泳ぐ写真家龍之介 -103ページ目

「中古車ディーラー」

私の住居の周辺は、東京でも有数の外車中古車ディーラーが多い地域だ。

駅に歩いていく途中に、環八があって、そこに点在している。

その中にトヨタの系列会社が経営するショップがあって、

メルセデスベンツやアウディ、ワーゲン、BMWの中古車を扱っていた。

あまり売れていないようで、同じ車がしばらくそのままになっていたりしていた。

ちょっと価格が高かったようだ。


最近、はっとして、そのショップを見たら、

えらく殺風景になっている。

車はたくさんあるのに、これはなんだ?と思ってよく見たら、

その店はレクサスの中古車専門店として衣替えしていたのだ。

レクサスは車種が少ないとは言え、改めて見ると

ほんとうに地味で華がない。


欧州車を売っていた頃は、遠くから見ると

お花畑のような、華やかさとにぎやかさがあったのだが、

レクサスになって、モノトーンのイメージになってしまった。

それに、レクサスの中古車ってこんなにも出回っているのかと思うほど、数が多い。

推測だが、人気もあるが、飽きられるのも早いのではないのだろうか。


人間が無意識で感じる印象というのは、

結構本質に近いと思う。

私は、クラウンの方がとても日本的で親近感が持てて好きだ。

華もあると思う。

あの神社仏閣的イメージがたまらない。

しかし、レクサスは蒸留水のようだ。


レクサスはグローバル化の無機質的象徴のような気がする。


「美容整形」

わたしは、美容整形に反対ではない。

その人が、美容整形で、性格が明るくなり、

人生にプラスに働くようであれば、結構なことだと思っている。

整形の技術も日進月歩で、相当発達してきて、安全になっていると思うのだが。

 

私の回りに若い頃に整形をした人で(多分そう思う)、

最近になって不気味な顔になっている人がいるので、気になっている。


人間の顔は微妙にバランスをとっていて、

老化すれば、そのバランスを保ちながら、皮膚がたるんだり、筋肉が衰えてきたりする。

目じりだけが20代のままでいる40代の女性なんていないはずだ。


 

素人考えだが、

整形を施した部分の老化のバランスはどうなるのだろうか?

もし、シリコンを注入していたり、樹脂を入れていた場合、

その部分は劣化を免れるかもしれないし、肉体より劣化が早いかもしれない。

しかし、その場合、顔の皮膚や筋肉との微妙なバランスは、明らかに崩れる。

バランスを保っている顔のバランスが少しでも崩れた場合、目立つし、不気味だ。

それが、いわゆる美形だった場合には、不気味さは倍増する。

それに異物に対する拒絶反応も出て来る可能性がある。


前述の方も、そんな感じだった。


美容整形医は、10年、20年先のことまでは保証しないはずだし、

多分大丈夫でしょう!ということしか言えないと思う。

「絶対に大丈夫です」なんて言う医者はいないはずだ。


私が恐れているようなことが、起こり始めると、

美容整形手術を抵抗なく受ける人が相当いるだけに、

これはちょっと怖いと思う。


 

私の知り合いの眼科医に、

現在ポピュラーになっているレーザーによる視力矯正手術のことを聞いてみた。

彼はこうアドバイスしてくれた。

「あの手術が世にでて、20年経つが、そろそろ、いろんな臨床データが集まってくるはずだ。こういう技術は最低20年経たないと、どういう結果を招くかわからないものだ。もし手術を受けたいのなら、もうしばらく待った方が良いだろう」


美容整形も例外ではないような気がする。


「続・前」

昨日の「前」という写真だが、

私にとっては、見たことのある光景なのだ。


イタリアロケに行くときに、アリタリア航空のお世話になることになった。

スポンサーのひとつでもあるのだが、

基本的に、ロケスタッフは「空いた席」に座らされることになっている。

その便はほぼ満席で、

私はなんと、パーサー控え室に座ることになった。

最初は「え~!」と思ったが、

行ってみると、結構広くて快適だった。

おまけに、パーサーたちは、動き回っているので、

控え室は、がらがらだった。


結構、待遇がよくて、ワインやビールやおつまみをたくさんくれた。

しばらくすると、

あるパーサーが、面白いものを見せてやると言って

私を、あるキャビンに案内してくれた。


そこで展開したのが、

この光景だった。

そこは操縦室だったのだ。

もちろん、前方に飛行機が迫っているようなことはなかったが、

前方には、ANAミラノ便が飛んでいた。

当時は、ANAもアリタリアも、

ほぼ、同時刻に成田を離陸して、仲良く連れ添ってミラノに飛行していたのだ。

さすがに撮影は禁止だったが、

しばらく、そこにいた。

貴重な経験だった。

おそらく現在では、テロ対策等で厳しくなって、

客を入れるなんて、とんでもないことなのだろう。


アリタリア航空は、雰囲気が良く、

悪く言えば、ルーズだった。

私は、こんな会社は大好きだが、

ルーズさが祟ったのかどうか分からないが、

最近、破産同然になってしまった。