『しくじり先生 俺みたいになるな!!』は、個人的に「おおっ」っと思える授業をする人が、まったく出てこなくなってしまった。
最近しくじり先生として出演する方たちは、しくじりを克服した(挫折や不遇のときを乗り越えて、いまうまく行っている)のではなく、現在も頑張っている途中だからだと思う。
オリエンタルラジオとはんにゃの回が、私はすごく心に残ってるんですけどねー……。
この前、中山功太さんがしくじり先生として出演。
久しぶりに見た中山さんを見て思ったのは、「あれ? 太ってる」。
R-1ぐらんぷりで優勝、という輝かしい受賞歴があるものの、
現在は月収22円(から源泉税が引かれて、手取り20円)、借金500万円だそうで。
R-1ぐらんぷりって、みんながみんな、優勝した人がそのあとテレビで何度も見かけるようになって、売れていく、ってわけじゃないんですよね……。
そういえば、だいぶ前に別の番組で中山さんが出てるの見たことがあったなぁ。
そのときは、ルミネで単独ライブできるのは、お客さんがちゃんと呼べるような芸人だけ、とか、月収4万とか5万くらいだと自ら暴露したりしていた。
そのときよりさらに月収下がったのか……。
中山さんの口から語られたのは、まわりに「おもんない」と言い続けることで、自分のプライドを保とうとした。
いろんな人を否定してしまった。そんな自分が一番おもしろくなかった、と。
平成ノブシコブシの吉村さんに、「同期の中じゃエリートですよ」と言われて、
中山「だからもう、マコーレ・カルキンみたいなことですね」
例えが絶妙。笑
昔、おもしろくないと思っていた人がリストになっていたんだけど、これがときどき実名入りの、なかなかの鋭利な発言で。笑
アイドルっぽいことをしてる芸人、「これはキングコングですね」とか、しゃべれって言われる場に出てるのにしゃべれない芸人を「かもめんたる」と言ったり。
昔のウーマンラッシュアワーの村本さんのことを「思想家になる前」とか。
もう、借金500万もある状態だと、自棄っていうか、捨て身でガンガン話せるようになるんだろうね。笑
教訓は、
「否定するより行動しよう!」
中山「おもしろくないと否定することって、簡単なんですよね」
自分はずっと簡単なことをしていた。
でも、否定される側の人は、おもしろくなれるよう、必死に行動していた。
中山「おもんないおもんないと言ってる人は、広い視野を持って、広い心を持って、おもんないと思ってることに踏み込んで、おもしろいに変える努力をする。そういう行動を起こすことが大切なのではないでしょうか」
オリラジやはんにゃの回のときのような、心がちょっと揺れるようなものは感じなかったけど、なんていうか、ブラックな感じでおもしろい芸人さんだなーと思った。少々、心に歪みのありそうな人にも見えたけど。笑
教室に入ってくる前に、オードリーの若林さんから、「芸人界の闇」と言われていたけど。
自分の闇を笑いに変えるような芸人さんですね。しくじり先生って、自虐が上手な人は聞いてるこっちが暗い気持ちにならない。(ほら、自虐を言う人の自虐的な話って、あまり長く聞きたくないもんじゃないですか)そういうのがほとんどない。
でも、ああいう芸人さんって、見てる人たちに好かれるタイプかなーと思うと、違うような気がするんですよね。
前にも書いたけど、(この記事参照。最後のほうです)芸人さんのネタでもトークでも、毒っ気とか、攻撃的なものは、最近あまりテレビで見なくなったなーと。
でもこういう人もテレビで見たいなぁ。決しておもしろくない芸人さんではないと思うんですよ。
この番組、YouTubeにアップされてて(これ著作権的にダメだから、そのうち動画が削除されると思うけど)、
そのコメント欄に、
「中山功太嫌いやったけどこれ見て変わったわ 泣きそうなったわ、がんばってくれ」
とか、
「しくじり先生史上、5本の指に入る神回」
とか、
良かったって声が多いんですよ。
深夜番組とかどうよ。『ゴッドタン』の腐り芸人セラピー。あれに適役ではないでしょうか。
この文章をテレビ東京の『ゴッドタン』関係者が見ますように。笑
ちなみにこの番組、AbemaTVで見られるので、見てない方はぜひ。おすすめしておきます。