松阪駅【三重県】(紀勢本線、名松線。2021年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】シリーズは、
三重県中勢地方南部の中心都市である松阪市の中心市街地に位置する紀勢本線と名松線の接続駅で、北側には近鉄山田線の松阪駅が併設されていて、現在も近鉄と改札口や改札内コンコースを共用している、
松阪駅 (まつさかえき。Matsusaka Station) です。
 
尚、当記事ではJR線の松阪駅およ南口側のみを取り扱います。
近鉄電車の松阪駅および北口側につきましては、後日近鉄線・松阪駅の記事をUPして紹介予定です。ご了承下さい。

⇒近鉄線・松阪駅の記事は2025年UP予定。
  
  
駅名  
松阪駅 (南口はJR東海が管理。駅番号なし)  
 
所在地  
三重県松阪市    
 
乗車可能路線  
JR東海:紀勢本線名松線  
 
隣の駅  
紀勢本線  
亀山方・名古屋方…………六軒駅    
新宮方・和歌山市方………徳和駅    
  
名松線  
伊勢奥津方…………………上ノ庄駅 (2025年1月に記事をUP予定)  
 
乗換可能駅  
近畿日本鉄道:山田線……松阪駅まで徒歩3分  

訪問・撮影時  
2021年8月  
 
 
駅概要  
駅形態……………地平駅(JR駅は1893年開業。近鉄駅は1930年開業)。
駅舎………………南北に有(南口は駅ビル、北口は簡素な平屋建て)。
出入口……………南北にあり。通り抜けは入場券が必要。西側に改札外地下道あり。
バリアフリー……○(南北とも出入口に段差なし。改札内跨線橋はEV併設)。
点字ブロック……各出入口~各改札~各ホームに設置。
駅前広場…………○(南北ともロータリー有。バス停・タクシー乗り場併設)。
 
 


正面口に相当し、以前は国鉄が、現在はJR東海が管理する南口(中央口)です。北東を望む。
1962年に改築された、鉄筋コンクリート造3階建ての古い駅ビルが鎮座しています。
1階部分に駅舎・改札口、まつさか交流物産館、テナント店舗あり、2階と3階はおそらく駅事務室として使用されていると思われます。
出入口には段差がありません。
JRと近鉄で改札内コンコースを共用しているため、近鉄を利用する場合もこの南口から入場してOKです。
駅舎前には大きな駅前広場があり、写真中央から左側がタクシーおよび一般車用ロータリー、右側がバスターミナルになっています。
駅前広場左(北西側)には交番と観光案内所、北口とを結ぶ地下通路があります。
 
また、ロータリー内には松阪出身の国学者・本居宣長ゆかりの遺品「七古鈴(七種鈴)」の一つである「驛鈴(えきれい)」のモニュメントがあります。
「驛鈴」とは、律令制で駅馬を利用する時に携行を必要とする鈴で、浜田12代藩主の松平康定が「古事記伝」を著した松坂出身の本居宣長が鈴好きと知り、伊勢神宮参拝の途中、律令時代に朝廷が地方に行く役人に身分証として支給した「驛鈴」を贈ったものです(松阪市観光協会HPの説明文を引用)。
 
尚、松阪の「阪」は、1889年(明治時代)の町村制施行により「坂」から変更されたもので、大阪も江戸時代は「大坂」でした。
また、読み方は「まつさか」で、「まつざか」ではありません。
 
 

南口駅前です。南西を望む。後方に駅ビルがあります。
駅南西側は松阪市の中心市街地で、奥に延びる県道20号線(新町通)などには商店街が形成されていますが、郊外のロードサイド店の充実もあり、2006年に三交百貨店松阪店が閉店するなど空洞化が進行しています。
約1.2km西には松坂城跡があり、敷地内には松阪市立歴史民俗史料館や本居宣長旧宅、本居宣長記念館があります。
 
ちなみに松阪市は本居宣長をはじめ、三井グループの始祖である三井高利の出身地として有名です。
また、松阪市は最高級の和牛である「松阪牛(正式な読みは「まつさかうし」。「まつさかぎゅう」も可)」の産地でもあります。
 
 

南口の南東側には三重交通のバスターミナルがありますが、以前はその向こう側に三交百貨店松阪店がありました。
しかし同じ三重県地盤のジャスコが郊外に大型店舗を展開するなどして売上が減少し、2006年に閉店となり、後に店舗は解体されました。
跡地は現在、駅前の一等地ながら長らく駐車場として利用されています。
 
 

南口1階にある「JR側改札」です。北東を望む。
こちらは改札名の通り、JR東海が管理していますが、近鉄だけを利用する場合も入出場が可能です。
 
駅員配置………有人駅(駅長配置駅かつ管理駅)。
自動改札機……あり(3通路)。
ICカード………近鉄線のみ利用可能(『PiTaPa』エリア内)。
       JR線はエリア外なのでICカードは利用できません。
幅広通路………あり(一番左の自動改札通路)。  
有人通路………あり(窓口に面した左端通路。点字ブロック設置)。
窓口……………あり(改札窓口、左手前の『JR全線きっぷうりば(みどりの窓口)』)。
自動券売機……あり(改札口の左手前。JR線のみ。ICチャージ不可
          近鉄線の自動券売機は右側にあり)。
自動精算機……なし(近鉄用ICチャージ機を設置。紙のきっぷの精算は改札窓口へ)。
トイレ…………改札内1番線(多機能トイレ併設)。 
改札外設備……飲料自動販売機・コインロッカー・銀行ATM。 
売店……………右前方に駅弁業者「あら竹」の店舗あり。改札内外とも購入可能。  
コンビニ………あり(右前方改札外にJR東海系の「ベルマートキヨスク」有)。
 
また、改札外の右側に後述の近鉄線きっぷうりばが、左側にベーカリーカフェ「ヴィ・ド・フランス」があります。
 
そして改札の先は1番線ホームで、3番線~5番線(2番線は欠番)、近鉄線ホーム、北口へは右側にある跨線橋を利用して下さい。エレベーターも併設されていて、松阪駅はバリアフリーに対応しています。
 
 

こちらは南口駅舎1階にある近鉄線きっぷうりばです。南東を望む。
右が出入口、左がJR側改札です。
左から出札窓口(特急券や定期券も購入可能)、インターホン付き特急券・定期券発売機(JR東海のサポートつき指定席券売機に相当)、自動券売機(ICチャージ可)の順に配置されていて、南口から近鉄に乗る場合も不自由ありません。
左前方には銀行ATMと「あら竹」の駅弁販売店が写っています。
「あら竹」では有名な「元祖特選牛肉弁当」や「松阪名物モー太郎弁当」をはじめ、松阪牛や和牛を使用したものを中心に多数の駅弁を取り揃えています。
まぁ、私はいつも代表的な2品ばかり買ってしまうのですがww 
 
 

5番線に設置の吊下式駅名標です。電照式ではありません。
右側(亀山方)の隣駅は紀勢本線の六軒駅と名松線の上ノ庄駅が併記されています。
JR東海・在来線の標準デザインで、国鉄タイプと同じく駅所在地も併記されています。
アルファベット部分にはJR東海のコーポレートカラーであるオレンジが塗られています。
尚、紀勢本線や名松線に駅ナンバリングは導入されていません。
 
 



駅構造……地平駅(北西~南東方向)。
配線………単式ホーム2面・島式ホーム1面の計3面4線。
 
駅舎に面した左端の単式ホーム(南)は1番線、中央の単式ホーム(元は島式ホーム)は3番線、右(北)の島式ホームは左が4番線・右が5番線です。5番線の右には近鉄線の6番線~8番線ホームがあります。
尚、2番線は欠番です。かつては3番線が島式ホームで右が3番線、左が2番線で、現・1番線ホームは元々名松線専用で、ホーム幅が狭くて線路際に線路が1本あったのですが、名松線列車の発着を5番線に移動させて1番線の線路を撤去、1番線ホームを2番線の線路前まで拡幅し、2番線は両側にホームを有する形になり、左側が1番線ホーム、右側が2番線ホームになったのですが、後に2番線側に柵が設置されて2番線を廃止し、その結果3番線も単式ホームになった経緯があります(中写真)。
 
紀勢本線ベースで見ると、1番線が上り副本線で快速『みえ』が発着、3番線が上り本線で特急『南紀』や普通列車が発着、4番線が下り本線で特急『南紀』、快速『みえ』、普通列車が発着、5番線が下り副本線で名松線の上下列車が発着します。例外的に下り普通列車の一部が1番線または5番線にも発着します。
  
ホーム有効長……1番線4両分、3番線9両分、4・5番線9両分。一部の端は立入禁止。
ホームドア………なし。
ホーム幅…………1番線は拡張したため広く、3~5番線は標準レベル。
上屋(屋根)………1番は新宮方(手前)の2両弱分、3番と4・5番は中ほど3両分。
ホーム上設備……ベンチ(各ホーム)、飲料自動販売機・空調完備の待合室(3番を除く)。
 
3番線は亀山方(奥)の端数mと新宮方の端約1.5両分が柵により立入禁止となっています。
1番線に面して南口駅ビルとJR側改札口があります。
また、4・5番線には紀勢本線・大内山駅付近に工場がある地場の「大内山牛乳」の自動販売機があります。
私は三重県で宿泊する際によく「大内山牛乳」のコーヒー牛乳を飲みますw 美味しいです。
 
写真は上2枚が3番線より、下1枚が4番線より、いずれも紀勢本線・亀山方および名松線・伊勢奥津方を望む。
 
 


2枚とも4番線より紀勢本線・和歌山市方(名松線・終端方)を望む。
右から1番線~5番線、近鉄線ホームの順です。
4・5番線ホームは3番線ホームから見て亀山方(手前側)にずれています。
また、4・5番線ホームは過去に長編成列車が設定されていた名残で9両分と長い有効長を持っていますが、現在は短編成の列車ばかりなので長いホームを持て余しています。
 
 

4番線より紀勢本線・亀山方および名松線・伊勢奥津方を望む。
三重県中南部のJR線は非電化なので、右側を並走する近鉄線と比較して上方がスッキリしていますが、裏を返せば近鉄との輸送力や輸送量の違いを見せつけられている格好です…。
 
この先、しばらくは紀勢本線と名松線で単線を共用します。近鉄線と並走して住宅街の中を北西へ走ると阪内川を渡り、近鉄線が右へ離れます。その直後に紀勢本線が右、名松線が左を走るようになり、しばらく単線並列の格好で右へ左へカーブしながら住宅と田園が混在した中を引き続き北西へ進みます。そして近鉄伊勢線の廃線跡を道路転用した県道756号線【近鉄道路】の陸橋をくぐると紀勢本線が右カーブ、名松線が左カーブで、両路線が分かれます。
 
紀勢本線はその後、広大な田園風景の中を北北西へ走り、やがて右へカーブすると先ほど離れた近鉄山田線をアンダークロスして、近鉄線は左へ離れます。その後も田園地帯を北上し、三渡川を渡るとほどなくして六軒駅へと至ります。
 
一方、名松線はその後、広大な田園風景の中を西北西へ走り、堀坂川を渡ると右へカーブして進路を北西に変え、上ノ庄駅へと至ります。
 
 



3枚とも4番線より紀勢本線・和歌山市方(名松線・終端方)を望む。
各ホームの和歌山市方に跨線橋があり、JR側改札口(南口)、近鉄線ホーム、近鉄側改札口(北口)と結ばれています。
尚、近鉄線ホームとの間に中間改札はなく、自由に行き来可能ですが、近鉄線にご乗車の場合は当然ながら近鉄線のきっぷが必要です。近鉄線のきっぷを不所持の場合は一旦改札を出て再入場する必要があります。近鉄線でICカードを使用する(使用した)場合も一旦改札口を出る必要があります。
 
この先、左側を走る近鉄山田線と並走して住宅地の中を南東へ走りますが、近鉄線の東松阪駅の手前で右へカーブして近鉄線と別れます。その後は金剛川を渡ると沿線風景が田園地帯に変わりますが、やがて再び住宅地の中に入り、左へ右へカーブしていた線路は南南東に進路を変え、徳和駅へと至ります。駅構内上空を関西急行電鉄(近鉄の前身。開業当初は伊勢電気鉄道)伊勢線の廃線跡を転用した道路【近鉄道路】が跨いでますが、関急(旧・伊勢電)伊勢線の現役時は国鉄(官鉄)と関急(旧・伊勢電)の乗換駅でした。その遺構は姿を消しています。
 
 
あとがき  
下車(乗車)時・・・2001年、2002年、2009年、2016年、2020年、2021年、2022年。          
  
JR駅だけでも結構利用していますw JR線は3面4線で、拠点駅として構内が広いです。北隣には近鉄駅が並んでいます。JR線の駅舎は南口側で、立派な駅ビルを有していますが、残念ながら乗降客は近鉄に軍配が上がります。おそらく名古屋方面や伊勢志摩方面はJRもある程度頑張っていると思うのですが、大阪・京都・奈良方面は近鉄の独壇場でしょうね…。名古屋以西が同じJRだったら三重県南部~京都・奈良・大阪方面ももっと力を入れていたと思いますが…。駅前は松阪市の中心市街地ですが、東側の三交百貨店は閉店・解体され、空洞化も進行して閑散としてしまっています…。
    
鉄路のみで  
東京から・・・当日到達可、日帰り往復可。

                     新幹線で名古屋へ。特急『南紀』or快速『みえ』に乗換。 
大阪から・・・当日到達可、日帰り往復可。近鉄阪伊特急に乗り松阪駅下車すぐ。
 
食料・飲料 (500m以内)  
コンビニ・・・・・・あり (南口改札外と改札内跨線橋近鉄エリアにあり)  
飲食チェーン店・・・あり (最寄店舗は南口改札前の「ヴィ・ド・フランス」)    
 
東京・大阪ともさほど到達難易度が高くありません。紀勢本線および名松線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は松阪駅でも途中下車してみて下さい!
 
(参考:JR東海のHP、近鉄のHP、Google地図、地理院地図、Wikipedia)