現代版アップデート、そしてすべてはスケールダウン。これが祟りじゃーっ!『八つ墓村』(2026)
横溝正史の『八つ墓村』というと、僕ら昭和世代の人間は濃茶の尼が「祟りじゃーっ!」のセリフをバックに鬼気迫る山崎努が大殺戮を行うシーンのCMでお馴染みの1977年野村芳太郎版。原作の呪われた血族のミステリーに当時流行りだったオカルト色を強烈に強めた針の振り切れ具合は語り草で、1996年に同じ横溝作品の『犬神家の一族』という傑作を撮った市川崑がリメイクしたが、到底野村芳太郎版に及んでなかった。
市川でもダメだったものをJホラーの旗手、清水崇が撮ろうというのだ。失敗するのが目に見えている負け企画でしかないが、清水崇の持ち企画である『村』シリーズとして撮ったつもりかもしれない。
大筋の話は野村芳太郎版と同じだ。都会で暮らしている井川辰也は自分の知らない生まれ故郷である山奥の田舎にある八つ墓村に招かれる。村一番の豪族である田治見家の跡取りだと教えられた辰也は余命いくばくもない現当主の田治見久弥から八つ墓村で亡くなった辰也の母、鶴子は先代当主、要蔵の愛人だったとはいえ本家の血筋ということで田治見家の後を継ぐように言われるが、排他的な村の風土になじめない。また要蔵が突然発狂し、村人数十人を惨殺した事件の犯人であり辰也の来訪をきっかけに謎の殺人事件が頻発し「要蔵の呪い、祟りだ」として息子である辰也を忌み嫌う村人は彼を亡き者にしようとする。要蔵発狂の背景にあるのは戦国時代、村に流れ着いた落ち武者たちを裏切り無残に惨殺したことの呪い、祟りだった・・・
メインのストーリーはほぼ同じで、犯人も同じ。今回のリメイクで違うところは設定を現代にしているということ。なんと令和の出来事なのだ。だから要蔵による村人惨殺はよくて平成時代の出来事になっている。自分の父親(と知らなかったとはいえ)が起こした大事件を辰也はまったく知らないこととして聞いている。平成の時代にそんな事件が起きたらもっと騒がれるだろうから、いくら自分の小さい頃の出来事とはいえ全く知らないなんて変じゃない?どうしてこんな時代設定に変更したのか。そして舞台となる村は町村併合で別の名前になる前が「八つ墓村」だった、というのがこれまでの映像化に共通していたが、今回は今でも「八つ墓村」と呼ばれているのだ。退化してどうするんだ、退化して!
村にはいつもフリルの服を着て何かというと「田治見家の祟りだ!」を口にする頭のおかしい女の「ふりふりさん」と呼ばれる、いわば濃茶の尼の現代版のような人が出てくるのだが、こんなキャラに変更する意味がまったくないし、濃茶の尼のままにしてダメだった理由がわからない。
村に流れ着いた落ち武者の尼子義孝とその仲間たちの呪いについても変な解釈がつけられている。辰也と金田一が村につくと仮面をかぶった祭りが行われている。それは村人が尼子義孝らを裏切り惨殺した際、仮面をかぶって殺したことを祭りにして後世に伝えているという説明が為される。なんて説明臭いんだ!と呆れてしまうが、さらに現代で田治見家のせいで村に祟りが起こる、と考えた村人は祟りを祓うために同じように仮面をかぶって田治見家を襲撃する。
金田一は「仮面をかぶることで自分ではない、他の何者かになることで村人が残虐化した」と分析する。匿名性こそが村人を残虐にしたものの正体ではないか、と。
尼子義孝は「村人すべて、子々孫々まで呪い殺す」として死ぬ。『八つ墓村』のこれまでの実写化では村を治めていた田治見家がすべての元凶として描かれていたが、残虐行為に参加したのは村人も同じだから、罪は同じで匿名性に隠れて行う残虐行為こそが悪なのだ、と。
横溝の原作小説は閉鎖的で封建的な田舎村、いわゆる「因習村」的な田舎への偏見を植え付けたともいえ、そのまま再映画化するのを憚った(と思われる)清水崇は現代版にも通用するようアップデートしてみせたといえるが、それは過去の作品における現代では差別的な表現、「めくら」を「目が不自由」と言い換える的な「抗議されるのがイヤだから変えよう」ってだけではないか。『八つ墓村』という作品の表現が「現代にそぐわない」と考えていたのなら、最映像化なんかしなけりゃいいじゃないか!『八つ墓村』という作品のネームバリューだけは借りたいのが見え見えで、原作そのものを捻じ曲げるってあらゆる方面に対して失礼極まりない。
清水崇版『八つ墓村』が本当にくだらないのは、アップデートだのなんだの小賢しいことをして、作品そのものがまったく面白くないってことだ。面白いもんをつくってからエラソーにしろ!チンケな田治見家のセットや洞窟でのシーン、いずれも過去作から大幅にスケールダウン。尼子義孝の祟りが後の村人たちに影響する、という因果応報的な話は見たまんま尼子義孝の子孫である森美也子に憑依する、ってアホらしいにもほどがある。新しく付け加えた要素がどれもこれも全部面白くない!無駄だよ無駄!森美也子役の堀田真由の演技だけがまともなので多少救われたけど。
オ―ススター映画だった過去作に比べても今回は役者が全員小粒。磯川警部役の小藪千豊、ありゃなんだ。面白いと思ってんのか?
何もかも金がかかってないのがアリアリとしていて、横溝正史作品にすら金がかけられないってどういうこと?ソニー・ピクチャーズはスパイダーマンで稼いだ金の十分の一でいいから、投資しろ!
こんなもん見るぐらいなら野村芳太郎版をエンドレスで観た方がいいね。後はプリントが現存していないとされ、もう見ることが出来ない1951年片岡千恵蔵主演版の『八ツ墓村』だね。
これは田治見辰也役が千恵蔵なんだけど、実は偽物で正体は金田一耕助(!)。本物の辰也に頼まれて村を調査してくれと頼まれ、ラストに正体を明かすという・・・そりゃ多羅尾伴内だよ!
見たことないけど絶対清水崇版より面白そうだよ。
この終末世界はまったりとして退屈『ラスト・サバイバー』
終末世界を描いたベストセラー小説『The Dog Stars』を巨匠リドリー・スコットが映画化した邦題『ラスト・サバイバー』はインフルエンザのパンデミックにより人類が壊滅状態となった地上で飼い犬とともにサバイバル生活を繰り広げる中年男の物語だ。
飛行機整備士のヒッグ(ジェイコブ・エロルディ)は大自然が残るコロラド州エリーで愛犬ジャスパー、元海兵隊のスナイパー、バングリー(ジョシュ・ブローリン)とともにパンデミックで崩壊した地上世界で生き延びていた。彼らの住処は時折狂人化した暴徒らに襲われるがバングリーは容赦なく彼らを撃ち殺す。
セスナ機で飛行中のヒッグは通信機からグランドジャンクションという地域から無線を受け取る。同地区に大勢の人が暮らしているのではないかと考えるヒッグは安住の地を求めて旅立とうとするが、バングリーは「そんな場所はない。夢物語に過ぎない」とエリーに止まることを選択する。
グランドジャンクションを目指して飛び立つもセスナの不調で渓谷地に緊急着陸。そこはジャック(ガイ・ピアース)とシーマ(マーガレット・クアリー)父娘の暮らす土地だった。ジャックからよそ者は出ていけと追い返されるも、シーマはヒッグの世話をするようになり、やがてジャックも彼を受け入れてゆく。かつてパンデミックで夫を亡くしたシーマはヒッグに彼の面影を観るようになるが、ヒッグも病に苦しむ妻を安楽死させた過去を背負っており、彼女の気持ちに答えられない。
平和だったその土地も暴徒に襲撃され命からがらセスナで脱出した3名はついにグランドジャンクションとの無線交信に成功する。
終末世界のサバイバルと聞いてどれだけハードな生き残りの日々が展開するのかと思うと、めっちゃまったりとした生活なので腰抜けちゃう。ヒッグはセスナで毎日飛んで(燃料どうなってんの?)物資が残っている街からスプライトの箱をくすねてメノナイト(メノー派)の暮らすコミューンに持っていく(この人達もどうやって暮らしてんだ・・・)。コミューンの指導者役は『ウェポンズ』の走ってくる校長ベネディクト・ウォン。
時折襲ってくる『マッドマックス』か『北斗の拳』に出てくるようなヒャッハー集団もどうやって生活を維持しているのかわかんないし、この世界の終末設定がよくわからない。その辺は『北斗の拳』と同じだね。
タイトルが犬の星だし、ポスターに象徴的に犬が出てくるから、どれだけ活躍するんかと思ったら序盤ですぐに死ぬ!あっさりと死ぬ!犬は病に斃れた妻とともに可愛がった思い出があるため、ヒッグは焦燥感に包まれるのだが「もう希望はグランドジャンクションにしかない!」とばかりに旅立つともう犬のことなんて全く思い出さない(笑) 犬の扱いひどすぎるんじゃない?
※以下ネタバレです
セスナが不時着した土地で出会ったシーマはともに連れ合いを亡くしたということから心を通わせていくが、ヒッグは妻の安楽死に手を貸したトラウマから妻への思いを振り切れない。なんなら犬への思いより強い。この二人がくっつくがどうかが以降の話の中心になるんだけど、オチは見えてるじゃない?
さらに彼らは安住の地グランドジャンクションにたどり着くんだけど、当然そこはロクでもない場所で男は殺して(しかも食肉にしている)女は嫁にするだけのディストピアだった!ってそれ『28日後…』じゃねーか!!
中盤以降は次に何が起こるか手に取るようにわかる、想像の範囲内でしか話が進まない。ザック・クレッガーの『バーバリアン』『WEAPONS/ウェポンズ』みたいに最近の流行りは先の読めないサスペンスなんだからこの映画全体的にまったりしていて驚きがまったくないよ!
監督のリドリー・スコットはそういうところには全然興味がないみたいで、ヒッグが過去のトラウマを乗り越えられずにいるのを新しい人々との出会いで取り戻していく・・・という人の優しさこそ大事なんだって訴えるんだけど、それをまったりとした演出でやられてもこっちは退屈なだけですよ!
それに人の優しさは犬には通じないっていうのもな!犬を助けてやれよ!
原作なんだけど、上下巻にしてまで書くことある?
全然関係ないアラブ首長国連邦の終末世界サバイバル映画
元ネタ
アニメ・この一話がスゴイ! トランスフォーマー「トリプル・チェンジャーの反乱」
1986年に日米合作として製作されたアニメ映画『トランスフォーマ― ザ・ムービー』は『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』と続編『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマ―2010』をつなぐ物語として公開。日本のスタジオの高い技術力を世界に知らしめた伝説のアニメ映画。
ところが当時、日本では公開が諸般の事情で見送られ89年に東京・大阪の一部会場でのみ上映されるという扱いの少なさであった。続編である『2010』にはある主要キャラクターが登場しなくなるのだが、映画を観ないとその理由がわからないため日本の視聴者の多くは『2010』を「?」マークを浮かべながら観るハメになったのであった。例え『ザ・ムービー』を見ていたとしても『2010』はよくわからなかったんだけど・・・
その『ザ・ムービー』が公開40周年を記念してついに日本で本格初公開されるのであった!
全国のローソン・ユナイテッドシネマ30館にて11月下旬より公開。全国といってもローソン・ユナイテッドシネマなんて地方にしかない。関西では大阪・岸和田、奈良・橿原の二館だけって!この時期はゴジラとか年末の超大作がスクリーンを独占するため、こんな縮小した形でしか公開が難しかったんだろうね。公開してくれるだけありがたいんだけど。
公開までの約二カ月強の間、トランスフォーマーネタで盛り上げようぜ!ってことで今回の「アニメ・この一話がスゴイ!」はトランスフォーマーです。
毎回がトンチキな狂ったエピソードだらけなので選ぶのも難しいのですが、中でもかなりのイカれっぷりを誇る第38話(本国版52話)『トリプル・チェンジャーの反乱』をご紹介。
メガトロン率いるデストロン軍団の参謀集団トリプル・チェンジャーの3名スタースクリーム、ブリッツウイング、アストロトレインがメガトロンに叛旗を翻すという回。
ナレーション:破壊大帝メガトロンに率いられた悪の軍団デストロンはこれまでサイバトロンとの戦いに一度も勝利を収めたことがなかった。その原因は一体何なのか?リーダーの無力故か?デストロンの3人は同じ疑問を抱いていた!

トリプル・チェンジャーの3名は岩山にラシュモア山の顔面像よろしくメガトロンと自身ら3人の顔を掘ってその後メガトロンの顔だけ崩してしまう。何でこんなことをしているのか理解に苦しむ。
3人は戦いに勝てないのはメガトロンがリーダーに相応しくないからだと決めつけ、反乱を起こすことに。もちろん自分たちがとってかわるためだが・・・
メガトロンを誘い出して罠にかけようとする。誘いだす役はスタースクリームにやらせようとするアストロトレインにブリッツウイングは「スタースクリームは何度も裏切りに失敗している!頼りになるもんかよ」とにべもない。
「失敗だと!?別に失敗しているわけじゃない。本当のチャンスが来るのをずっと待ち構えていただけだ」
とそれらしい強がりを決め込むスタースクリームが結局メガトロンを誘い出す担当になるが、ブリッツウイングとアストロトレインは仲間を信用していなかった。
「馬鹿め、やつを騙すなんてちょろいもんだ」
「メガトロンと一緒に始末されるとも知らないで、おめでたいやつだ」
と早くも仲の悪さを露呈するトリプル・チェンジャー!果たして叛逆は成功するのか?
大都市の地下を走るパイプラインの先にサイバトロンの秘密基地があるとしてメガトロンとともに向かうスタースクリーム。あっという間に閉じ込められたその場に分子凍結ガスが流し込まれ凍り付いてしまうメガトロン。作戦成功だと真下の扉から抜け出そうとしたスタースクリーム、だが出口はブリッツウイングらによって閉じられていた!
邪魔な二匹の排除に成功した二人はデストロン軍団を支配下に置くため暗躍する。まずブリッツウイングはアメフトスタジアムに現れ、軍事施設と勘違いしたブリッツウイング、アメフトチームのコーチを軍隊参謀か何かと勘違いしてスカウトするのだった。
コーチはなぜか選手に「とりあえずボールを投げつけろ!」と指示するが当然効くはずもなく、砲塔に収まったボールをスコアボードに打ち込んで2点先制!「オレの勝ちだぜ!」(何の勝負だよ!)
指揮官と間違われた男は「わたしはただのコーチなんだ」とと誤解を解こうとするが「このオレを騙そうとしてもそうはいかんぞ!」とまったく話が通用しないのだった。こうしてアメフトコーチはブリッツウイングの参謀にされてしまう。
アメフトコーチはブリッツウイングに作戦指揮を強制され「わたしはアメフトのことしかわからないんだ・・・ゾーンディフェンスとか・・・」というアドバイスを曲解したブリッツウイング、仲間として抱き込んだビルドロン部隊によってスタジアムは基地として改修されていく。
次は攻撃の指示を出せと言われたコーチ「ロングパスなんかどうでしょう?」「ありがとよ!」ブリッツウイングは言われるがままにロングパス作戦・・・ミサイル攻撃を開始して街を破壊する。
被害が拡大する中、事態に気づいたサイバトロンたちはブリッツウイングの暴挙を止めようとするが、迷路に誘い込まれた挙句ブリッツウイングに囚われてしまう。その間ブリッツウイングは作戦が成功する度にスコアボードを攻撃して得点を重ねる。それに何の意味があるのか、まったくわからない(笑)
もう一方のアストロトレインも駅舎を襲撃し、列車たちを改造して忠実な部下として支配下に。アストロトレインもまたデストロンのボスとしてブリッツウイングを出し抜こうとしていたのだった。お前ら考えること同じだな。
スコアを圧倒的重ねて勝利に近づこうとするブリッツウイング。だがサイバトロンもただやられているわけではない!仲間の救出にやってきたスモークスクリーンとホイストは上空を飛行するパワーグライドのナビゲーションによって迷路を攻略。ビルドロン部隊からのSOSに応じて救出に飛び立つブリッツウイングだったがスモークスクリーンの煙幕に惑わされている間にせっかく捕まえたサイバトロンたちを奪い返されてしまう。
「このマヌケめ!」(自分のことだろ)
続いてアストロトレインの駅舎を攻撃に向かうサイバトロン。トランスフォーマーの力の源であるエネルゴンキューブを運び出している最中のアストロトレイン「オレはデストロンのリーダーだ!」と息巻いて改造した列車たちに指示を出すが・・・動かない(故障かな?)
「なにやってるんだ!早く動け!」
サイバトロンが見守る中、早く動けとわめくアストロトレイン
どうにか動き出した列車たちは線路を直進して壁に激突。水道管を破壊。大量の水はやがてメガトロンが閉じ込められているパイプラインにも流れ出し、凍結が溶けてしまう。裏切者ともども流されつつ怒り心頭の破壊大帝の雷が炸裂。
「きさま!またワシを騙しおったな!」
「このオレもなんです!オレも騙されたんですよ!だからこうして一緒にいるでしょうが・・・」
「えーいうるさい!出口はないのかっ!」
「だから一緒に」と弱弱しく媚びを売るスタースクリームの情けなさときたら(笑)
激流に押し流されながらマヌケな問答を繰り広げる二人はなんとか脱出を果たすが・・・
「まったくもって貴様ってやつは!大バカもいいとこだぞ!」
続きの説教を食らわされるスタースクリーム。
「オレが大バカでした・・・二度としません、お許しを!」
裏切るつもりだったことなんてなかったことのように掌を返すスタースクリーム。これもまたいつもの光景なのだった。
その頃、1569-0で圧勝だったブリッツウイング(だから、その点数は何の意味があるんだよ!)は配下に収めていたビルドロン部隊の裏切りにあっていた。
「こき使われるのはまっぴらだぜ!貴様なんかにデストロンのリーダーを任せられないって言ってんだよ」
「よく聞けこの馬鹿ども!早く行って橋でもつくってこい!それが仕事だろうが!」
なんか施主に偉そうに命令される施工主みたいなやり取りだなあ。巨人兵デバスターに合体したビルドロン部隊はブリッツウイングを圧倒するがそこに大量の水が流れ込み・・・ってこれ、もともと水道管から流れた水なんだよね。街ひとつを押し流す勢いの水が流れてる水道管って・・・
そこに流されてきたアストロトレイン、デバスターに苦戦するブリッツウイングが助力を要請。
「一緒にデバスターをやっつけよう、力を貸してくれ!」
「ああわかった・・・だがその前にお前を片付けてからだ!」
と背後から撃たれる(笑)
「お前、裏切る気かー!」
なんかもう、木乃伊取りが木乃伊になるって感じがして、とてもいいですね。三者の小競り合いが続く中にメガトロンさま到着。
「この裏切者どもめが!デストロンのリーダーはこのワシなのだ!貴様らにはその資格などない!」
その横でスタースクリーム
「そうですともメガトロン様!」
と太鼓持ちの役割を十二分に果たすのだった。さっきまで裏切ろうとしたやつの言動とは思えない。だがデバスターはただひとりメガトロンに抗い、力いっぱいぶん投げる。
「次はお前だ!」
身の危険を感じたスタースクリーム、すかさず身の保身に走る。
「認める!メガトロンはガラクタだ!」
お前ホントに(笑)
ここにきてブリッツウイングとアストロトレインは「力を合わせて戦いましょう!」「お前なんか信用できるか!」と互いを撃ちあう有様。そんな役立たずどもの「どいつもこいつも裏切者ばっかりだ!」と怒りの一撃をぶちかますメガトロン。
「メガトロンさま誤解です。本当の裏切者はスタースクリームなんです!」
ともはや見境がなくなったアストロトレイン、容赦なく仲間を売ることに(爆笑)
「そんなのウソだ!耳を貸してはいけません!」
今更スタースクリームごときの戯言に耳を貸すわけもないメガトロン。連中は延々と同士討ちの挙句、最後まで立っていたのはメガトロンだった。
「ようく覚えておけ!デストロンのリーダーは永遠にこのメガトロンなのだ!」
こうしたデストロン軍団の内輪もめをサイバトロンたちは高みの見物をしているだけなのだった。確かにメガトロンこそが軍団のリーダーに相応しいと思う。ここまでされて誰一人処刑したりせず、追放もしないで部下として扱ってやるんだからよっぽどの大人物(ロボットだけど)に違いない。それにしてもトリプル・チェンジャーのいい加減、適当、デタラメぶりはすごい。そして裏切りに次ぐ裏切りで仲間同士まったく信用していないデストロン軍団はさらにデタラメ。
ちなみに『ザ・ムービー』でもスタースクリームは安定の裏切者ぶりを見せているのでこうご期待!(何を)
9月予定告知
9月予定告知
9月10日(木)
『旧シネマパラダイス』
会場:アワーズルーム
開演:20:00 料金:500円+1D
解説:しばりやトーマス
カルトを研究する若人の会。売れたかったら長いクソに巻かれろ!
9月12日(土)
『アイドル十戒 ディスクロージャー・デイ其の五』
会場:アワーズルーム
開演:19:00 料金:1500円+1D
出演:竹内義和 しばりやトーマス
サイキックをやってた人と聞いてた人のアイドル談義。アイドル動画回。
9月22日(火)
『キネマサロン肥後橋』
会場:アワーズルーム
開演:19:30
料金:500円+1D
解説:しばりやトーマス
※終了後YouTuber配信アリ
深夜の映画番組みたいな研究会。妖しげな剣が女体を斬る!
9月29日(火)
『スーパーヒーロートーク』
会場:怪獣シアター
開演:20:00 料金:1500
出演:にしね・ザ・タイガー しばりやトーマス
東映・ニチアサヒーローについて語りすぎるトークライブ。終わったやつとか始まったやつとか
命がけで飛び降りろ!JACの限界アクション『伊賀野カバ丸』
新世界東映で1983年公開、JACオールスターズ総出演映画『伊賀野カバ丸』が上映されてたので観てきた。今年閉館した新世界国際劇場は何度も行ったが東映の方は初めて足を踏み入れた。
EAT the 青春
遠慮しないで歯を立てろ
EAT the 青春
かじるしかない青春は
苦いか 甘いか 丸かじり
黒崎輝・高木淳也・真田広之の初代JAC御三家による主題歌『青春丸かじり』が鳴り響くこじんまりとした劇場で上映開始。黒崎・真田が出演した『コータローまかりとおる!』は今では配信、DVD化もされて普通に見られるのだが、こちらの『カバ丸』は配信もソフト化もされておらず、東映チャンネルでたまに放送されるぐらい・・・これを逃すまいと駆け付けましたよ。監督は東映漫画映画の達人・鈴木則文。
カバ丸(黒崎)は祖父・才蔵(千葉真一)の厳しい教えの下、伊賀の山奥で暮らしている。食事すら才蔵に勝たなければ口にすることすらできない苦行の日々。だが才蔵が食べ物を喉に詰まらせて死んでしまい、カバ丸は修行の日々から解放される。
「やったー!オレは自由だ!」
カバ丸は山を下り、都会に旅立つ。
のっけから激流の滝を駆け上がったり、山を下りる際に数十メートル下の川に飛び込んだりと、当時のJACの得意技である高所からのド迫力の大ジャンプに度肝を抜かれる。毎日の練習で休み時間の間に「誰がどれだけ高いところから飛べるか」を競い合っていたというから常識を超えている。
才蔵の初恋の人である金玉学園の理事長、大久保蘭(朝丘雪路)の元に身を寄せたカバ丸は孫娘である麻衣(武田久美子)と同じクラスになるが、山育ちの田舎者であるカバ丸を嫌い、ことあるごとに突っかかってくる。ふんどし一丁で歩き回ったりするカバ丸を見て「キャー!」と顔を赤らめるのだが、数年後に笹ふんどしのグラビア出すことになるのに、カマトトぶってんじゃねえと思ったな(笑)
麻衣は一年先輩の美少年、目白沈寝(真田広之)に恋焦がれている。真田は変な長髪のカツラをかぶり、女のように育てられてきたという設定でオカマっぽい仕草でカバ丸に「オレはそっちの気はねえ!」と勘違いされる。真田からしたらまんざらでもない感じ!
クラスのヒロイン、麻衣にちょっかいを出し、早弁に勤しむカバ丸は不良たち(JACメンバーの中でも極道顔の関根大学とか誠吾大志)に目を付けられ「礼儀を教えてやるぜ!」とリンチ。縄でぐるぐる巻きにされて、校舎にガチで逆さづりにされる!屋上で真田と黒崎が激しくぶつかり合う場面ではフェンスに手をかけたままアクションをこなす。もちろん命綱なんてあるわけない!
後半は金玉のライバルである王玉学園生徒会長・豪遊宴(大葉健二)の手下である霧野疾風(高木淳也)と学園の命運をかけて戦うことに。疾風はともに才蔵に修行を受けてきた仲間だが、厳しい修行に音を上げて逃げ出したのだった。
宴は外見は普通だが、原作漫画のオネエという設定だけが残されたため、大葉さんがあのツラでオネエ言葉をずっと話していて、違和感がスゴイ(劇中で説明もないもんで、漫画知らない客にはわからないよ!)
5種競技でカバ丸と疾風は激突する。その一つが「高い所から飛び降りる」であり、5,60メートルぐらいはありそうな高所から真っ逆さまに飛び降りる黒崎・高木!映像で誤魔化すなんてことはしていない、本気のハイダイビングだ!どうかしている。
水泳対決では二人が海に飛び込み、しばらく上がってこない。無音でカメラがゆっくり引いていき・・・1分ぐらい経ったところ、いきなり海面に飛び出してくる!かなり離れた位置で浮かぶのでかなりの距離を潜水していて、一体どういう運動神経なんだよ!
クライマックスは爆走する車にしがみついて振り落とされたら負けというカーロデオ勝負で、当然黒崎・高木が本気で走る車の上にガチでしがみつく!
『コータロー~』はコミカルアクションの趣きが強かったのに比べ、『カバ丸』はJACメンバーが肉体アクションの限界に挑んでおり、現代のアクションごっこに興じているだけのイケメン俳優のみなさんとは比べ物にならない。君ら、もっと高所から飛び降りないとね!
ラストはチキンランのごとく車が海に向かって突っ込むのだが、飛び込む寸前に運転している大葉さんが海面にダイブ、黒崎輝は車に捕まったまま一直線に海面へ!このシーンはすさまじいの一言。無茶苦茶だよあんたら!
今は亡き黒崎・大葉の若き日の勇姿と命がけのダイブに挑む様は今では涙なしに観られない。こんなすごい映画を埋もれさせているなんて、本当に東映って作品を大事にしないよねえ。もっと気軽に見られるようにしておくれ。観るしかないこの映画!
きりきり舞いの つむじ風
やむまで待ったら としをとる
吹きとばすなら とばさせろ
あの子といっしょに そらをとぶ
(『青春まるかじり』作詞:阿久悠)













