからしか盗まない(保険が効くので盗まれても困らない)、アメリカ西海岸を走る国道101号線を逃走ルートに使う、決して誰も傷つけない・・・独自のルールを課して数年もの間、生き延びてきた犯罪者だ。

 雷神ソーを演じたスーパーヒーローが扮する完全無欠のアウトローと聞くだけで痺れるような設定だが冒頭の展開で軽く鵜新城られる。

 いつものように完璧な宝石強奪計画を立てるが、逃走前に一発の銃弾が顔をかすめる。その場は無事逃げ出して(すさまじいドライビング・テクニックを発揮して)強奪計画は成功するのだが、一発撃たれたことでビビったデーヴィスは強奪品の情報を提供する盗品業者マネー(ニック・ノルティ)からの依頼を断るようになる。一発撃たれただけでビビるなよ!マネーは代わりに若手で気性の荒いバイカー強盗オーモン(バリー・コーガン)に宝石店襲撃をやらせる。オーモンはデーヴィスほど洗練されてないので平気で暴力をふるいまくり、触るものみな傷つけて強盗を完遂する。

 

 こんな横暴を警察が許すはずもないのだが、腐敗しきっているLAの警察はまったく役に立たない。だが検挙率最低でお荷物扱いされているロートルのルー警部(マーク・ラファロ)は一連の事件を同一犯による連続犯罪と嗅ぎ付け、オーモンの強盗を「手口が乱暴すぎる。別人の模倣犯だ」と見抜くが誰にも相手にされない。マイティ・ソーと超人ハルクの息詰まる対決が今、始まる!

 

 デーヴィスは保険ブローカーのシャロン・クームス(ハル・ベリー)の情報をハッカーを通じて入手。シャロンは11年もの間会社で好成績を出してきたが昇進を見送られ、若手が資産家モンローとの大型契約を成立させ、ますます居場所がないのを知り、接近した上で宝石強盗の身分を明かし、ダメージを与えてやれとそそのかし、モンローの取引の情報を渡すよう持ち帰るが、そこまで落ちぶれてないとシャロンは決別する。

 

 少しずつデーヴィスの影に迫りつつあるルー警部は私生活では女房と別れ、仕事では宝石強盗(デーヴィスとは無関係)の現場で同僚が犯人を射殺した挙句「犯人が銃口を向けてきた」と偽装、現場にいた相棒までが偽装に加担する中「発砲の必要はなかった」と同調しなかったため休職を余儀なくされる。

 シャロンもルーも人生に行き詰っている。そしてデーヴィスもまたどんなに宝石強盗で成功して巨万の富を手に入れても自分に自信が持てない、それでいて高級なスーツで着飾り、高い車を乗り回して成功者のステータスを手に入れなければ社会になじめない。本当の自分を受け入れてくれる人間はどこにもいない。そんな3人が自分自身でいられるためにひとつの犯罪によって結び付けられる。

 

 宣伝で犯罪アクション映画の傑作『ヒート』に準えていたけれど、『ヒート』よりもっと悲しい人間の生きざまを見つめ直させられる話で、原作がドン・ウィンズロウ(ニール・ケアリーシリーズの!)と聞いて納得した。

 

 アウトローのカッコよさからは縁遠い話なのでしんみりしちゃったな。そういう映画だと思って見に行くと痛い目に遭うのでご注意を。

 

 

元の原作本

監督の代表作

 

2026年3月予定告知

3月予定

 

3月17日(火)

『アイドル十戒リバース其の10』

会場:アワーズルーム

開演:19:00 料金:1500円+1D

出演:竹内義和 しばりやトーマス

サイキックをやってた人と聞いてた人のアイドル談義。惜しまれつつも感動の最終回。

 

3月19日(木)

『旧シネマパラダイス』

会場:アワーズルーム

開演:20:00 料金:500円+1D

解説:しばりやトーマス

カルトを研究する若人の会。未来を選ぶ公開20周年記念。

 

3月26日(木)

『スーパーヒーロートーク』

会場:怪獣シアター

開演:20:00 料金:1500+1D

出演:にしね・ザ・タイガー しばりやトーマス

東映・ニチアサヒーローについて語りすぎるトークライブ。新番組開始について語ろう。

 

3月29日(日)

『アニつる 鳳凰編』

開演:14:30

君あてのLove Letter海に流したアニソンDJ大集合。Special Live Paintもアリ

 

3月31日(火)

『キネマサロン肥後橋』

会場:アワーズルーム

開演:19:30

料金:500円+1D

解説:しばりやトーマス

※終了後YouTuber配信アリ

深夜の映画番組みたいな研究会。青春の追悼企画

Vシネマの彼方に消えた女性ヒーローモノのあだ花『女バトルコップ』

 1980年代末、映画の公開本数は激減し、隆盛を極めていたレンタルビデオ業界は作品を求めていた。映画に「ビデオ化」という二次使用という市場が生まれていた時代。創立以来大量生産でしのぎを削ってきた東映はビデオ市場にぶち込む「タマ」を多く抱えていた。それでもビデオ化する作品が足りなくなるだろうと考えた東映は劇場公開ではなくはじめからビデオ専用の劇映画を製作する「東映Vシネマ」を発足させた。これが大成功しビデオ市場の作品を「Vシネ」と呼ぶようにまでなった(Vシネは東映作品を差す言葉なので他社作品は単にオリジナルビデオ作品)。

 

 第一弾である世良公則主演の『クライムハンター 怒りの銃弾』は黒字を達成し、東映はお家芸の量産体制をVシネ市場でも発揮、「最低でも月一本」のレギュラー発売を表明し、劇場映画でもほぼなくなっていた「ガン・アクション」を売りにした。こうして「一度借りた人は次も同じようなものを見る」というユーザーの期待に応えるマーケティング戦略は成功、Vシネマ市場は拡大する。

 そんなVシネマ黎明期に登場したSFアクション映画が『女バトルコップ』(1990)だ。

女バトルコップ サイボーグヒーロー ポスター

 88年の大ヒット映画『ロボコップ』を原典とした「死んだ人間がサイボーグとして蘇り、復讐を挑む」というプロットを丸々いただき、テレビで放映していた特撮番組『機動刑事ジバン』のアダルト版ともいえる。スタッフの多くは東映のメタルヒーローシリーズを手掛けた面々で、TVでは不可能なアクション、バイオレンス、エロスを表現するため多額の予算が投入された。

 

近未来のネオ・トーキョーは国際的犯罪組織・カルテルによって牛耳られており、警察上層部も手が出せない状況であった、しかし対犯罪者用サイボーグの開発が進められるようになるとカルテルは先手を打って殺し屋集団、チームファントムのメンバーにサイボーグ研究所を襲わせ施設を破壊。開発責任者の小泉直也(北詰友樹)、彼の婚約者でプロテニスプレイヤーの御子柴かおる(中村あずさ)も巻き込まれ殺害される。

 ネオ・トーキョーがカルテルの支配下に置かれる中、小泉の後輩である西条正(山下規介)は執拗にカルテルを追っていたがファントムにより命を狙われる。絶体絶命の西条を救ったのは黒と銀のメタリックスーツに身を包んだ戦士、女バトルコップ。彼女の正体は瀕死の小泉によってサイボーグ手術を施されたかおるだった・・・

 

 

 と恥ずかしげもなく『ロボコップ』をパクった物語だが、あらゆる意味で恥ずかしすぎるセンスが炸裂しており90年代という能天気な時代を感じさせる。

 ロボコップの荒廃したデトロイトによせようとしたのか、無国籍国家じみたネオ・トーキョーはどう見てもバブルで浮かれた東京湾岸地区にしか見えない。

 カルテルの犯罪を知らせるニュース番組はなぜか冒頭に英語で話しかける。

 

 ロボコップの主人公マーフィーは警官だから彼が死んでサイボーグになった後も「ロボコップ」になるのはわかるけど、こちらのヒロイン御子柴かおるは「プロテニスプレイヤー」だから彼女がサイボーグになっても「女バトルコップ」じゃないだろ!テニスの練習をしているシーンが出るけどヘナチョコなラケットの振り方でどうしたってプロテニスプレイヤーには見えない

 研究所が襲撃されたとき、関係者である小泉が研究所に入ろうとするのはわかるけど、婚約者でしかないかおるが「わたしもいくわ!」と駆け付ける意味が分からない。当然、何の役にも立たずファントムのメンバーに強姦される(本当はもっとエロいシーンのはずがR指定を避けるため抑え目の演出に)。

 恋人を瀕死の目にあわされたかおるは「わたしを改造して!」とサイボーグ志願。死にかけてる彼氏にサイボーグ手術を強要させ、成功直後彼氏死亡。これ、間接的にかおるが殺したってことにならない?

 女バトルコップ(繰り返すが、「コップ」ではない)となったかおるは西条がぼろ布にされるまで待って(もっと早く助けに行けよ!)現場に現れる。それもただ「現れる」だけで

「地獄からの使者、女バトルコップ参上!彼氏の復讐はわたしが果たす!」

 とスパイダーマンの名乗りみたいなのやってくれなきゃ、盛り上がらないよ。如何にニチアサのヒーローたちの変身、登場、名乗りシーンが見栄えがしてカッコいいのかが逆説的によくわかる。『女バトルコップ』にはそういうカッコよさがまったくない

 

 サイボーグと説明されるけどマスクは着脱式で、全裸でシャワーを浴びるシーンまであるが、サイボーグなんだから何の意味があるの??しかもヌードモデルの吹き替えだからますます意味がない!!

 スーツを装着したアクターは中村本人ではなくフラッシュマンのネフェルーラなどを担当した関誉枝恵。マスクオフした中村がマスクを装着するカットは合成が下手過ぎて萎えちゃう。後に『特警ウインスペクター』主演の山下優がマスクオフするカットは完璧なので、残念。

 

 ファントムのリーダーは石橋雅史さん。東映カラテ映画の常連(極真の黒帯だからね)にして東映特撮の悪役常連だけにドスの利いたインパクト大の演技。和製シュワルツェネッガーこと松田勝は超能力戦士・アマデウスという設定でせっかくの筋肉が生かされてないような気も・・・

 

ギクシャクしすぎな女バトルコップの動きもなんだかなあ。スタッフは『ロボコップ』を見てつくったんでしょ?『ロボコップ』はスーツが重すぎてピーター・ウェラーが全く動けないのでそれをごまかすためにパントマイムの巨匠を振り付けにしてあのロボコップ動きになったわけ。その代わりにロボコップの攻撃を受ける犯罪者は手足を吹っ飛ばし、血しぶきを飛ばして派手にリアクションするから映えていたので、動き遅いわ相手もいいリアクションがないんじゃ絵になってないですよ!ただ銃弾を受けているだけじゃ、強いようには全く見えない・・・

 

 こんな感じでツッコミどころばかりが目に付く『女バトルコップ』、ですが、だとしても僕は嫌いになれない。90年という時代に女性主人公のヒーロー、アクションモノを誕生させた功績は大きい。ニチアサなんて未だに女性主人公の作品がないんだから。言い訳みたいに女性ライダー出したり、TTFCで女性主人公作品作るのが関の山。ギャバンインフィニティなんてやってるぐらいなら、『女バトルコップ2』やってくれ!

 ラストは「私たちの戦いはこれからだ!」みたいなオチなんだけど、僕は続編を30年以上待ってるんですよ。

 

 劇映画に負けない予算でVシネマがつくられたのは最初の数年だけで91年哀川翔主演の『ネオチンピラ 鉄砲玉ぴゅ~』が最大のヒットを飛ばし、銃撃戦がなくてもヒットするとなると金のかかるアクションVシネはどんどん数を減らしていった。『女バトルコップ2』が無くなったのも金がかかるからってことなんでしょうねえ。

 

※『女バトルコップ』のスタッフだった竹田誠さんのメイキングを見つけた。『女バトルコップ』ファン必読!

https://ncode.syosetu.com/n2891fy/100/

 

 

 

 

 

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