山陽電気鉄道網干線【山陽網干線】(兵庫県姫路市。2009年訪問)

山陽網干駅にて。3200系電車です。

今回は、姫路市南部の飾磨区から広畑区を経て網干区へ至る通勤・通学輸送がメインの山陽電気鉄道の支線で、当初は赤穂や岡山県方面への延伸計画も存在した「山陽」の社名を実感できる路線、
山陽電鉄網干線(山陽網干線)を紹介します。

尚、姫路市には飾磨区(しかまく)や網干区(あぼしく)と「区」の付いた地名が存在しますが、政令指定都市の行政区とは異なり、単に「○○町△△」の「町」の代わりに用いられているだけです。但し、飾磨区は「市」レベルの人口を擁しています。

(Yahoo!地図を使用)  

路線名	区間	営業キロ	備考
山陽電気鉄道：網干線	飾磨～山陽網干	8.5km	全線単線・直流1,500V電化

(※)軌間1,435mm。      

踏破達成時	1999年8月
撮影時	2009年5月

起点の飾磨駅は櫛形ホーム２面３線の構造で、外側のホームは本線、内側のホームは網干線の列車が発着します。
網干線は両側にホームがあり、山陽姫路方面、神戸方面ともスムーズな乗換が可能です。

また、神戸方面ホームと山陽姫路方面ホームは終端部でつながっており、終端部には「山陽そば」があります。

飾磨を発車すると北西方向へ直進し、右へカーブして山陽姫路へ向かう本線と分かれます。支線である網干線が直進する形を取っている理由の一つとして、山陽電鉄は以前に赤穂・岡山方面への延伸構想があったためと推測されます。社名の「山陽」も、当時の山陽地方への拡大姿勢を示す名残と言えますね。しかし、壮大な計画は実現せず、網干止まりになっています…。

(後方展望)本線と分かれた後は右手に飾磨車庫を見ながら高架区間になり、飾磨港線跡と船場川を渡ります。そして左へカーブして住宅地の中を高架で走ると西飾磨に着きます。

西飾磨駅付近にて。高架区間になっています。臨海部の工業地帯を遠望できます。

西飾磨を発車後は水尾川を渡ります。その後は右手に英賀保の町並みを、左手に臨海部の工業地帯を見ながら走ります。

そして夢前川(ゆめさきがわ)を渡るとすぐに夢前川駅に着きます。

夢前川駅を発車後は地平区間になります。左手にイトーヨーカドーなど商業施設を見ながら右へカーブし、市街地の中を複線分の路盤で西へ走ると、広畑に到着します。

広畑駅にて。新日鐵住金広畑製鐵所の御膝元です。駅周辺は整然とした市街地になっています。

広畑を発車すると左手にカーブしながら住宅街を走ります。

そして新日鐵住金の煙突を見ながら汐入川を渡ると山陽天満に着きます。

山陽天満を発車後は田園も一部残るものの宅地開発の進行している住宅地を西南西へと走り、西汐入川を渡ると平松に着きます。

(後方展望)山陽天満～平松にて。
網干線は、ほぼ全線にわたり複線分の用地が確保されていますが、複線化される日は来るのでしょうか…。

平松を発車後は大津茂川を渡り、引き続き住宅街の中を西南西へ走ると速度が下がり、終点の山陽網干に到着します。

山陽網干駅は頭端式ホーム１面２線の構造で、駅舎・改札との間はスロープで結ばれており段差がないです。

山陽網干駅周辺は市街地になっています。
駅の南側に網干の中心市街地があり、レトロな街並みが近年注目を集めています。

尚、JR山陽本線の網干駅は北へ３kmほどの場所にあり、徒歩連絡は少々しんどいと思います。
網干線を乗り鉄される際は、素直に網干線で飾磨まで戻るのが賢明です。

  
乗り鉄の注意点  

山陽網干線では普通車(普通列車)のみの運転で、全列車が飾磨～山陽網干の線内通し運転です。

概ね毎時4本の運転ですが、朝方と平日夜間は１時間当たり5本程度の運転です。また、早朝と深夜は減便となります。
また、飾磨での本線列車との接続は良好です。

使用車両は3000系、3200系(3200形)の３両編成です。

飾磨からの所要時間ですが、広畑まで７分、山陽網干まで14分です。
また、飾磨での乗換がスムーズな場合、山陽姫路～山陽網干の所要時間は約25分です。

  
のりかえ  

乗換駅	乗換路線
飾磨駅	山陽電気鉄道：本線

  

(参考：Wikipedia)