多宝塔駅【京都府】(鞍馬山鋼索鉄道【鞍馬寺のケーブルカー】。2009年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
京都府京都市左京区中央部、鞍馬寺の境内に敷設されている、鉄道事業法による許可を受けた鉄道としては唯一、宗教法人が運営しているケーブルカーであり、日本一短い鉄道(延長0.2km)でもある鞍馬山鋼索鉄道線の山上駅に相当する(Wikipediaより)、
多宝塔駅 (たほうとうえき。Tahoto Station) です。
 
尚、写真は2009年訪問時のもので古く、現在は状況が変化しています。ご了承下さい。
 
 
駅名  
多宝塔駅 (駅番号なし)
 
所在地  
京都府京都市左京区  
 
乗車可能路線  
鞍馬寺:鞍馬山鋼索鉄道【鞍馬山ケーブル】  
 
隣の駅  
山麓方……山門駅   
  
訪問・撮影時  
2009年8月
 
 

多宝塔駅はケーブルカーの山上駅に相当し、鞍馬山の中腹に駅舎があります。
駅舎は多宝塔礼堂の地下にあり、1階出入口と地下1階改札口の間は階段のみで結ばれています。バリアフリー非対応です。
1階は休憩所になっていて、ベンチが置かれています。
礼堂・駅舎前には広場がありますが、ここは鞍馬寺の境内であるためバスやタクシーの乗り場はありません。
後方に駅名の由来となった多宝塔があります。
写真は南を望む。
 
 

駅のすぐ北側には鞍馬寺多宝塔があります。北を望む。
後方に礼堂・駅舎があり、左前方に本殿金堂方面への参道が延びています。
鞍馬寺の多宝塔は元々、本殿の東側にありましたが江戸時代後期に焼失し、ケーブルカー開通後の1960年、駅前のこの場所に再建されました。標高は370mだそうです。
 
 

多宝塔駅から450mほど参道を登ると、本殿金堂に到達します。
本殿金堂前までケーブルカーが延びていれば便利ですが、ケーブルカーの延伸は難しいでしょうね…。
 
 

 

地下1階の駅舎内部の様子です。2009年撮影。
上写真は南東を、下写真は南を望む。
改札ラッチがありますが、入場専用でした。右側に出口があります。現在は入口が出口も兼ねています。
ちなみに鞍馬山鋼索鉄道では「運賃」は徴収していませんが、寄付金(大人200円・小人100円)を寄進した者だけが返礼としてケーブルカーに乗車できるシステムになっています。寄付金が事実上の運賃ですが、寄付金ですと課税対象にならないそうです。そして、鞍馬寺に入山時は別途「愛山費(事実上の入山料)」の300円が必要です。
当時は改札口左側の駅事務室兼運転室にある窓口で寄付金を募っていましたが、2016年以降は事実上の乗車券である「寄進票」を発売する自動券売機が1台置かれており、ここで寄付金(事実上の)を徴収し、寄進票が出てきます。その寄進票を改札口の係員に渡せばケーブルカーに乗車できます。
尚、改札口は自動化されておらず、交通系ICカードは利用できません。ICカードで寄進票を購入する事もできません。
改札の右側は待合所で、ベンチが並べられています。
そして改札を通って階段を下りるとホームに到達します。ホームの天井には駅名標が吊り下げられています。
付近にお手洗い(トイレ)があるかどうかは確認できませんでしたが、境内各所にお手洗いがあるようです。
尚、鞍馬寺境内に食料を販売している店舗および食堂はないと思われます。飲料自動販売機はあるかもしれません。ご注意下さい。
 
 

多宝塔駅は頭端式ホーム1面1線で、乗降とも同じホームで行います。南北方向にホームが延びています。
ホームは階段状になっていますが、扉部分はフラットになっています。ホーム幅はあまり広くなく、満員電車が到着時は混雑します。
駅部も勾配がきついです。終端部は柵により乗降別に通路が分かれていましたが、今はどうなっているでしょうか?
ホーム有効長はケーブルカー1両分です。線路側には柵が設置されていません。
また、ホーム全体と線路が大屋根に覆われています。
写真は山門方(南)を望む。
尚、車両は2016年に新型の「牛若號Ⅳ」に置き換えられています。
 
 

 

こちらは2枚とも走行中の車内より終端方を望む。
ホーム部も多宝塔礼堂に準じたデザインになっています。
ちなみに鞍馬山鋼索鉄道は軌間800mmのゴムタイヤ式で、中央にはケーブルが見えます。鞍馬山鋼索鉄道はスロープカーなどの類ではなく、立派なケーブルカー路線です。
 
 

車内より山門方(山麓方)を望む。
鞍馬山鋼索鉄道は全長0.2kmと日本一短い鉄道路線ですが、高低差は89mもあり、最急勾配は499‰になっていて、短距離で結構下ります。
また、鞍馬山鋼索鉄道は1両がピストン運行する方式であるため、中間地点に行違いポイントが設けられていません。また、架線は設けられておらず、現在、車内電源は蓄電池であり、両駅で充電する方式を採用しています。
この先、山林の中を急勾配でゆっくりと下ります。あまり眺めは良くありません。両脇には灯籠が並べられており、暗い時間帯は幻想的な風景が展開されると思われます。そして200mほど下ると山麓駅に相当する山門駅へと至ります。距離が近いため、多宝塔駅から山門駅を確認できます。
 
 

終端方を望む。
線路終端部の先には運転室とケーブル巻上装置があります。
ホーム終端部の先は多宝塔礼堂で、改札口があります。2009年当時、出場時は改札口の手前で左へ曲がる順路でしたが、今は改札口を通るルートに変更された模様です。
尚、本殿金堂方面への延伸の可能性はゼロでしょう。直進した先には多宝塔がありますし、費用もバカにならないと思われるので…。
それよりも機器や車両を更新して路線を維持していることが素晴らしいです。
 
 
あとがき  
私が多宝塔駅で下車(乗車)したのは2001年、2009年の計2度です。2001年は鞍馬寺の拝観のため(あくまでも乗りつぶしが第一目的ではない)、そして2009年は鞍馬寺の拝観とともにケーブルカーの写真撮影のため、いずれも終着駅(起点駅)ゆえ必然的に下車(乗車)しました。ライトな構造のケーブルカーですが、鉄道事業法に基づいて運営しているため、立派な「鉄道」路線です。駅そのものは他のケーブルカーの駅と遜色ありませんでした。駅前は当然ながら鞍馬寺の境内ですが、鞍馬寺の中心となる本殿金堂まではさらに登らなくてはなりません。 
 
東京からですと東海道新幹線で京都駅まで行き、奈良線に乗り換えて東福寺駅で下車。そして東福寺駅で京阪本線~鴨東線の出町柳行き電車に乗り換えて終点・出町柳駅まで行き、さらに叡山電鉄の鞍馬行きに乗車して終点の鞍馬駅下車、そして3分ほど北へ行くと鞍馬寺に到達します。拝観料を払って境内に入り、すぐ正面にある普明殿に設置されている山門駅からケーブルカーに乗って終点下車です。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと淀屋橋駅・京橋駅などから京阪本線の特急・出町柳行きに乗車して終点の出町柳駅で下車。以降は上記のルートで到達できます。余裕で日帰り訪問可能です。
(鉄路のみ利用の場合)
 
食料・飲料について、鞍馬寺境内に売店・食堂はないと思われ、鞍馬駅と鞍馬寺の間には食堂があるものの売店・コンビニはありません。事前に用意しておいた方が無難です。
  
東京からの到達難易度もさほど高くありません。鞍馬寺を拝観の際、ケーブルカーにご乗車の機会がありましたらぜひ一度は多宝塔駅も観察されてみて下さい!
 
(参考:鞍馬寺のHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)