泳ぐ写真家龍之介 -82ページ目

「文鳥は畳が似合う」

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文鳥は、江戸時代に東南アジアから輸入されて飼いならされたそうです。

原種は桜文鳥に近く、

白文鳥は、突然変異のアルビノ種を掛け合わせてできたようです。

原種は、現在でも元気に、東南アジアの水田を荒らしまわっているようです。


写真は昨年13歳で☆になった「龍之介先生」ですが、

白文鳥は、畳がよく似合います。

とても日本的で、文学的だと思います。


詩人で彫刻家でもあった高村光太郎が彫った文鳥の木彫りを

妻の智恵子が、いつも懐に入れていたそうです。

文鳥を見ると、この話を思い出します。



「皇帝と女スパイ」

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emperor





写真上は、第二次世界大戦中の満州国皇帝、溥儀のポートレートです。
オリジナルです。

多分、

当時中国に居た、私の祖父が撮ったと思われますが、
直接聞く機会がなかったので、確証はありません。


溥儀の別名は、「ラスト・エンペラー」。
ベルトルッチ監督の同名の映画は、
アカデミー賞で、9部門を受賞し、坂本竜一の映画音楽でも有名になりました。
彼のおかれた当時の状況が、彼の憮然とした表情に見て取れます。


この写真は、どちらかというとスナップ的に撮られているようです。
35mmカメラで、多分ライカでしょう。



写真下は、やはり満州国の女スパイで、
東洋のジャンヌ・ダルクと呼ばれた
川島芳子の写真です。これもオリジナルプリントです。


集合写真の一列目の女性のアップが、下の写真です。
川島芳子は、当時天津で中華料理店も経営して繁盛していたそうです。
戦後、日本に協力したかどで、中国政府に処刑された悲劇のヒロインです。
彼女も、映画「ラスト・エンペラー」に登場していました。


祖父は、集合写真の中で、川島芳子といっしょに写っています。
この写真は、現地の写真館のカメラマンが撮影したようです。
プリントサイズは、ほぼ、8×10インチです。カメラも8×10インチだと思います。


数年前に、ある記念館に、全く同じプリントがあることが判明しました。
現存するのは、2枚だけのようです。


彼女は、当時、女スパイとして男勝りの戦士的なイメージがありました。
そのためか、残っている写真は、
軍服を着て厳しい表情をしたものばかりです。


最近、そのイメージは作られたものであるという説が出てきました。
本当は、とても女らしい、やさしい女性だったと言われています。
この写真を見る限り、その方が正しいような気がします。


昭和の激動期に大国の思惑に翻弄された彼女の悲しげな笑顔が、とても哀れです。



写真は、いろんなことを語りかけてくれます。



「青島(チンタオ)1930年代」

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この写真は、今から約70年前の、

中国は、青島(チンタオ)の街角のスナップです。
当時、青島は、ドイツ租界といって、
ドイツの治外法権的な領土だったそうです。


この写真は私の祖父が撮ったものです。
母は、この青島で生まれ、子供の頃は中国語の方が上手かったといいます。
祖父は当時、中国で、三井物産の綿花取引部門であった(東綿)トーメンで
綿花の買い付けを担当していました。


祖父は、道楽家で、カメラ収集と写真撮影が趣味でした。
この写真は、多分、ローライフレックスで撮影されたものだと思います。
引き伸ばし機がなかったようで、
ベタ焼きが数多く残っています。
当時は、写真撮影というと、大きな蛇腹式のカメラを三脚に乗っけて撮るという、

大掛かりな撮影方法が一般的でした。


小型、中型の携帯が可能なカメラがほとんどなかった時代です。
あったとしても、ローライフレックスとかライカという、

当時、家が買えそうな高価なカメラばかりでした。

ですから、当時のスナップ写真というものは、

ほとんど現存していません。


祖父は、ドイツ租界にいたので、

なんらかのコネで、ドイツ製のローライと35mmカメラを手に入れたのでしょう。

35mmカメラは確認できていませんが多分、同じドイツ製のライカだったと思います。


祖父母が亡くなって、多くのプリントが私のもとに送られてきました。
それを、時間があると、デジタル化してレタッチ(修復)しています。
経年のせいか、定着液の不良が原因なのか、
オリジナルはモノクロなのに、変色しています。


最初、この変色を、クリアーなモノクロに補正したのですが、
どう比べても、この変色して、定着ムラのあるセピア調のプリントの方が味があります。
オリジナルは6cm×6cmの小さなプリントですが、
大きく伸ばしても、なかなか味のある描写力です。
絵画のようにも見えます。


映画でいうと、リドリー・スコット監督か、
ジャン・ジャック・アノー監督の世界ですね。

まだまだ修復は続きますが、
随時、発表していきたいと思います。