千頭駅にて。DD20形ディーゼル機関車です。
今回は、静岡県中西部を南北に走るローカル私鉄・大井川鐵道の路線で、千頭駅と井川駅を結ぶ山岳路線かつ観光路線、
大井川鐵道井川線(愛称:南アルプスあぷとライン)を簡単に紹介します。
大井川鐵道井川線(愛称:南アルプスあぷとライン)を簡単に紹介します。
井川線は元々現在の中部電力のダム建設に関連して開業した専用鉄道路線でしたが、井川ダムの完成後は大井川鐵道に運営が移管され(施設は引き続き中部電力が保有)、観光路線として営業しています。また、現在は国内鉄道路線で唯一の例となったアプト式のラック式鉄道を採用した区間が存在していることでも有名です。
(Yahoo!地図を使用)
路線名 | 区間 | 営業キロ | 備考 |
大井川鐵道:井川線 | 千頭~井川 | 25.5km | 全線単線。電化・非電化混在(※1)。軌間1,067mm |
踏破達成時・撮影時 | 2006年2月 |
標高299.8mの千頭駅にて。井川線の列車は大井川本線ホームの西側にある6番線より発着します。
井川線と大井川本線は軌間が同じであるものの、直通運転は実施されていません。
ちなみに、大井川本線では「きかんしゃトーマス」号が運転されていて、大人気のようですね。
井川線と大井川本線は軌間が同じであるものの、直通運転は実施されていません。
ちなみに、大井川本線では「きかんしゃトーマス」号が運転されていて、大人気のようですね。
千頭を発車すると駅舎の西側を通り、しばらく走ると大井川沿いへと出ますが、すぐに大井川と離れて千頭地区の中心部を走って川根両国に着きます。
川根両国を発車後は右手に両国車両区を見ながら走り、その後は大井川の峡谷を蛇行しながら沢間、寸又川を渡って土本と北へ進みます。
沢間駅にて。古い駅舎が残っています。
土本を発車後は大井川の流れに沿って大きく蛇行して、東へ針路を変えると川根小山に着きます。川根小山を発車後は北へ針路を戻し、やや長いトンネルを抜けると奥泉に到着します。
奥泉駅にて。寸又峡温泉への玄関口となっています。寸又峡温泉へは大井川鐵道バスに乗換です。
奥泉を発車すると引き続き大井川に沿って山間部を北上し、大井川を渡ってトンネルを抜けるとアプトいちしろに到着します。
アプトいちしろ駅にて。ここで後位にED90形電気機関車を連結します。ED90形は各ボギー台車内にラック歯車を装備しています。
また、ED90形の車庫もあり、日常の検修は全てここで実施されます。
また、ED90形の車庫もあり、日常の検修は全てここで実施されます。
アプトいちしろを発車すると大井川を渡り、最大90.0‰(パーミル)の急勾配を上ります。
そして右手に長島ダムを見ながら走り、勾配を上りきると長島ダム駅に到着します。
電化区間はここまでで、電気機関車はここで解放されます(千頭方面行きは電気機関車を連結します)。
電化区間はここまでで、電気機関車はここで解放されます(千頭方面行きは電気機関車を連結します)。
長島ダム駅を発車すると右手に長島ダムのダム湖である接阻湖を見ながら走り、ひらんだ駅を過ぎると平田(ひらんだ)トンネルを潜ります。
そしてトンネルを出ると右手にはダム建設により廃止となった旧線を見ることができます。
その後は接阻湖(大井川)を渡り、奥大井湖上に着きます。ホームの一部は接阻湖上に出ています。
奥大井湖上を発車後は再び接阻湖(大井川)を渡り、その後は大井川から少し離れた山間部を走って接阻峡温泉駅に到着します。
接阻峡温泉駅にて。当駅を始発・終着とする列車が一部設定されています。
接阻峡温泉駅を発車すると大井川は接阻峡の峡谷区間となりますが、井川線は接阻峡とは少し離れた山間部を蛇行しながら走ります。尾盛を過ぎると関の沢橋梁を渡り、静岡県川根本町から静岡市葵区へと変わります、その後は短いトンネルが連続する区間を走ると閑蔵に着きます。
閑蔵を発車後も蛇行しながら山間部を走り、やがて右手に井川線建設の要因となった井川ダムが見えてくると、ほどなくして終着駅の井川に到着します。
井川駅にて。単式ホーム1面1線で、ホーム部分は終端方へ向けて左にカーブしています。
尚、右側へ分岐している線路は堂平駅へ続く貨物線の休止線です。
尚、右側へ分岐している線路は堂平駅へ続く貨物線の休止線です。
井川駅は山の斜面にあり、木造の小さな駅舎を有しています。標高は686mで、静岡県内で最も標高が高い駅です。
駅から階段を下ると、道路の手前に売店があります。また、井川ダムへも徒歩圏内です。
駅から階段を下ると、道路の手前に売店があります。また、井川ダムへも徒歩圏内です。
井川線では普通列車のみの運転で、しかも全5往復のみの運転です(うち1往復は千頭~接岨峡温泉の区間運転で、ピーク時は接岨峡温泉~井川の区間便が1往復あります)。
本数が少なく、また千頭発井川行きの終列車が13時35分、井川発千頭行きの終列車が前述の列車の折り返し便で15時54分と、終列車が早過ぎるので、乗りつぶしの際は行程の組み立てに細心の注意を払うことが必須です。また、始発列車も千頭9時12分発と遅いです。井川線の乗り鉄は手前の大井川本線も含めて1日見ておく必要があります。
本数が少なく、また千頭発井川行きの終列車が13時35分、井川発千頭行きの終列車が前述の列車の折り返し便で15時54分と、終列車が早過ぎるので、乗りつぶしの際は行程の組み立てに細心の注意を払うことが必須です。また、始発列車も千頭9時12分発と遅いです。井川線の乗り鉄は手前の大井川本線も含めて1日見ておく必要があります。
井川線は非電化で、気動車が使用されていないので、使用車両はディーゼル機関車と客車の組み合わせです。また、車両は小型で、客車のドアは手動式(乗務員が開閉します)です。ディーゼル機関車は千頭方に連結されていて、井川方面行きは制御客車が先頭車両になります。尚、アプトいちしろ~長島ダムのアプト式区間は電気機関車が千頭方に連結されます。この時もディーゼル機関車は連結されたままの状態です。
千頭~井川の所要時間は1時間50分前後で、距離の割に時間を要します。他方、速度が遅いので車窓風景を存分に楽しめます。
最後に、大井川鐵道の普通運賃は割高なので、各種フリーきっぷの利用で割安に乗り鉄できます。但し、フリーきっぷに冬料金があり、冬季の方が割安に乗り鉄できます。
乗換駅 | 乗換路線 |
千頭駅 | 大井川鐵道:大井川本線 |
(参考:Wikipedia)