千頭駅【静岡県】(大井川鐵道大井川本線、井川線。2010年ほか訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

当ブログでは、私の鉄道乗りつぶしの過程や、最近の乗り鉄のレポート等を中心に紹介いたします。


 

 

 

今回の【駅】コーナーは、
静岡県川根本町中央部、大井川沿いに広がる旧・本川根町の中心市街地に位置する大井川鐵道大井川本線と井川線の接続駅で、大井川線の蒸気機関車や電車、井川線のディーゼル機関車や客車が一度に見られる、鉄道ファンにとって楽しい駅である、
千頭駅 (せんずえき。SENZU Station) です。
 
尚、写真は2006年および2010年撮影と古く、現在は状況が変化していると思われます。ご了承下さい。 
 
  
駅名  
千頭駅 (駅番号なし)  
 
所在地  
静岡県榛原郡川根本町 (旧・本川根町)    
 
乗車可能路線  
大井川鐵道:大井川本線井川線【愛称:南アルプスあぷとライン】  
 
隣の駅  
大井川本線  
金谷方……崎平駅  
  
井川線  
井川方……川根両国駅       
 
訪問・撮影時  
2006年2月、2010年12月  
 
 

 

千頭駅は地平駅で、大井川線ホームの終端方に駅舎があります。
駅舎は1992年に改築されたロッジ風の外観を有する一部2階建てで、駅外と駅舎内の間に段差があります。段差は階段とスロープで解消されていて、バリアフリーに対応しています。
右側には2階建てのビルがあり、1階にはSL資料館が、2階には飲食店が入居しています。
千頭駅にはロータリーを有する駅前広場が整備されていて、ロータリー内にタクシー乗り場が、右側の町道上に切欠構造のバス停留所が、それぞれ設けられています。ロータリーにはモニュメントがあります。
上写真は南を、下写真は西を望む。
  
 

 

駅前です。上写真は北西を、下写真は北を望む。
駅周辺は千頭の市街地で、観光客の飲食店など店舗が多いです。
右側には大井川が北から南へ流れていて、対岸の東側にも市街地が広がっています。約300m北に東西を結ぶ大井川の橋があります。
また、西(左)へ進み、井川線の踏切を渡った先には「道の駅奥大井音戯の郷(おとぎのさと)」があります。敷地内には井川線で使用されていた客車が静態保存されています。
 
 

改札口は駅舎内にあり、大井川本線と井川線で改札口は分離されていますが、改札内で繋がっています(井川線は列車別改札のはずで、そのため行き来できない時間帯が存在すると思われます)。
こちらは大井川本線の改札口です。国宝に出入口があります。
自動化されておらず、駅員による有人改札となります。改札ラッチがあります(点字ブロックなし。車いすがギリギリ通れると思われる通路幅)。
大井川鐵道では交通系ICカードは一切利用できません。
改札口の右側にはきっぷうりばがあります。SL列車のチケットも買えます。自動券売機は見当たりませんでした。
また、乗り越し精算が必要な場合は改札口の駅員に申し出て下さい。
改札の先は大井川本線ホームです。各番線とも段差なく移動できます。
トイレは改札内にあります(多機能トイレの有無は不明)。改札外は駅前広場西側(井川線の踏切手前)にあります(多機能トイレの有無は不明)。
改札口の左手前(改札内)には売店があり、おみやげや飲料、菓子を販売しています。
駅舎内には立食い蕎麦店もあります。改札外は駅舎外にカウンターがあり、改札内はホーム終端部にカウンターがあります。
ちなみに駅周辺にコンビニはありませんのでご注意下さい。
そして、改札口の右手前は待合室になっており、きっぷうりば(出札窓口)の右側には後述の井川線改札口があります。
 
 

こちらは井川線の改札口です。南西を望む。
2010年撮影で、当時は崖崩れの恐れがある千頭~奥泉間を計画運休して治山工事が行われており、当該区間はバス代行運転でした。
こちらの改札も有人仕様で、車いすは通行可能です(点字ブロックはありません)。
左側にはきっぷうりばと大井川本線の改札口があります。
そして、改札を通って左へ曲がり、駅舎を出ると井川線ホームです。トイレは改札内にあります。
井川線改札口は大井川本線改札口とと完全分離されていますが、改札内で繋がっていて乗換は自由に行えます(中間改札はなかったはずです)。
改札内コンコースにも待合室があり、ベンチと飲料自動販売機が設置されています。
 
 

大井川本線の建植式駅名標です。
超シンプルなデザインです。手書きと思われます。自駅と隣駅で書体が違います。
 
 

こちらも大井川本線の建植式駅名標です。
書体がナールですが、こちらもシンプルなデザインで、手書きと思われます。
どちらの駅名標も下部には広告が掲示されています。
 
 

 

上写真は群衆で分かりづらいですが、大井川本線は頭端式ホーム2面4線(いずれも島式)の地平構造で、南南西~北北東方向にホームが延びています。
左ホーム(東)の左から1番線・2番線の順、右ホーム(西)の左から3番線・4番線の順で、いずれも上り金谷方面です。
ちなみに2番線が機回し線として使用されており、3番線終端部近くには2番線との片渡り線があります。3番線に到着した蒸気機関車(SL)が方向転換する際は客車と切り離して単機になってからバック運転で2番線へと入ってから本線上でスイッチバックして車庫へ入り、手動の転車台で方向転換してから逆方向に蒸気機関車を連結する形になります。
また、4番線の右側には井川線の6番線があります(後述)。両番線の間には大井川本線の留置線が複数あります。また、どの線路が5番線か不明です(おそらく井川線6番線のホーム反対側が5番線と思われます)。
ホーム有効長は1・2番線が電車6両分、3番線が電車7両分、4番線が電車5両分です。4番線のみ駅舎がせり出している関係で有効長が短くなっています。ホーム幅は全体的に狭く、特に3番線の金谷方(奥)は非常に狭いです。
上屋は各ホームとも終端方(手前側)にあり、駅舎出入口と繋がっています。1・2・4番線は1両弱分、3番線は1両強分にそれぞれ設置されています。
各ホームにはベンチが設置されています。
右側の4番線終端部近くに改札口があります。3番線終端部の延長上には立食い蕎麦店のカウンターがあります。
 
2番線の終端部より大井川本線・金谷方を望む。
 
 

 

上写真は3番線ホームより、下写真は2番線ホームより、いずれも大井川本線の終端方を望む。右から1番線~4番線の順です。
3番線の金谷方(手前側)はホーム幅が狭く、しかも板張りになっています。
また、2番線と3番線の間には片渡り線があり、2番線を機回し線として使用しています。
1番線の右側には大井川が流れており、4番線の左側には大井川本線の留置線と井川線の6番線ホーム・留置線があります。
 
 

3番線より大井川本線・金谷方を望む。左から1番線~4番線の順です。
ホーム端の先で各番線と右側の留置線が合流します。右前方には転車台が見えます。
各番線から留置線へ機関車や車両(電車・客車)を移動させる場合、一旦本線上を金谷方へ進み、スイッチバックして入庫する形になります(出庫時はその逆の動きに)。
この先、住宅地の中を南西へ走り、やがて森の中を通過してから大井川を渡ります。その後は茶畑の中を左へカーブして、トンネルをくぐって再び大井川を渡ると、左側を流れる大井川に沿って茶畑の中を右へカーブしながら走り、崎平駅へと至ります。
 
 

 

上写真は1・2番線より、下写真は4番線より、いずれも大井川線の終端方を望む。
各番線とも車止めがあり、2番線と3番線の終端部の先は改札口と1番線・2番線を結ぶ通路になっています。
4番線終端部の先に改札口と精算所があります。改札を出ずに左へ進むと井川線の6番線ホームです。
また、これより先は井川線が延びていますので、大井川本線がこれ以上延伸されることはないはずです。
 
 

井川線の吊下式駅名標です。非電照式です。
やはりシンプルです。こちらはローマ字表記がなく、隣駅も含めて漢字と平仮名が併記されています。
 
 

 

井川線の千頭駅は留置線群の東端にあり、単式ホーム1面1線です。6番線が振られています。
ホーム有効長は約100mで、長編成の列車にも対応しています(井川線の客車は1両11m程度)。また、客車に対応してホーム高さが低いです。
左隣にある大井川本線用と思われるホーム(5番線?)との段差が大きいです。ちなみに大井川本線用の5番線と思われるホームは使用されません。
ホーム幅は井川線の低床部分こそ狭いですが、高床部分を合わせると結構広いです。
上屋は現在、終端方(手前側)の60m程度に設置されていますが、改札口との間に雨ざらしの箇所があります。雨天時は要注意です。
ホームの高床部分にはベンチがあります。
写真は2枚とも井川線・終端方(大井川本線・金谷方)を望む。
 
 

こちらは6番線より井川線・井川方(大井川本線・終端方)を望む。
6番線の左側には複数の留置線があります。
井川線の客扱い可能ホームはこの6番線のみです。
 
 

6番線に停車中の列車内より井川線・井川方を望む。
ホーム端の右前方には改札口および大井川本線ホームへの連絡通路があります。
また、6番線は発車後すぐに左へカーブしますが、直進してすぐ行き止まりになる機関車用の短い引上線がホーム端付近で分岐しています。車止めの先には駅舎西側のSL資料館が入居した2階建てビルがあります。
そして、言い忘れましたが、井川線は全線非電化です。ディーゼル機関車が客車を牽引(井川方面は推進運転)する方式です(井川方の端には運転台付きの制御客車を連結)。
 
この先、左へカーブして留置線群が本線に収束し、今度は右へカーブしながら千頭の市街地を走ります。そして幹線道路と踏切で交差すると左へカーブして右手に大井川を見て北北東へ走りますが、左手を先ほど交差した幹線道路が並走します。その後は大井川を渡る県道77号線をくぐると左へカーブして、その県道77号線と大井川の間を走りますが、県道77号線を再びくぐると大井川を離れ、住宅が少ない区域を右へ左へカーブしながら走ります。そして住宅地が見えてくると左へカーブして針路を北に取り、川根両国駅へと至ります。
 
 

6番線より井川線・終端方を望む。
ホーム上に井川線の0キロポストがあります。右側には井川線の留置線(側線)が複数あり、さらに右には大井川本線の車両も留置可能な電化された側線が3本あります。
また、6番線のホーム端の先で左へ分岐した線路は転車台に通じています。一方、右へ分岐した線路は右側の側線群と合流します。
その先で転車台の線路と側線群が収束した線路が合流し、さらに先で大井川本線と合流して1線(単線)に集約されます。
すなわち、井川線の線路と大井川本線の線路は繋がっています。ちなみに軌間は両路線とも同じ1,067mmです(井川線はナローゲージではありません)。しかし、車体が小さくドアの位置が低い井川線列車は大井川本線に直通することはなく、逆に大井川本線からも非電化区間を走行可能なSL列車であっても車両限界が小さく急カーブだらけの井川線へは直通できません。
 
 
あとがき  
私が千頭駅で下車(乗車)したのは2006年と2010年の計2度です。2006年は大井川本線と井川線の乗りつぶしのため、そして2010年は大井川本線の車窓風景撮影のため(井川線は2006年にある程度車窓風景を撮影していました)、いずれも乗換駅かつ各路線の終着駅であるため、必然的に乗車(下車)しました。ローカル私鉄の駅ながら2路線の接続駅で、かつ車庫も併設されているため構内は広いです。また有人駅で、立派な駅舎を構えています。駅前は大井川の西岸に広がる市街地で、大井川の対岸にも市街地が広がっています。まぁ、市街地と言っても規模は小さいですが…。
 
東京からですと東海道新幹線で静岡駅まで行き、東海道本線下り浜松方面電車(島田行きを除く)に乗り換えて金谷駅で下車。さらに大井川鐵道大井川本線の千頭行き列車(種別不問。SL急行は別途料金も必要)に乗車して終点下車です。じゅうぶん日帰り訪問可能です(最大滞在時間……11時間少々)。
一方、大阪からですと新大阪駅から東海道新幹線で浜松駅または掛川駅まで行き、東海道本線上り静岡方面電車(掛川行きは除く)に乗り換えて金谷駅下車。以降は上記のルートで到達できます。こちらもじゅうぶん日帰り訪問可能です(最大滞在時間……8時間少々)。
 
食料・飲料について、駅周辺にコンビニはありませんが、駅構内に売店があります。飲食店は駅構内に立ち食いそば店があります。駅前にも数店舗がありますが、気軽に入れるチェーン店はありません。また、観光シーズンは飲食に長時間待ちしなければならない可能性もあります。まぁ心配な場合は事前に用意しておきましょう。
  
東京、大阪とも到達難易度がやや高いですが、
大井川鐵道大井川本線および井川線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は千頭駅でも途中下車してみて下さい!
また、SL列車で千頭駅まで乗車された際は、何もせずに引き返さずに一度は千頭駅構内も観察してみて下さい!
 
(参考:大井川鐵道のHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)