部屋の中の部屋。
後ろにいるその患者の訓練法にはまったく触れず、レジで1枚のリストを見せられ、簡単な説明を受けた。全部で十種類くらいのコースがあったが、10-15万円くらいで内容はどれも似通(にかよ)っていた。学生の身分ではとても支払えないとすぐに判った。
続いて暗闇に促(うなが)された。それは部屋の一角にある、いわば部屋の中の部屋。視力検査をするので、縦長部分はちょうど5Mあるのだろう。バックライトが点(つ)き、端(はし)には見慣れた【C】の表だった。
当時の視力は“0.3”で、航空試験に必要な“0.7”にはとても足りなかった。それでも何故か、何かのきっかけで治るような気はしていた。
暗室の視力検査の結果は“0.03”だった。
続いて暗闇に促(うなが)された。それは部屋の一角にある、いわば部屋の中の部屋。視力検査をするので、縦長部分はちょうど5Mあるのだろう。バックライトが点(つ)き、端(はし)には見慣れた【C】の表だった。
当時の視力は“0.3”で、航空試験に必要な“0.7”にはとても足りなかった。それでも何故か、何かのきっかけで治るような気はしていた。
暗室の視力検査の結果は“0.03”だった。
おもちゃのような患者
真ん中のベンチに座っている患者は、カチャカチャ動くメガネを掛けさせられていた。
メガネ屋で、レンズを探すときに使う検査用メガネ。黒丸型の鉄板で左右が交互に閉じられ、そのモーター音が辺りに聞こえていた。
おもちゃのように思えたのは、しばらく開け放った片側の目が焦(じ)れたように閉じて、反対が開く、その板の音がだった。
メガネ屋で、レンズを探すときに使う検査用メガネ。黒丸型の鉄板で左右が交互に閉じられ、そのモーター音が辺りに聞こえていた。
おもちゃのように思えたのは、しばらく開け放った片側の目が焦(じ)れたように閉じて、反対が開く、その板の音がだった。
視力回復センター
そのうちの一つ、視力回復センターへ見学の予約をした。行ってみると雑居ビルの5階にあって、縦(たて)にくっついた古びた看板が不安を助長(じょちょう)させた。
窓のない鉄の、音のする扉を開くと、普通のマンションよりはいくらか広かった。その薄暗い部屋には病院の待合室(まちあいしつ)が川の字に並んで置かれてあり、その奥にレジカウンターのような受付があった。
窓のない鉄の、音のする扉を開くと、普通のマンションよりはいくらか広かった。その薄暗い部屋には病院の待合室(まちあいしつ)が川の字に並んで置かれてあり、その奥にレジカウンターのような受付があった。