四日市あすなろう鉄道八王子線(三重県四日市市。近鉄時代の2009年ほか訪問)

西日野駅にて。260系電車です。

今回は、三重県最大の都市・四日市市の住宅地を走る元近鉄の特殊狭軌線【内部・八王子線】(軌道間隔はナローゲージの762mm。新幹線などが採用している標準軌[1,435mm]に対して半分強の幅)のうち、支線に相当し、現在は日永～西日野の１区間だけになってしまった
四日市あすなろう鉄道八王子線を紹介します。

尚、以前は近鉄八王子線で、特殊狭軌線の内部・八王子線は乗客減による存廃問題で将来が不透明でしたが、
2015年４月１日より施設を四日市が所有し、運営が第三セクターの四日市あすなろう鉄道へと移管されました。
私が乗った印象では、乗客が極端に少ないという印象はなかったのですが…。

(Yahoo!地図を使用)  

路線名	区間	営業キロ	備考
四日市あすなろう鉄道：八王子線	日永～西日野	1.3km	(※1)

(※1)全線単線・直流750V電化。軌間762mm。        

踏破達成時	2001年9月
撮影時	2009年3月ほか

(※)写真は、近鉄時代に撮影しました。       

八王子線の電車はすべて日永駅から内部線に乗り入れ、ターミナル駅であるあすなろう四日市駅まで運転します。
あすなろう四日市～内部線から八王子線が分岐する日永までは、昼間帯でも毎時４本運転と、利便性が高いです。

あすなろう四日市駅から赤堀駅を経由して日永駅までは、市街地～住宅地の中を走ります。
日永駅の手前で右へ分岐して、さらに右へカーブする時、日永駅に到着します。

日永駅にて。当駅の手前で内部線から分岐し、ホームはカーブしています。直進する線路は内部線・内部方面です。
八王子線ホームの向かい側には内部線のあすなろう四日市行き電車が停車します。
当駅にて八王子線・西日野方面と内部線・内部方面の乗換が可能で、ほぼ全ての列車ですぐの接続となり便利です。

日永を発車すると内部線と分かれ、市道をアンダーパスして田園の混在する平坦な住宅地を西へ進みます。

途中、左手には西日野～伊勢八王子を廃止へと追い込んだ天白川の堤防が見られます。
また、遠方には四日市コンビナートの煙突も見られます。

やがて左へカーブして西南西へ針路を変え、引き続き田園の残る住宅地を進みます。
写真の地点は2009年当時は更地でしたが、現在は住宅が建っているようです。

やがて正面に天白川が迫ると、現在は終着駅となった西日野に到着します。

西日野駅は単式ホーム１面１線の構造で、終端部に改札口・駅舎があります。
到着した電車はあすなろう四日市へ向けて折り返して行きます。

西日野駅の終端部にて。

かつてはこの付近で右へカーブして天白川の左岸へと出て旧・西日野駅に到着。その後も天白川沿いを走行し、現・西日野駅から1.7km先にあった伊勢八王子駅まで線路が延びていたのですが、昭和49年、集中豪雨による天白川の氾濫で河岸を走っていた八王子線が不通となり、そのまま西日野以遠が廃止となりました。

もう、復活することはなさそうです…。

余談ですが、西「日野」といい、伊勢「八王子」といい、東京都多摩地域西部の地名が四日市で複数存在しているのが面白いですね。

⇒西日野～伊勢八王子間の廃線跡探訪記事はこちら。

  
乗り鉄の注意点  

八王子線では普通電車のみの運転で、すべての電車が内部線へ直通し、あすなろう四日市～西日野間の運転です。
データイム～夜間にかけては完全な30分間隔の運転で、深夜を除きほぼ終日毎時２本の運転です。ラッシュ時は若干増発されます。

また、前述のように日永駅での内部線・内部方面電車との乗換が双方向とも便利で、「乗り鉄」にとっては負担が軽減されることと思います。

車両は内部線と共通で、260系電車の３連が主体ですが(４編成は３連、１編成は２連)、すべての編成に旧型車両が１～２両混在しています。

あすなろう四日市～西日野の所要時間は、下り８分、上り９分です。日永～西日野の所要時間は、上下線とも３分です。

  
のりかえ  

乗換駅	乗換路線
あすなろう四日市駅	近畿日本鉄道(近鉄四日市駅まで徒歩5分)：名古屋線(桑名・近鉄名古屋方面)
あすなろう四日市駅	近畿日本鉄道(近鉄四日市駅まで徒歩5分)：名古屋線(津・伊勢中川方面)
あすなろう四日市駅	近畿日本鉄道(近鉄四日市駅まで徒歩5分)：湯の山線
日永駅	四日市あすなろう鉄道：内部線 (内部方面。あすなろう四日市方面へは直通運転)
西日野駅	近畿日本鉄道：八王子線(伊勢八王子方面。1976年廃止)

  

(参考：Wikipedia)