山中渓駅【大阪府】(阪和線。2021年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
大阪府阪南市南東部の、和歌山県との府県境に近い山間部に位置する阪和線の駅で、春は桜の花が咲き誇り大勢の観光客が訪れる難読駅、そして大阪府内のJR駅で最も乗降客が少ない、
山中渓駅 (やまなかだにえき。Yamanakadani Station) です。
 
  
駅名
山中渓駅 (JR-R 50) 
 
所在地
大阪府阪南市  
 
乗車可能路線
JR西日本:阪和線  
 
隣の駅
天王寺方……和泉鳥取駅  
和歌山方……紀伊駅 (和歌山県)  
 
訪問・撮影時
2021年3月
 
 

山中渓駅は地平駅で、東側にしか駅舎・改札口がありません。
西側からアクセスするには約200m北のアンダーパスまたは約270m南の踏切を通って東側へ回る必要があります。
駅舎は平屋建てで古いですが、1930年の開業時からのものかどうかは不明です。
出入口に段差はありません。但し、改札内の跨線橋にエレベーターがありませんので、車いすでは天王寺方面1番のりばを利用できません。車いすで当駅を利用される場合は事前にJR西日本へお問い合わせ下さい。
出入口前には飲料自動販売機と昭和タイプの電話ボックスが設置されています。
駅舎前は実質的に駐輪場として利用されています。
尚、山中渓駅に駅前広場は整備されていません。バス停留所は約30m北(写真右側)に設けられています。
写真は西を望む。

 

尚、訪問は2021年3月でしたが、

この後駅舎は解体され、翌2022年に新駅舎へと改築されました。   
 
 

駅前です。北を望む。左後方に駅舎があります。
駅周辺は山中川の谷で、すなわち「山中渓」です。谷の東西は山々に囲まれています。
駅北側の谷には紀州街道の山中宿をルーツとする集落が形成されています(右前方への道路沿い。左前方は府道64号線)。商店は少ないですが、山中宿本陣跡地などの史跡が残っています。
左側には右から阪和線、山中川、阪和自動車道の順に、手前(南)~奥(北)へと延びています。
また、かつては温泉街としても賑わっていましたが、昭和後期に衰退して現在は旅館が1軒もありません。この状況を打開するために1970年代より地元住民により駅周辺で桜の植樹が開始され、今では大阪府下でも有数の桜の名所になり、桜のシーズンに限っては山中渓駅も大勢の人で賑わうようになりました。
 
 

駅前です。南を望む。右手に駅舎があります。
駅前通り(府道64号。旧紀州街道)沿いには商店や住宅が立ち並んでいますが、私の訪問時、営業している商店は左の食堂1軒でした。
約100m先には山中関所跡があり、その先は民家の数が減少します。また、府道を1.7kmほど南下すると和歌山県へ抜けられます。
そして、約50m先の交差点を左折して、坂道を100mほど登ると「わんぱく王国」に到達します。
 
 

ホームより東を望む。正面には「わんぱく王国」の出入口があります。
「わんぱく王国」は阪南市営の公園です。
Wikipediaによると、「和泉山脈の地形を生かした公園で、ローラーエクスプレスと呼ばれる全長200メートルのすべり台やわんぱく砦と呼ばれる展望塔が存在する」との事です。バーベキューも可能です。
私の訪問時は家族連れが多く見られましたが、ほぼ全てがマイカーでのアクセスと思われました。駅近くなので電車でも便利なのですが、せめて跨線橋にはベビーカー用のエレベーターがほしいですね…。
また、公園内では毎年春に「山中渓桜祭り」が開催されています。
 
 

改札口です。南西を望む。後方が出入口です。
山中渓駅は無人駅で、窓口は閉鎖されています。代わりに「改札口コールシステム(駅集中管理システム)」が導入されていて、窓口部分にインターホンが設置されています。
窓口横に簡易型の自動改札機が1台設置されており、ゲートはありません。
『ICOCA』などのICカードは入場・出場とも対応していますが、磁気券は入場しか対応しておらず、出場時は改札を通って左側にあるきっぷ回収箱に乗車券を投入します。通路は車いす対応幅になっていて、段差がありません。点字ブロックもあります。
改札口の右手前には運行情報表示モニターと簡易型の自動券売機(ICカードチャージ可能)があります。改札外に自動精算機はなく、出場時にICカードの残額が不足している場合は改札外の自動券売機でチャージをしてから自動改札機の出場部分にタッチをする事になります。
尚、山中渓駅構内および駅前に売店・コンビニはありません。ご注意下さい。駅前に食堂はあります(営業日、営業時間は事前に要確認)。
  
 

そして、改札を通ると右前方に1番のりば(上り天王寺方面)に通じる跨線橋(階段のみ)が、右手前に2番のりば(下り和歌山方面)に通じるスロープ(段差なし)があります。2番のりばに限定すれば車いすでも自力で利用可能です。
また、跨線橋の階段の奥にはトイレがあります(汲み取り式。多機能トイレなし)。
 
 

下り2番のりばに設置されている建植式駅名標です。電照式ではありません。
JR西日本の標準デザインで、下部は山吹色になっています。阪和線のラインカラーはオレンジ色で、上屋部分にある吊下式駅名標は下部がオレンジになっています。
山中渓駅の駅ナンバリングは「JR-R 50」ですが、この駅名標には記載されておらず、柱に掛けられている縦型の駅名標のみに記載されています。
 
 

山中渓駅は相対式ホーム2面2線の地平構造で、北北東~南南西方向にホームが延びています。和歌山方の端(奥)は緩くカーブしています。
右ホーム(西)が1番のりばで上り鳳・天王寺方面、左ホーム(東)が2番のりばで下り和歌山方面です。
ホーム有効長は6両分(7両弱)で、1番のりばの跨線橋下にはホームを延伸した跡が見られます。
ホームドアはありません。ホーム幅は全体的に狭いです。
上屋は中ほどの約1両分に設置されています。雨天時の乗降は要注意です。
ホーム上屋下にはベンチがあります。両ホームの天王寺寄りには跨線橋があり、左の2番のりば側に駅舎・改札口があります。2番のりばと改札はスロープで結ばれています。
跨線橋の駅舎側取付部分の直下には構内踏切の跡と思われる階段が残存しています。
写真は2番のりばより和歌山方を望む。
 
 

尚、両ホームの外側には線路が敷設されていたかもしれないスペースが見られます。かつては最大2面4線だったかもしれません。現在、そのスペースの大半には桜の木が植樹されていますが、2番のりばの和歌山方(左奥)には貨物ホーム跡らしき構造物が見られます。
写真は駅舎と2番のりばを結ぶスロープより和歌山方を望む。
 
 

2番のりばより天王寺方を望む。周囲は桜並木です。
この先、阪和自動車道と並走しながら山中川の谷を北上し、山間部を抜けて住宅地に入ると和泉鳥取駅へと至ります。
 
 

1番のりばより和歌山方を望む。
この先、阪和自動車道と並走しながら山間部を南下し、和歌山県和歌山市に入ります。その後は雄ノ山トンネルで和泉山脈の雄ノ山峠を越えて、トンネルを出ると一時的に岩出市に入りますが、すぐに和歌山市に戻り、右へカーブしながら山を下ります。その後は左に和歌山平野を見下ろしながら農村風景の中を西へ走ると紀伊駅へと至ります。府県境かつ山越え区間である事から、山中渓駅と紀伊駅の駅間距離は8.1kmで、阪和線で最長となっています。
 
 
あとがき
私が山中渓駅で下車(乗車)したのは2021年の1度きりです。大阪府南部・泉州地方を乗り鉄した際に立ち寄りました。大阪府にある駅とは思えない、しかも阪和線の駅とは思えない小駅で、無人駅でした。駅前もローカルでした。近くにわんぱく王国がありますが、マイカーでアクセスする家族連ればかりでした。尚、私が訪問したのは3月中旬で、桜は蕾でした。今度は桜が満開の時に訪問してみたいですね。
 
東京からですと東海道新幹線で新大阪駅まで行き、JR京都線の下り電車(新快速以下)に乗り換えて大阪駅で下車します。大阪駅では大阪環状線内回りホームから発車する紀州路快速に乗車して当駅下車です。尚、朝方には当駅を通過する紀州路快速がありますので、その場合は和泉砂川駅で普通にお乗り換え下さい。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、梅田からですと大阪駅から上記のルートで到達できます。難波からですとJR難波駅から大和路線に乗り、新今宮駅で紀州路快速にお乗り換え下さい。余裕で日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店はありません。必ず事前に用意して下さい。
 
特に東京からの到達難易度がやや高いですが、阪和線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は山中渓駅でも途中下車されてみて下さい!
 
(参考:Google地図、Wikipedia)