今回の【駅】コーナーは、
東京都豊島区南部に広がる住宅街に位置する路面電車・都電荒川線【愛称:東京さくらトラム】の電停・駅で、東京メトロ副都心線の雑司が谷駅との乗換駅、そして駅名にあるように法明寺鬼子母神堂への最寄駅である
鬼子母神前停留場 (きしぼじんまえていりゅうじょう。Kishibojimmae Station) です。
尚、駅名の読みは「きしぼじんまえ」ですが、鬼子母神堂の読みは「きしもじんどう」です。
電停名 (駅名)
鬼子母神前停留場 (SA 27)
(※) 記事内では「鬼子母神前駅」「鬼子母神前電停」と表記する場合があります。
所在地
東京都豊島区
乗車可能路線
東京都交通局:都電荒川線【愛称:東京さくらトラム】
隣の停留場 (電停・駅)
三ノ輪橋方……都電雑司ヶ谷停留場
早稲田方………学習院下停留場
乗換可能駅
東京メトロ:副都心線……雑司が谷駅まで徒歩8分
訪問・撮影時
2019年11月
各方面ホームの出入口です。南西を望む。
左(東)が早稲田方面ホーム、右(西)が三ノ輪橋方面ホームです。
かつては他の電停と同じように踏切の前方に三ノ輪橋方面ホームが、後方に早稲田方面ホームがありましたが、都市計画道路「環状第5の1号線」の建設工事により停留場(ホーム)が仮設となり、早稲田方面ホームが三ノ輪橋方面ホームの対面に移設されました。
また、都電の直下には東京メトロ副都心線の雑司が谷駅が都電と並行する形で設けられています。
そして「環状第5の1号線」は、都電と副都心線の間の地下を走る本道(片側1車線)と、地上の、都電の両側を通る側道で構成される都市計画道路で、現在工事中です。鬼子母神前駅付近の側道は以前よりありますが、現在改良工事中となっていて西側の側道が通行止めです。改良により歩道が拡幅される予定です。
ちなみに鬼子母神前駅の出入口は早稲田方面ホーム、三ノ輪橋方面ホームとも踏切道に面した1ヶ所のみで、段差のないスロープ状になっていて、バリアフリーに対応しています。
尚、鬼子母神前駅に駅舎・改札口はありません。トイレもありませんのでご注意下さい。
そして駅前広場はありません。駅前にバス路線は通っていませんが、約250m西の明治通り上、約250m南の目白通り上にそれぞれバス停留所が設けられています。
駅前(北西側)の様子です。
踏切の左側に各方面ホームの出入口があります。
南東~北西に延びる踏切道(鬼子母神表参道)沿いには商店街「鬼子母神通り商店睦会」が形成されています。
少し先で道路が二股に分かれていて、大きな木がある右側へ進むと「鬼子母神大門ケヤキ並木」を通り、鬼子母神堂に到達します。ちなみに「大門」らしい門はなく、けやき並木の出入口に商店街のゲートのようなアーチがあるのみです。
二股の左側(直進側)は鬼子母神西参道と名を変えて北西へ進み、明治通りに突き当たります。明治通りを北へ進むと池袋駅東口に到達します。
鬼子母神堂は当駅の約500m北、東京音楽大学の西側に本堂が位置する法明寺の飛地境内にある堂です。永禄4年(1561年)、山村丹右衛門が現在の目白台のあたりで鬼子母神像を井戸から掘り出し、東陽坊に祀ったのが始まりとされます。天正6年(1578年)には現在地に草堂が建立されたそうです。なお当所における正式な「鬼子母神」の表記は「鬼」の上の点がない字体との事です。そして鬼子母神(きしもじん…堂の読み/きしぼじん…駅名の読み)は、仏教を守護するとされる夜叉で、女神ヤクシニーの一尊です。梵名ハーリーティーを音写した訶梨帝母(かりていも)とも言うそうです(Wikipediaの本文を引用)。
ちなみに、駅の北側~西側一帯は池袋から1kmしか離れていないのに…と思うほど閑静な住宅街で、一戸建て住宅も多いです。明治通り沿いにはマンションやビルも見られます。
そして踏切を渡ってすぐ左前方への細い道路を進み、明治通りに出て左へ曲がると「豊島区立雑司が谷体育館・豊島区立千登世橋教育文化センター」内に副都心線・雑司が谷駅の2番出入口(電停から約160m南西。バリアフリー非対応)があります。さらに踏切を渡り都電沿いに約100m南南西(左)へ進むと雑司が谷駅のエレベーター専用出入口が、踏切を渡らずに都電沿いに右(北北東)へ約100m進むと雑司が谷駅の1番出入口(エレベーターあり)に、それぞれ到達します。
駅前(南東側)の様子です。
踏切の右側に各方面ホームの出入口があります。
北西~南東に延びる踏切道(鬼子母神表参道)沿いには商店街「鬼子母神通り商店睦会」が形成されています。
後方に鬼子母神堂があります。
鬼子母神表参道の起点は約250m先の目白通りとの高田一丁目交差点です。
駅の南側~東側にかけても住宅街が広がっていて、一戸建て住宅が多いエリアです。
周辺の再開発はされておらず、全体的に道路は狭くて入り組んでおり、曲がりくねっている道も多いです。
そして、踏切の先で左に曲がり、都電沿いに100mほど歩くと副都心線・雑司が谷駅の1番出入口に到達します。
早稲田方面ホームに設置されている駅名標です。
時刻表、路線図、周辺地図、運賃表と一体になっています。
各所には「都電荒川線」より「東京さくらトラム」の方が先に書かれています。
現在の都電の運賃は一律大人170円 (IC 168円) 、小人80円 (IC 84円) です。
また、駅ナンバリングも併記されています (SA 27)。
ナンバリングの英文字も「東京さくらトラム」の「さ (SA)」となっています。
ちなみに都電荒川線で駅ナンバリングが導入されたのは2017年と、都内の路線では相当遅い方です。
そして、「東京さくらトラム」の愛称は浸透しているのでしょうか?
尚、当停留場の読み方は「きしぼじんまえ」であるのに対し、法明寺の鬼子母神堂は「きしもじん」または「きしもしん」と、読みが異なります(Wikipediaより)。
鬼子母神前駅は相対式ホーム2面2線の構造で、北北東方向~南南西方向にホームが設置されています。
右側が早稲田方面ホーム、左側が三ノ輪橋方面ホームです。ちなみに番線は設定されていません。
前述の通りかつては各ホームが千鳥状に設置されていましたが、「環状第5の1号線」工事関連により仮ホームとなり、早稲田方面ホームが踏切前方から三ノ輪橋方面ホームの対面に移されました。工事終了後も対面ホームが維持されるのかどうかは不明です。
ホーム有効長は1両分で、ホーム幅は狭いですが一定の広さが確保されています。転落防止用の固定柵は設置されていません。
上屋はホーム全体に設置されていますが、出入口のスロープ部にはありませんので要注意です。
出入口は前述の通り、各ホームとも三ノ輪橋方(前方)の1ヶ所のみで、踏切道(鬼子母神表参道)に面するスロープの出入口です。
写真は三ノ輪橋方面ホームより三ノ輪橋方を望む。
こちらは三ノ輪橋方面ホームより早稲田方を望む。
左側が早稲田方面ホーム、右側が三ノ輪橋方面ホームです。各ホームとも後方に出入口があります。
各ホームとも早稲田方(写真前方)に2名分のベンチがあります。
三ノ輪橋方面ホームより三ノ輪橋方を望む。
線路の両側と直下(浅い地下)で「環状第5の1号線」の工事が行われている関係で都電は仮線となっています。
さらに地下深くには東京メトロ副都心線の雑司が谷駅があり、右前方には1番出入口があります。
また、遠方には豊島区役所の入る超高層ビル「としまエコミューゼタウン」やかつて日本一の高さを誇った超高層ビル「サンシャイン60」などが見えます。
この先、下り勾配になり住宅街の中を副都心線と並走状態で北北東へ走ります。そして右へ左へS字カーブを描くと副都心線は左へ離れ、今度は都市計画道路(補助81号線)の中央分離帯に相当する部分を上り勾配で走り、最後は平坦になると雑司ヶ谷霊園への最寄駅である都電雑司ヶ谷駅へと至ります。
三ノ輪橋方面ホームより早稲田方を望む。
少し先の目白通りとの交点まで「環状第5の1号線」の工事が行われています。
この先、すぐに下り勾配になり、左へ右へカーブしたのち目白通りをくぐります(千登世小橋)。その後は左へカーブして右側に明治通りが寄り添うようになり、引き続き下り勾配が続きます。直下を走っていた副都心線は明治通り地下を走るようになります。明治通り西側(右側)は学習院と豊島区立千登世橋中学校の敷地です。尚、この下り勾配の少し離れた東側にはテレビ番組などでも度々取り上げられ、2019年公開のアニメ映画「天気の子」でも登場した「のぞき坂」があります。そして勾配を下りきり、平坦になると学習院下駅へと至ります。
あとがき
私が鬼子母神前電停で下車(乗車)したのは2019年の1度きりです。実現できるかどうかは未知数ですが東京都の全駅を訪問する目的の一環で下車しました。都市計画道路が建設される関係で仮駅になっていました。一方、駅前は閑静な住宅街で、鬼子母神堂の門前町の雰囲気も漂っていました。鬼子母神堂での行事・祭事の際は鬼子母神前電停の乗降客が増加すると思われます。
新宿駅からですと山手線外回り(池袋方面)に乗車して大塚駅で下車。駅前に発着する都電荒川線の早稲田行きに乗車して当電停下車です。あるいは新宿三丁目駅から東京メトロ副都心線(各停)に乗り雑司が谷駅で下車すぐです。余裕で日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと東海道新幹線に乗り品川駅または東京駅へ。山手線(品川乗換の場合は外回り、東京乗換の場合は内回り)に乗り換えて大塚駅で下車。以降は上記のルートで到達できます。もしくは品川駅or東京駅から山手線で有楽町駅まで行き、有楽町線の和光市方面電車に乗り換えて東池袋駅下車、さらに隣接する東池袋四丁目駅で都電荒川線の早稲田行きに乗り継いで当駅下車です。さらに品川下車の場合は山手線外回りに乗り継いでて渋谷駅で下車、副都心線(各停)に乗り換えて雑司が谷駅下車すぐです。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
食料・飲料について、駅前にコンビニは1軒あります。一方、駅前には気軽に入れる飲食店がほとんどありません。事前に用意しておいた方が無難でしょう。
大阪からの到達難易度もさほど高くありません。
都電荒川線を乗り鉄される際は、ぜひ一度は鬼子母神前電停でも途中下車されてみて下さい!
また鬼子母神堂へ参詣の際はぜひ都電荒川線をご利用になり、鬼子母神前電停も観察されてみて下さい。
(参考:東京都交通局のHP、東京都建設局のHP、東京都都市整備局のHP、Google地図、Wikipedia)