紀伊駅【和歌山県】(阪和線。2021年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】シリーズは、
和歌山県和歌山市北東部、大阪府との境界をなす和泉山脈の南麓に広がる郊外の住宅地に位置する阪和線の駅で、堂々と旧国名オンリーの駅名が付いていますが、駅開設当時の自治体名「紀伊村」が駅名の由来で、紀伊村が和歌山市に編入されてからも駅名が変更されずに現在へと至る駅で、隣接する岩出市への玄関口も兼ねているため、和歌山県内のJR駅では和歌山駅に次いで1日平均乗車人員が多い駅である、
紀伊駅 (きいえき。Kii Station) です。
  
  
駅名  
紀伊駅 (JR-R 51)    
 
所在地  
和歌山県和歌山市     
 
乗車可能路線  
JR西日本:阪和線  
 
隣の駅  
天王寺方……山中渓駅 (大阪府)    
和歌山方……六十谷駅    
 
訪問・撮影時  
2021年11月 
 
 

 

紀伊駅は地平駅で、南側(下り線ホーム側)の東寄り(天王寺方)に駅舎があります。
北側に駅舎・改札口はなく、北側からアクセスするには東約270mまたは西約250mの踏切を渡って南側へ回る必要があります。
駅舎は平屋建てで、国鉄時代に建てられたものと思われます。
また駅舎は高台にあり、駅外とは階段のみで結ばれていましたが、近年になって手前側にエレベーターが設置され(上写真右奥にあります)、バリアフリー化されています。
そして紀伊駅には小さな駅前広場があり、所狭しとバス停留所とタクシー乗り場が設けられていますが、一般車用のスペースがないため、送迎は気を遣います。
上写真は北東を、下写真は東を望む。
 
 

駅前です。南西を望む。右手に駅舎があります。
奥に延びる道路は県道7号線(上淡路街道)で、幅員が狭く歩道がありませんので歩行者・車両とも通行には注意が必要です。
その県道7号線沿いには住宅街が形成されており、商店や診療所が点在しています。
駅西側は宅地化されていますが、南側は少し離れると田園地帯が広がっています。
また、約1.4km西の線路沿いには府守神社が鎮座していますが、紀伊国の国府跡に建立された説があり、これが「紀伊村」の由来になっていて、紀伊駅の駅名も紀伊村に由来しています。和歌山県内や三重県南部には「紀伊○○」といった駅名が多いですが、当駅はそのものズバリ「紀伊駅」です。旧国名の域内に旧国名のみを名乗る駅があるのは旧紀伊国、そして和歌山県のみではないでしょうか?
 
一方、駅北側は住宅が少なく田園地帯になっており、和泉山脈が迫っているため北へ向かうごとに標高が上がります。
約1.2km北の山麓には阪和自動車道の紀ノ川サービスエリアがあります。
 
 

駅前です。東を望む。左手に駅舎があります。
奥に延びる道路は県道7号線で、東側も幅員が狭く、歩道がありません。
東側は西側と比較して住宅が少なく、県道7号線を少し南へ逸れると田園風景が広がっています。
また、県道7号線を3kmほど東へ進むと岩出市に入りますが、岩出市には和歌山線の駅はあるものの阪和線の駅が無いため、紀伊駅を利用する岩出市民が一定数いると思われます。逆に紀伊駅がなければ岩出がいまだに「岩出町」だった可能性もあります。紀伊駅前には月極駐車場やコインパーキングが複数あり、また紀伊駅と岩出市内を経由して和歌山線・粉河駅までを結ぶバス路線(紀伊粉河線)もあります。この紀伊粉河線は数系統の路線があり、約10km東にある近畿大学和歌山キャンパス(生物理工学部)を経由する系統は通学時間帯に混雑します。
 
 

 

改札口です。2枚とも西を望む。左手に出入口があります。
紀伊駅は有人駅(直営駅)ですが、駅員不在時に対応するため改札内外にきっぷ確認用カメラ搭載のインターホンが設置されています。
交通系ICカード『ICOCA』などに対応の自動改札機が3通路あり、一番窓口に近い左端が点字ブロック設置の幅広通路で、有人通路・インターホン対応通路を兼ねています。
改札口の左手前には『みどりの窓口』と自動券売機がありますが、『みどりの窓口』は写真を撮影した2021年11月の4ヶ月後、2022年3月に営業を終了し、代替として現在は『みどりの券売機』が設置されています。
改札口の後方には待合所があり、ベンチ、飲料自動販売機、コインロッカーが設置されています。
トイレ・多機能トイレとAEDは改札内にあります。
そして改札を通って前方へ歩くと、各ホームとを結ぶ跨線橋があり、階段とエレベーターが設置されています。紀伊駅はバリアフリーに対応しています。
尚、紀伊駅構内および駅前に売店・コンビニはありません。最寄りのコンビニは西約400mの「ローソン」になり、やや遠いです。
 
 

下り1番のりばに設置されている吊下式駅名標です。電照式で、バックライトは蛍光灯と思われます。
JR西日本の標準デザインです。下部は阪和線のラインカラーであるオレンジ色に塗られています。
紀伊駅の駅ナンバリングは「JR-R 51」ですが、この駅名標には記載されておらず、柱に掛けられている縦型の駅名標のみに記載されています。
 
 

こちらは上り2番のりばに設置されている建植式駅名標です。非電照式ですが、反射材が使用されています。
下部のラインカラーはオレンジではなく、ほぼ黄色です。前述の吊下式とは全く違う色で、どちらが正式のラインカラーなのか、分かりません…。
 
 

 

 

駅構造……地平駅(概ね東西方向)。
配線………島式ホーム2面4線。  
  
右ホーム(南)の右が1番のりば、左が2番のりばで、いずれも下り和歌山方面・きのくに線方面です。
左ホーム(北)の右が3番のりば、左が4番のりばで、いずれも上り天王寺方面・大阪環状線方面および関西空港方面です。
内側の2番と3番が主本線(通過線)、外側の1番と4番が副本線(待避線)です。
1・2番のりばから見て3・4番のりばは天王寺方(奥)にずれています。
     
ホーム有効長……本線の2番・3番は8両分、副本線の1番・4番は両端各1両分少ない6両分。
ホームドア………なし。
ホーム幅…………中央部は広いですが、両端部は狭いです。2番・3番の両端は特に狭くなっています。
上屋(屋根)………1番・2番は和歌山寄り(奥側)の約2.5両分、3番・4番は中ほどの約3.5両分。雨ざらしの部分が多いです。 
ホーム上設備……ベンチ、飲料自動販売機、冷暖房完備の待合室。
  
1番のりば和歌山方(手前側)の右側には保線基地があり、側線があります。天王寺方から出入りする形の配線です。
また、1番のりば天王寺方の右手には駅舎・改札口があります。
  
写真は3枚とも1番・2番のりばより天王寺方を望む。
 
 

 

上写真は2番のりばより、下写真は1番のりばより、いずれも和歌山方を望む。
左から1番のりば~4番のりばの順で、1番のりば天王寺方(手前側)の左手には駅舎・改札口があります。
1番のりば和歌山方には保線基地があります(下写真)。
 
 

 

2枚とも2番のりばより天王寺方を望む。
内側の2番のりばと3番のりばは、8両編成の停車に対応させるためホームが延伸されています。
この先、住宅と農地が混在した郊外風景の中を東へ走りますが、徐々に高度を上げていきます。そして左側から山林が迫るとかなり標高が上がり、右側に和歌山平野を見下ろす形になると左へカーブしながらトンネルをくぐり、山間部へと入っていきます。進路を北に変え、京奈和自動車道の高架橋をくぐると岩出市に変わりますが、それもつかの間で、すぐに阪和線最長となる雄ノ山トンネルへと入り、和泉山脈をを越えます。トンネルを出ると大阪府……と思いきや、まだ和歌山県内で、先ほどの雄ノ山トンネル内で和歌山市に戻っています。左手に山里の風景を見ながら右側を並行する阪和自動車道と一緒に山中川の谷を北上し、大阪府阪南市に変わっても山間部を走り続けます。そして阪和自動車道をくぐると左側に集落が現れ、続けて右側にも集落が現れると難読駅名である山中渓駅(やまなかだにえき)へと至ります。
 
 

2番のりばより和歌山方を望む。こちらも2番のりばと3番のりばのホームが延伸されています。
また、すぐ先に踏切があるため、不正に線路用地に侵入する事を禁止する旨の看板が2番のりばのホーム端に設置されています。
この先、左手に集落を、右手に農地や山地を見ながら郊外風景の中を西へ走り、阪和自動車道をくぐると左手にも田園が多く見られるようになります。そして、しばらく走ると大きく左へカーブして住宅地の中に入り、こちらも難読駅名である六十谷駅(むそたえき)へと至ります。紀伊駅は両側を難読駅名に挟まれていますww
 
 
あとがき  
私が紀伊駅で下車(乗車)したのは2021年の1度きりです。阪和線を乗り鉄した際に途中下車しました。天王寺方面からですと和歌山県に入って最初の駅で、2面4線、有人駅と、それなりの規模です。駅前は道路が狭くごちゃぼちゃしていましたが、駅前を少し離れると農地も目立ちました。紀の川市にある近畿大学生物理工学部行きのバスに行列ができていたことから、近大生や隣接する岩出市民など、広域的に集客できている駅かもしれません。
 
東京からですと東海道新幹線で新大阪駅まで行き、JR京都線の下り電車(新快速以下)に乗り換えて大阪駅で下車します。大阪駅では大阪環状線内回りホームから発車する紀州路快速の和歌山方面行き(関空快速は乗車不可。関空快速を併結している場合は後4両が「紀州路快速」です)に乗車して当駅下車です(日根野以遠快速運転の列車も当駅に停車します)。また、紀州路快速が運転されていない時間帯は大阪駅から関空快速で日根野駅までいって和歌山行きの普通列車に乗り換える方法、あるいは大阪環状線で天王寺駅まで行き(内回り・外回り、どちらも所要時間が大して変わりません)、阪和ホームから発車する阪和線列車を利用する方法もあります。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、梅田からですと大阪駅から上記のルートで到達できます。難波からですとJR難波駅から大和路線に乗り、新今宮駅で紀州路快速の和歌山方面行きにお乗り換え下さい(関空快速に乗ってしまった場合は日根野駅で紀州路快速または阪和線列車に乗換)。紀州路快速が運転されていない場合は上記の通り関空快速で日根野駅まで行って阪和線列車に乗り換えるか、天王寺駅で阪和線列車にお乗り換え下さい。余裕で日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、駅の西約400mにコンビニ「ローソン」がある一方、駅前に気軽に入れる飲食店はありません。まぁ事前に用意しておいた方が無難でしょう。
 
東京からの到達難易度もさほど高くありません。阪和線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は紀伊駅でも途中下車してみて下さい!
 
(参考:JR西日本のHP、Google地図、Wikipedia)