清水港線の廃線跡(清水~三保。静岡市清水区。2006年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

当ブログでは、私の鉄道乗りつぶしの過程や、最近の乗り鉄のレポート等を中心に紹介いたします。

イメージ 1

今回は、東海道本線の清水駅から海側へ分岐し、清水港を通り三保半島の先端にほど近い三保駅まで走っていた国鉄のローカル線、
清水港線の廃線跡について簡単にレポートします。

  

清水港線は、1916年に東海道線の貨物支線として一部開業したことに始まり、1944年7月に三保まで延伸されました。そして1944年12月に旅客営業を開始するのに伴い東海道本線から分離独立して、清水港線という路線名が与えられました。
その後は旅客輸送・貨物輸送とも順調でしたが、モータリゼーションの影響により輸送量が減少して赤字に転落。1980年に第一次特定地方交通線に指定され、結局1984年に全線廃止となり、以後の移動は静岡鉄道バスを利用することになりました。

  

尚、今回の区間は自転車でサラッと辿っただけなので調査が不十分なことを、
また写真が少ないことをお詫び申し上げます。
また、訪問時は2006年と古く、当時と現在で廃線跡の状況が異なっていることをご了承願います。

  
  

イメージ 2
(Yahoo!地図を使用)  

  

  

廃止時のデータです  

路線名   区間   営業キロ  廃止日  
日本国有鉄道:清水港線  清水~三保  8.3km   1984年4月1日廃止  

  

  

探訪・撮影時   2006年2月  

  

  

イメージ 3
(1)清水港線の清水駅は、東海道本線ホームの南東側、少し離れた場所にホームありました。現在のホーム跡や貨物ヤード跡は現在、左側の建物、清水テルサ(静岡市東部勤労者福祉センター)などに転用されました。

  

清水駅跡を出発直後は廃線跡が住宅などに転用されていますが、↓

  
  

イメージ 4
(2)しばらくすると道路転用区間に入ります。

  

そして市道が清水港線をオーバーパスすると海側に出て、貨物駅だった清水港(しみずみなと)駅跡に着きます。

  
  

イメージ 5
(3)清水港駅跡は山側が総合商業センター「エスパルスドリームプラザ」の一部に転用され、海側が「清水マリンパーク」として整備されました。
岸壁には貨車と船の間で直接材木の積み下ろしができる「テルファークレーン(テルハ)」があり、現在も保存されています。

  

清水港駅跡を出発後は港湾地区を進みますが、廃線跡は各種施設に転用され、面影がありません。

  
  

イメージ 6
(4)その後は倉庫街の中に廃線跡用地を確認できるようになります。しかし、鉄道の設備は撤去されています。
また、この付近に清水埠頭駅があったと思われます。東洋製罐清水工場へ向けて専用線が分岐していました。

  
  

イメージ 7
(5)その後も倉庫街の中に廃線跡用地を確認しながら南へ走ると、「ちびまる子ちゃん」でも出てくる巴川を渡ります。
巴川の橋梁は可動橋(巴川可動橋)でしたが、廃線後は残念ながら保存されずに撤去されました…。

  

そして巴川を渡り終えると巴川口駅跡に着きますが、静清浄化センターなどに転用されて当時の面影は望めません…。

  
  

イメージ 8
(6)巴川口駅跡を出発後は一部を除き用地が残存していて、倉庫街の中を走る当時の姿を偲ぶことができます。

  
  

イメージ 9
(7)そして左へカーブして国道150号に寄り添うようになると、清水港駅跡近くにあるフェルケール博物館の屋外展示場として、
静岡鉄道清水市内線で使用されていた電車や、清水港線で使用していたと思われるスハフ42形旧形客車などが静態保存されています。
尚、スハフ42形客車は老朽化が著しく、2010年に解体されたそうです。

  
  

イメージ 10
(8)その後、廃線跡は自転車・歩行者用道路(静岡県道377号静岡清水自転車道線の一部)として整備されていて、国道150号に沿って南東へ走ります。
沿道は、海側が倉庫街、山側が住宅街です。

  

そして駒越東町交差点付近で左へカーブして北東へ針路を変え、今度は三保の松原へ向かう県道199号と並走します。しばらく進むと左へカーブして県道と離れ、折戸駅跡に着きます。

   
   

イメージ 11
(9)折戸駅跡は公園として整備されています。

  
  

イメージ 12
(10)折戸駅跡を出発後は次第に港湾地区から離れ、住宅地の中を通るようになります。

  

そして沿道が広くなって公園へ入ると終点の三保駅跡に到着します。

  
  

イメージ 13
(11)三保駅跡も「三保ふれあい広場」という公園として整備されています。こちらにはホーム跡が残されています。

  
  

イメージ 14
(12)レールは三保駅より先に延びて途切れていました。
また、駅構内より西側へは貨物用の専用線が延びていました。

  
  

イメージ 15
(13)三保駅近くの三保半島先端部の主に外海側には
新日本三景のひとつ、日本三大松原のひとつである「三保の松原」があり、
晴れている日は三保の松原と駿河湾、そして富士山も眺めることができます(残念ながら私の訪問時は薄曇りでした)。
尚、三保の松原は2013年に富士山が世界文化遺産に登録された際、構成資産として同時に登録されています。

  

  

廃線跡探訪の注意点   

今回の廃線跡は、8.3kmと徒歩では微妙な距離で、自転車での探訪が楽です。自転車ですと2時間あれば往復できます。
私は清水駅前の清水銀座商店街の店舗で自転車を借りました(料金不要)。

  

また、徒歩の場合は3時間ほどあれば片道踏破できるでしょう。路線バスの時刻は事前に確認を。

  

廃線跡は一部辿れない区間もありますが、終端方の巴川口駅跡~三保駅跡は自転車・歩行者専用道路として整備されているので辿りやすいです。

  

世界遺産に登録された三保の松原への訪問がてら、ぜひ一度探訪されてみてはいかがでしょうか?

  

  
接続路線    

駅名   接続路線  
清水駅   JR東海:東海道本線  
  
(参考:Wikipedia)