そのために稼ぐ。
たとえば成長したければ、じぶんより優れたひとと付き合うべきだという。
何をもって優れたというのかはあくまで個人の感想で、しかもじぶんの望んだ特定の分野だったりするのだけれど。
基本的にその優れたひとというのは、優れていないひとと付き合う理由がない。
だからもしそんなひとと付き合うなら、じぶん自身がまた別の分野で優れている必要がある。
もし彼らがそれに対して興味を持ってくれたとき、お互いを高めることになるだろう。
それ以外にも、僕たちが普通にやっていることがある。
それは金銭を支払うこと。
こうして、なにかしら金銭を用いるのをおおっぴらにすることに、抵抗を感じるひともまだまだ多いのかもしれない。
でもじぶんに投資して先生に教えを乞(こ)う、あるいは様々なものに出合ってじぶんを幸せにするのは極めて当然のこと。
だって、そのために稼いでいるのだから。
普通の人はあんなにしゃべりません。
FAL公演まであと1ヶ月ほどになりました。
今回僕は舞台の演出として参加しますが、もともとは映像系の俳優なのでなんとかそのまま出演者の演技を観客に届けるようにしたいんです。
舞台といっても今回はとてもプライベートな空間を模索していて、席数も限られているので今までの経験がより活きるはずだと考えています。
舞台は基本的にセリフが多いです。セットも映像と比べるとシンプルです。
だから映像の演技をそのまま持ち込むと違和感が生じるのですね。
普通の人はあんなにしゃべりませんから。
しばしば「舞台演技」という言葉は大げさ、オーバーな芝居という意味でネガティブに使われがちです。
でもちゃんと台本の質が高く俳優がそれを理解できていれば、そのような大きな間違いは起きないと思っています。
ところで出演者でない多くの関係者が、俳優に何を求めているのか、それを理解するのも俳優の役目のひとつ。
でもその立場になってみないと、やはり本当のところは解らないんですね。こんなに近いのに!
また新たな発見をする場所に出合えました。毎日ワクワクします。
本名:渡部徹(わたなべとおる)
だんだんとFALで演出することになったりして、自分のなかで区別するため本名を使っていました。
それを現在でもそのまま使用している訳ですが、
俳優: 渡部 遼介(わたべ りょうすけ)
演出家: 渡部 徹(わたなべ とおる)
これはもちろん僕が俳優を始めた時に、当時すでに有名な渡辺徹(わたなべとおる)さんがいらっしゃったからです。
俳優座養成所を出て初めて俳優事務所に入り、本名をそのまま使うかどうかを社長と相談していたころ、同じ事務所の先輩である平泉成(ひらいずみせい)さんから名前をいただきました。
そもそもぼくがそこの事務所に入りたいと願ったのは共演したいと熱望していたからで、どうやったら一緒にカメラの前に立てるんだろう? といろいろ考え、結局同じ事務所に入ればいいじゃん! と単純かつ明解な理由でお会いすることができたのです。
俳優の演技が時代や年代によって流行があるなか、平泉さんの演技はとても若い感覚でたいへんに興味を持ったのです。