那智駅【和歌山県】(紀勢本線【きのくに線】。2021年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
和歌山県の紀伊半島東海岸、那智勝浦町北東部に広がる住宅地に位置する紀勢本線【愛称:きのくに線】の準主要駅で、かつては熊野那智大社や那智の滝など観光の拠点駅だった、
那智駅 (なちえき。Nachi Station) です。
 
  
駅名   
那智駅 (駅番号なし) 
 
所在地   
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町  
 
乗車可能路線  
JR西日本:紀勢本線 【愛称:きのくに線】  
 
隣の駅   
新宮方・亀山方……………宇久井駅   
和歌山方・和歌山市方……紀伊天満駅   
 
訪問・撮影時  
2021年3月
 
 

 

那智駅は地平駅で、西側(山側)に駅舎が設置されています。
東側(海側)には駅舎・出入口はありません。まぁ東側には海岸しかありませんが、東側から駅へアクセスするには駅舎のすぐ南にある地下道を通って西側へ回る必要があります。
戦前の1936年(昭和11年)に改築された2代目駅舎が現在も使用されています。
2代目駅舎は熊野那智大社を模した社殿風のデザインとなっています。出入口に段差がありますが、階段とスロープで解消しています。
また、駅舎の左側には1998年、那智勝浦町営那智駅交流センターが増築されましたが、デザインは駅舎に揃えられています。
駅舎の手前には「道の駅なち(那智駅交流センターを含む)」の駐車場を兼ねた駅前広場があり、バス停留所が併設されています。路線バスは新宮駅と紀伊勝浦駅を結ぶ系統のほか、紀伊勝浦駅と那智山(那智の滝、熊野那智大社方面)を結ぶ系統も当駅前を経由します。
写真は2枚とも東を望む。
 
 

こちらは駅舎の北側に増築された那智勝浦町営那智駅交流センターです。北を望む。右手に駅舎があります。
那智勝浦町営那智駅交流センターは2階建てで、Wikipediaの本文を引用すると、「1階にはくつろぎ広場という、マッサージチェアや飲み物等の自動販売機の設置された休憩室および、地元の農産物を直売する産品販売所や特産品を取り扱う特産品売場などが、2階には町営温泉「丹敷の湯」(入浴料は大人600円、子供300円)があります」との事ですが、特産品売場は現在、北側の建屋に移転していて、館内には土産物売場があります。1階には世界遺産の熊野那智を気軽に体感できる「熊野那智世界遺産情報センター」もあります。
日帰り温泉があり、列車待ちの間にひとっ風呂浴びることが可能です(但し、休業日と営業時間は事前に要確認)。
 
 

駅前です。南を望む。左に駅舎があります。
従来からの駅前はこの南側です。
右(西)へ延びる駅前通り沿いには商店が立ち並んでいましたが、現在営業している店舗は少ないです(ゼロではありません)。
駅前通りを西へ進むと60mほどで国道42号線に出られます(右側に広がる駐車場を通っても国道へ出られます)。
そして駅前通りを左(東)へ曲がるとすぐに地下道の出入口があり、地下道を通り抜けると海岸(丹敷浦)へ出られます(地下道はバリアフリー非対応)。
また、駅周辺は住宅地が広がっていますが、民家の数自体はさほど多くありません。
 
 

駅前です。駅前広場(駐車場)より北を望む。
右手に駅舎と那智勝浦町営那智駅交流センターがあります。
正面にはバス停留所とトイレ・車いす対応トイレがあります。その先には「道の駅なち」の農産物直売所の建屋があります。
「道の駅なち」は那智勝浦町営那智駅交流センターを含めて道の駅に指定されており、農産物直売所や日帰り温泉はあるものの、レストランなどの飲食設備はありません。
また、駐車場の左側を国道42号線が通っていて、その先には山々が連なっています。
北西側の山間部には那智の滝(約8km)や熊野那智大社(約9km)があります。徒歩では遠く、路線バスが便利です。
 
 

また、駅のすぐ東側には那智湾が迫っていて、砂浜(丹敷浦、那智の浜)が広がっています。夏場は那智海水浴場が開設されます。
右側に地下道の階段があります、駅を出て2~3分で海岸に到達するため、列車待ちの間にも散歩が可能です。
 
 

駅舎内です。出入口より東を望む。
以前の那智駅は観光地の玄関口かつ一部の優等列車が停車していたため有人駅でしたが、1985年に無人化されました。左側に窓口があったと思われますが、リニューアル時に撤去されたと思われます。改札口も撤去され、きっぷ回収箱が置かれているのみです。
駅舎内にはベンチ(右側)と時刻表・運賃表、津波避難ルート図があるのみで自動券売機は存在しません。運賃は乗車時に整理券を受け取り、下車時または下車駅でお支払い下さい。また、那智駅では『ICOCA』などのICカードが利用可能ですが、IC処理やチャージも車両側で行う事になります。ちなみにICカードは新宮駅より先のJR東海区間では利用できませんので要注意です。
トイレ・車いす対応トイレは駅舎外のバス停留所北側にあります。駅構内やホームにはありません。
また、那智駅とその周辺にコンビニはありませんのでご注意下さい。最寄りのコンビニは約550m南の「ファミリーマート」です。
そして、改札口跡を通って駅舎を出るとホーム(新宮方面1番のりば)へ出ます。駅舎内と1番のりばの間に段差はありません。紀伊田辺方面2番のりばへは1番のりばに出てから右へ曲がってすぐの場所にある地下道を通れば到達します。但し、地下道には階段しかありませんので、2番のりばはバリアフリー非対応です。車いすを利用して2番のりばで乗降される場合は事前にJR西日本へお問い合わせ下さい。
 
 

下り2番のりばに設置されている建植式の駅名標です。
電照式ではありませんが、反射板を使用しています。
JR西日本の標準デザインで、下部はJR西日本のコーポレートカラーである青に塗られています。
那智駅に駅ナンバリングは導入されていません。
 
 

那智駅は相対式ホーム2面2線の地平構造で、北北東~南南西方向にホームが延びています。
右ホーム(西)が1番のりばで上り新宮・亀山方面、左ホーム(東)が2番のりばで下り紀伊田辺・和歌山・和歌山市方面です。
1番のりばから見て、2番のりばは新宮方(後方)にずれています。
ホーム有効長は1番のりばが6両分、2番のりばが7両分ですが、2番のりばの新宮方1両分は使用されていません。また、線路の有効長は9両分あり、特急同士の行き違いも可能です。ホーム幅は中央部こそ広いですが、1番のりばの和歌山市方(奥)や2番のりばの両端は狭いため、通過列車に注意が必要です。
上屋は1番のりばが新宮寄りの約2両分、2番のりばが中ほどの約2両分に、それぞれ設置されています。上屋も屋根のデザインが凝っています。
2番のりばにはベンチが設置されています(1番のりばは駅舎内のベンチが利用できます)。
写真は1番のりばより和歌山市方を望む。
 
 

こちらは2番のりば(右)より新宮方・亀山方を望む。2番のりばのすぐ右側が海岸です。
1番のりばの新宮方(奥)に面して駅舎があり、駅舎手前側に両ホームを結ぶ地下道があります。
 
 

1番のりばより新宮方・亀山方を望む。1番のりばからは安全側線が分岐しています。
この先、右へカーブして右手に那智湾の赤色海岸を望みながら東へ走ります。そして2本の短いトンネルを抜けると左へカーブして内陸部を北上しますが、すぐに右へカーブして右前方に住宅地が現れると今度は左へカーブして、宇久井駅へと至ります。
 
 

2番のりばより和歌山方・和歌山市方を望む。2番のりばからは安全側線が分岐しています。左手には海が見えます。
この先、左に那智湾沿いの防風林(防砂林?)を、右に畑と民家を見て右へカーブしながら南南西へ走り、県道46号線をアンダーパスすると那智川を渡ります。その後は右手に住宅地を見て左へカーブし、紀伊天満駅へと至ります。那智駅と紀伊天満駅の距離はわずか0.9kmで、近いです。
 
 
あとがき  
私が那智駅で下車(乗車)したのは2021年の1度きりです。紀勢本線を乗り鉄した際に下車しました。戦前に完成した社殿風の木造駅舎が残っていて、風格が感じられました。駅周辺は住宅地ですが、駅の目の前には「道の駅なち」があります。一方、反対側の東側は海岸が広がっています。尚、那智の滝や熊野那智大社へ徒歩で行くのは厳しいです。駅前からも出ている路線バスをご利用下さい(時刻は要確認)。
 
東京からですと東海道新幹線で名古屋駅まで行き、紀勢本線特急『南紀』に乗り換えて終点の紀伊勝浦駅で下車します。そして紀伊田辺方面の普通列車に乗り継いで当駅下車です。普通列車の本数が少なく、また特急と普通列車の接続が悪い場合がありますので事前に時刻をご確認下さい。ちなみに新大阪経由ですと日によっては日帰り訪問できない場合があります(特急『くろしお』に不定期運転の列車があるため)。相当タイトな日程になりますが、日帰り訪問可能です(最大滞在時間:3時間弱)。
一方、大阪からですと新大阪駅または天王寺駅から特急『くろしお』に乗り、紀伊勝浦駅で普通列車に乗り換えれば到達できます。また、少々時間がかかりますが、快速列車や普通列車の乗継でもOKです。同じ近畿地方でありながら結構タイトな日程になりますが、日帰り訪問可能です(最大滞在時間:5時間)。
(飛行機でのアクセスは考慮していません)
 
食料・飲料について、駅前にコンビニはありません。最寄りのコンビニは約550m南の「ファミリーマート」です。一方、飲食店は点在しているものの気軽に入れる店舗はありません。「道の駅なち」にはレストランがありません。事前に用意しておいた方が無難です。
 
東京、大阪とも到達難易度が高いですが、
紀勢本線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は那智駅でも途中下車されてみて下さい!
そして熊野那智大社や那智の滝を観光の際はぜひ紀勢本線をご利用になり、那智駅も観察されてみて下さい!
 
(参考:那智勝浦町のHP、Google地図、Wikipedia)