美作土居駅【岡山県】(姫新線。2017年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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2012年、佐用駅にて撮影。
 
今回の【駅】コーナーは、
岡山県美作市東部(旧・作東町)の、兵庫県との県境に近い山あいの農村地帯に位置する姫新線の駅で、近くには出雲街道土居宿跡があり、姫新線における岡山県内最東端の駅でもある
美作土居駅 (みまさかどいえき。Mimasaka-Doi Station) です。
 
  
駅名
美作土居駅 (駅番号なし) 
 
所在地
岡山県美作市 (旧:英田郡作東町)  
 
乗車可能路線
JR西日本:姫新線
 
隣の駅
姫路方……上月駅 (兵庫県)
新見方……美作江見駅  
 
訪問・撮影時
2017年11月
 
 

美作土居駅は地平駅で、南側に駅舎があります。
木造駅舎で、相当古いです。1936年の開業時より使用されて続けていると思われます。
出入口前には郵便ポストと公衆電話が設置されています。
尚、駅外と駅舎の間に段差はありませんが、改札口が車いす対応幅でない事と、車両(キハ120形)が車いすに対応していない事から(扉にステップあり、車いすスペース未設置)、車いすで当駅を利用して列車に乗るのは困難を伴います。
駅舎の右側に増築されたような建屋がありますが、これはトイレです。出入口は駅舎内(改札外)にあります。
また、駅舎前にはアスファルト敷の駅前広場があり、自動車での送迎が可能です。ちなみに当駅付近にバス路線は存在しません。
 
 

駅前の様子です。南を望む。後方に駅舎があります。
前方に延びるのが駅前通りで、約100m先の突き当たりで県道46号(出雲街道)と交差しています。
駅前は住宅もまばらで田園が見られ、のどかなローカル風景が広がっています。遠方では山々が連なっています。
出雲街道を左へ進むと出雲街道の土居宿跡です。
 
尚、駅北側は線路近くまで山並みが迫っています。
 
 

出雲街道にて撮影。東を望む。
左手には出雲街道土居宿西惣門があります。2001年に復元されました。かつては土居宿の東西の出入口に惣門があったそうです。
西惣門の先には交差点があり、左折して100mほど北上すれば美作土居駅です。
また、前方は旧・土居宿で、沿道には新旧の民家が立ち並んでいて、商店も見られます。史跡も点在しています。
 
 

駅舎内の様子です。北西を望む。左手に出入口があります
美作土居駅は簡易委託駅で、窓口にて近距離きっぷの発売のみを行っています。マルス端末やPOS端末はありませんので、長距離きっぷや特急券が必要な場合はここできっぷを買わずにそのまま列車に乗り、整理券を受け取って下車駅などできっぷを購入して下さい。
駅には自動券売機、自動改札機、自動精算機は存在しません。また交通系ICカード『ICOCA』のエリア外です。
改札口はありますが、簡易委託駅なので改札・集札業務は行っておらず(下車時は車内精算)、そのまま改札を通っても大丈夫です。但し、近距離へお出かけの際は簡易委託駅を維持する意味でも窓口できっぷをご購入下さい。
改札ラッチは残っていて、その先はホームです。改札内外に段差はありませんが、前述の通り幅が狭いので車いすの通行は困難です。
また、駅舎内は待合室になっていて、ベンチが置かれています。右後方にはトイレの出入口があります(多機能トイレなし)。
尚、美作土居駅構内に売店・コンビニはありません。駅前にもありませんのでご注意下さい。
 
 

改札横、駅舎の壁に設置されている駅名標です。電照式ではありません。
姫新線の岡山県内区間では駅舎に掛けられている駅名標をよく見かけます。
JR西日本の標準デザインですが、書体を見ると手作り感があります。
下部はJR西日本のコーポレートカラーである青に塗られています。しかし今は姫新線のラインカラーである朱色に変更されているかもしれません。
尚、美作土居駅に駅ナンバリングは導入されていません。
そして右側には改札口があります。扉を撤去した跡が痛々しいですが、このラッチが残っているのは奇跡です。
 
 

美作土居駅は単式ホーム1面1線の地平構造で、東南東~西北西方向にホームが延びています。
番線は設定されておらず、このホームから下り津山・新見方面、上り佐用・姫路方面の全列車が発着していますので、乗り間違いに注意が必要です。
右側には空地があり、さらに右前方には見えづらいですがホーム跡があります。おそらく昔は現在の1本の線路が下り線で、右側に中線と上り線が存在していたと思われます。貨物輸送廃止や運行本数減少により棒線化されたと思われます。
ホーム有効長は21m級車両(客車や国鉄形気動車)の6両分で、ホーム幅は全体的に狭く、両端は特に狭いです。
上屋はホーム中ほどの駅舎に面した部分にしか設置されておらず、しかもホームの端(車両側)まで届いていないので乗降の際は傘が必須です。
そして上屋下にはベンチが設置されています。
写真は津山方・新見方を望む。
 
 

こちらは佐用方・姫路方を望む。
ホームの新見方約2両分(手前側)は後から増設されたと思われます(増設前のホームは4両対応)。前方の駅舎近くから新見方の端まで増設部分が延びています。幅は狭いです。
左手にはホーム跡が見えますが、ホーム部分には木が植えられていて線路部分には電柱が建ち、使用停止になってから相当年月が経過していると思われます。かつては駅舎側ホームと左側ホームを結ぶ構内踏切が存在していたと思われます。
また右側は貨物ホーム跡で、ホーム跡の上には大きな建物(用途不明)が鎮座しています。
撮影地点のホーム増設部分は貨物側線跡に設置されています。
 
 

佐用方・姫路方を望む。一旦左に寄る線形が以前交換可能駅であった事を物語っています。
この先、右手に土居宿の町並みを、左手に山を見て東南東へ走り、右へカーブすると国道179号をアンダーパスします。その後は美作市立土居小学校を右手に見て走ると左へカーブして山間部に入り、長いトンネルに入るとトンネル内で兵庫県佐用町に変わります。トンネルを出てしばらくすると国道179号をオーバーパスして、国道と並走しながら大日山川の谷を東へ走るとやがて国道179号と踏切で交差してから大日山川を渡り、左手に町並みが見えてくると左手に幕山川が並行するようになり、上月駅へと至ります。津山方面からの一部列車が上月駅で折り返します。
 
 

津山方・新見方を望む。右から山並みが迫ります。
この先、すぐに左から迫る山家川に沿って右へ左へカーブしながら山間部を北西方向へ走りますが、姫新線はカーブが多いです。そして左手に町並みが見えてくると右手には姫新線に引導を渡したとも言われる中国自動車道が並走するようになりますが、すぐに離れて左へカーブすると吉野川(吉井川水系)を渡り、国道179号をアンダーパスします。その後は右へカーブしながら右手に町並みを、左手に田園を見て走り、進路を西南西に変えると美作江見駅へと至ります。
 
 
あとがき
私が美作土居駅で下車(乗車)した事はなく、今回は自動車での訪問でした。1面1線の棒線駅ですが、立派な木造駅舎が残っていて、しかも全くの無人駅ではなく簡易委託駅でした。駅前は閑散としていますが、すぐ南を通る出雲街道沿いには宿場町の面影を残す町並みが見られます。
 
東京からですと東海道・山陽新幹線を乗り継いで姫路駅まで行き、姫新線列車を乗り継げば到達できます。尚、姫新線は概ね播磨新宮駅と佐用駅で運転系統が分断されています。播磨新宮駅および佐用駅での接続は比較的良好です。姫路から西へ行くごとに本数が減少しますので事前に時刻の確認を。じゅうぶん日帰り訪問できます(最大滞在時間:7時間弱)。
一方、大阪からですと大阪駅からJR神戸線(新快速など)で姫路駅まで行き、以降は上記のルートで到達できます。じゅうぶん日帰り訪問可能です。しかし、このルートですと新大阪~姫路で新幹線を利用しない限り東京早朝発と同じ到着タイミングになってしまうので(昼前到着)、早く現地入りするには新幹線の始発で姫路駅まで先行するか、新幹線を利用しない場合は始発からの乗継で山陽本線の上郡駅まで行き、智頭急行智頭線の普通列車で佐用駅まで行けば佐用駅8時台発車の姫新線下り列車に間に合います。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、スーパー、気軽に入れる商店・飲食店はありません(個人経営の飲食店は駅前に点在しています)。徒歩圏内にコンビニはありません。必ず事前に用意して下さい。
 
東京・大阪とも到達難易度が高いですが、姫新線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は美作土居駅でも途中下車されてみて下さい!
 
(参考:Google地図、Wikipedia)