大分交通宇佐参宮線・豊後高田~宇佐の廃線跡(大分県豊後高田市~宇佐市。2017年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回は、大分県北部の豊後高田と宇佐神宮を結んでいた大分交通宇佐参宮線(豊後高田~宇佐~宇佐八幡)のうち、国鉄駅に併設されていた宇佐駅から海側の区間、豊後高田~宇佐の廃線跡について簡単に紹介します。


 

宇佐参宮線は国東半島の玄関口である豊後高田および宇佐神宮と国鉄日豊本線を結ぶべく、前身の宇佐参宮鉄道により1916年に全線一斉に開業しました。その後両端駅から延伸構想がありましたが頓挫しています。戦時中の交通統制により大分交通宇佐参宮線となりましたが、戦後20年となる1965年に全線廃止となりました。利用客減なのかその他の要因なのか廃止の理由は分かりませんが…。現在は廃止区間を大分交通の子会社である大分北部バスの路線バスが走っています。

 

今回は日豊本線より海側(北側)の宇佐駅~豊後高田駅の順に廃線跡探訪レポートを超簡単に紹介致します。

 

尚、宇佐駅~宇佐八幡駅跡につきましては探訪できていません。ご了承願います。
また、調査が不十分なことをお詫び申し上げますm(_)m


 

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(Mapion地図を使用。豊後高田~宇佐の廃線跡のみ表示)

 
 

路線名  区間  営業キロ  備考 
大分交通:宇佐参宮線  豊後高田~宇佐~宇佐八幡  8.8km  全線単線・非電化。軌間1,067mm。 

  

 

今回紹介の区間  

区間   営業キロ  
豊後高田~宇佐   4.4km  

  

  

訪問・撮影時   2017年1月  

  

  

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(1)JR日豊本線の宇佐駅にて。豊後高田方を望む。
3番のりばの東側(写真右側)に宇佐参宮線の駅があったと思われます。現在は遺構が残っていません。
保線用車両が留置されている場所に宇佐参宮線の線路があったと思われ、手前側にホームがあったと思われます。


 

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(2)宇佐駅を発車した宇佐参宮線列車はすぐに右へカーブして日豊本線と分かれました。
現在はカーブしている用地境界のみに現役時代の面影を感じる事ができます。


 

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(3)日豊本線と分岐後の廃線跡は写真中央奥の方へ進んでいましたが、
現在は田園や藪に取り込まれ、痕跡が見当たりません。


 

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(4)廃線跡を歩けないのでしばらく迂回して進んでいると、突然小さな掘割が姿を現します。
この道が廃線跡と思われますが、先は藪に覆われており通行できませんでした。写真は豊後高田方を望む。


 

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(4)上写真と同じ地点より宇佐方を望む。中央の砂利道が廃線跡と思われます。
この先は私有地になっているようでした。


 

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(5)再び迂回し、廃線跡へやって来ました。廃線跡は舗装道路になっています。
この付近に封戸駅があったと思われます。


 

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(5)上写真と同じ地点にて宇佐方を望む。廃線跡は非舗装道路のはずですが工事中でした。
写真奥に例の藪があり、その向こうが掘割区間です。


 

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(6)舗装道路となった廃線跡を少し歩くと突然廃線跡が姿を消します。
廃線跡は区画整理事業により田園となり、面影はありません。


 

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(7)みたび迂回して歩き、大分県宇佐市から豊後高田市へ入ると廃線跡が舗装道路となって姿を現します。
田園の中を一直線に進んでいきます。


 

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(8)さらに進むと宇佐参宮線は田笛川を渡っていましたが、
廃線跡の橋梁は残存しておらず、橋台などの遺構も確認できませんでした。
右側の古い道路橋は宇佐参宮線の現役時代より存在していたと思われますが…。


 

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(9)田笛川を過ぎると引き続き廃線跡が舗装道路となって豊後高田を目指します。


 

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(10)しばらく進むと崖に石積みの法面を発見しました。これは宇佐参宮線の遺構かもしれません。
写真は宇佐方を望む。


 

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(11)丘陵地を抜けて平地へ出ると廃線跡は右へカーブしながら進みます。左側には田笛川が流れています。


 

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(12)舗装道路区間が続いていましたが、市街地へ入ったこの付近で途切れます。
廃線跡は右前方の住宅地へと取り込まれていて迂回が必要となります。


 

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(13)水路左側が廃線跡と思われますが、住宅や農地に転用されています。


 

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(14)そして県道29号線と交差すると廃線跡がバス専用道となって姿を現します。
歩行はできません。


 

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(14)県道からバス専用道を見ると奥に豊後高田駅跡が見えました。


 

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(15)市街地を迂回して豊後高田駅跡に着きました。
豊後高田駅跡は現在、大分北部バスのバスターミナルに転用されています。
また、現役当時のホーム跡はバス乗り場に転用されています。


 

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(15)豊後高田駅の駅舎はバスターミナルの待合室として現在も利用されています。


 

(おしまい)

  

  
廃線跡探訪の注意点  

私が大分交通宇佐参宮線(豊後高田~宇佐)の廃線跡を探訪したのは2017年1月の1度きりです。廃止から半世紀以上経過している事もあり、遺構は少なかったですが、豊後高田駅跡が一番雰囲気が出ていたかもしれません。
宇佐~豊後高田の距離は4kmですが、廃線跡を忠実に辿れない区間もあり迂回が必要で、徒歩ですと片道1時間半ほど見ておいた方が良いでしょう。また、本数はさほど多くないですが宇佐駅前と豊後高田駅跡の間には大分北部バスの路線バスが走っているので片道探訪も可能です(時刻は要確認)。

 

食料・飲料について、豊後高田駅跡付近や宇佐駅との中間地点付近にコンビニ、スーパーや飲食店はありますが、宇佐駅周辺にはファミレス以外何もありません。特に時間に余裕のない場合は事前に用意しておきましょう。

 

「昭和の町」として有名な豊後高田の観光ついでに、ぜひ一度大分交通宇佐参宮線の廃線跡も歩かれてみて下さい。

  

  
接続路線  

接続駅   接続路線  
宇佐駅   JR九州:日豊本線  
  
(参考:地理院地図、Googleマップ、Wikipedia)