中国鉄道稲荷山線の廃線跡(岡山県岡山市北区。2009年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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写真は今回の記事と関係ありません。

  

今回は、岡山県を走る吉備線の備中高松駅から北へ分岐し、最上稲荷最寄りの稲荷山駅との間を結んでいた
中国鉄道稲荷山線の廃線跡簡単に紹介します。

  

中国鉄道稲荷山線は、中国鉄道が建設した吉備線から分岐する形で、全線が軌間762mmで1911年(明治44年)に開業し、最上稲荷への参詣路線として賑わいました。後に利用客が低迷し、1929年(昭和4年)には最上稲荷と奥の院を結ぶ鋼索線(ケーブルカー)の開業、軌間を1,067mmに改軌して吉備線との直通運転の実施などの施策を展開しましたが、苦しい状況が好転するまでには至りませんでした。そして太平洋戦争へと突入し、不要不急路線に指定されてしまい。1944年6月に吉備線は国有化されましたが、同時に稲荷山線と鋼索線は廃止されてしまい、レールは即座に撤去されて津山線沿線の軍事施設への引込線へと転用されました。
戦後も復活することなく現在に至っています。今回は稲荷山線についてUPします。鋼索線については機会があればUP致します。

  

尚、今回の区間は徒歩でサラッと辿っただけなので調査が不十分なことをお詫び申し上げます。
また、探訪時期が2009年とかなり以前で、それ以後に変化があるかもしれませんが、何卒ご了承願います。

  
  

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(Yahoo!地図を使用。廃線跡のラインは実際の廃線跡を完全に辿れていません)  

  
  

路線名   区間   営業キロ  廃止日  
中国鉄道:稲荷山線  備中高松~稲荷山  2.4km   1944年6月1日  

  

  

探訪・撮影時   2009年1月  

  

  

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(1)備中高松駅にて。
稲荷山線のホームは吉備線とは平行ではなく写真右側へカーブする形で設置されていたと思われます。痕跡はありません。
終端方は吉備線の岡山方面とレールが繋がっていました。
また、備中高松を発車すると右側へカーブを描いていましたが、宅地開発されて面影が失われました。

  
  

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(2)しばらく進むと、右へカーブする線路跡が姿を現します。

  
  

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(3)廃線跡の東側には、最上稲荷の大鳥居を見ることができます。

  
  

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(3)その後、廃線跡はサイクリングロードに変化します。

  
  

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(4)サイクリングロードには休憩所があります。遺構は見られません。

  
  

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(5)さらに進むと、右側から土手が迫ります。

  
  

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(6)しばらく土手沿いを進むと土手が右側へ離れていきます。
そしてサイクリングロードが終了し、廃線跡は一般道路に変わります。
この地点に平山停留所があったそうです。

  
  

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(7)その後は田園風景の中を進みます。左前方の山の中腹には最上稲荷が見えてきました。
かつてはさらに上にある奥の院まで中国稲荷山鋼索鉄道(ケーブルカー)の路線が延びていました。
⇒中国稲荷山鋼索鉄道【ケーブルカー】の廃線跡探訪記事はこちら

  
  

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(8)さらに進むとカーブしながら最上稲荷に近づいてきます。

  
  

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(9)最後は駐車場の間を道路で通り、最上稲荷への参道入口付近にあった稲荷山駅跡に到着しました。
写真右側の露店が並んでいる空地に稲荷山駅跡がありました。

  
  

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(10)稲荷山駅から最上稲荷へは、道幅の狭いアーケード型の参道を通り10分ほどです。
参道は上り坂となっているので、距離の割には時間がかかると思います。
初詣時は相当な人出だそうです。

  

  

廃線跡探訪の注意点  

今回の廃線跡は距離が2.4kmと短く、徒歩で片道1時間あれば十分でしょう、最上稲荷の参拝と中国稲荷山鋼索鉄道の廃線跡探訪を合わせても4時間あれば全部回れます。

  

コンビニは備中高松駅の南東約600mの場所に1軒あるだけで、飲料・食料の調達は事前に済ませておいた方が良いでしょう。
尚、最上稲荷への参道には食事ができる店が複数あります。但し、営業時間が短めなので要注意です。

  

中国鉄道稲荷山線の廃線跡は概ね平坦で歩きやすいです。遺構はほとんど残っていないと思われますが…。
最上稲荷への参拝ついでに、ウォーキングがてら探訪されてみてはいかがでしょうか?

  

  
接続路線  

乗換駅   乗換路線  
備中高松駅   JR西日本:吉備線  
稲荷山駅   中国稲荷山鋼索鉄道の廃線跡(1944年廃止。山下駅跡まで徒歩15分)  
  
(参考:JTBキャンブックス『鉄道廃線跡を歩くⅥ』、Wikipedia)