六本木は陸の孤島だった。なにせ通っている電車は日比谷線一本だけ。働き始める前、遊びに行くのはたいてい渋谷からタクシーだったけれど、電車で行くときは恵比寿から乗り換えた。
けれど今は大江戸線も通っているらしい。すごい進化。
日比谷線のあの裏寂れた駅は綺麗になったのか?
六本木と言えばアマンド。道を挟んで誠志堂書店、そのはす向かいの蕎麦屋。外苑東通りを神谷町に向かって入ると右手にbobbymaggiesさんの働いていたロアビル。
bobbymaggiesさんて有名人かって? いえ、僕のアメーバ仲間です。ロアビルにそんな名前のディスコがあったのを知っていたら通です。
その道向かいの奥に、今はなくなってしまったらしいスクエアビル。外苑東通りを乃木坂に向かうと軟派野郎の御用達ホテルアイビス。
ちなみに僕は硬派です。多分。
ちなみに僕がどこで働いていたかは永遠の謎です。
あ、アマンドと言えば顧問をしていたMO氏は何年か前に亡くなったらしい。南無。だいぶ後に聞いたのでお葬式にも行っていない。南無。
「○○さん、それ、犯罪」
「何が」
「高校二年生、犯罪」
「誰が」
「○○さん」
「何で」
「何でって、高校生は犯罪でしょ」
「好かれたもんはしょうがなかろうもん」
そう、その頃の僕の彼女は高校二年生だった。
「○○さん」クロークの女性スタッフが呼びに来る。そのちょっと不機嫌を表しそうで、ぐっと抑えている顔でなぜ呼ばれたかが分かる。
「○○ちゃん、髪切った?」僕は取って付けたような言葉を発する。
「切ってません」
後ろから見る髪はいつも通りベリーショートだ。
「だよね~」
「おお、何人だ?」
「二人か」いわゆる顔パスである。
「あ? 三人? なんだその紛らわしい指二本は」
「ん? ピースサイン? いらん」
入ればただで飲み食い放題。レジを預かる人としては複雑だろう。それに僕とクローク係の女子たちは年齢も近い。何で高校生? そんな気持ちもあったかもしれない。
気まぐれにDJブースに入ることもあった。僕は仲間たちに言われた。
「○○さん、ワンパターン」
自分で皿を回せば好きな曲になるのは当たり前。
アニタ・ワードの「リングマイベル」
僕はたとえば、シェリル・リンの「ガット・トゥ・ビー・リアル」のようなソウルフルな曲が好きだったから、これはお気に入りには入っていなかった。でも、割と好きな曲ではあった。アニタ・ワードは日本人受けしそうな可愛い顔をしている。
「私のベルを鳴らして」
少しエッチな曲らしい。
理由はさっぱり分からない。
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アニタ・ワード「リング・マイ・ベル」




























