授業の一つにあったのだけれど、鉛筆だけで描くものと、鉛筆で描いた後にアクリル絵の具「リキテックス」で仕上げるものの二つがあった。
机の上に被写体を置いてじーっと見ながら描き進めるのだけれど、人間はやはり二つの目でものを捉えているんだなあって事を実感した時間だった。
右目と左目では、当然捉えている画像が違う。だからこそ二つが合わさって遠近感のある画像が認識される。
自分の腕時計を描いたときなどは特に苦労した。金属ベルト部分の一つ一つの繋がり具合とか手前が表面で、向こう側には裏が見えているその切り返しの部分でかなり時間を要したりした。
よく見ようとして左右の目を交互につぶると、そのもの自体の角度が変わってしまって違う画像になるのだから手に負えない。
これが写真を見ながらだったらこんなに苦労はしなかっただろうなあ。左右の目を交互につぶっても、左右に動くだけだから。
文字盤の文字はもちろん、光の映り込み、陰の具合、文字盤に記されたメーカー名、とことん描いていく。
例の同じ漢字を長時間注視しているとその漢字の各部分がバラバラに見えて、その漢字が何という文字であったかわからなくなる「ゲシュタルト崩壊」ではないけれど、被写体を見つめすぎて自分が何を描いているのか分からなくなるときがあったりした。
そんなときは外に煙草を吸いに出る。
学校の庭に落ちていた蜂の死骸、煙草の吸い殻、枯れ葉、そんなものを描いたけど、素材は個人の自由だった。
名前は忘れてしまったけれど、スーパーリアルイラストレーションを描く日本の男性作家がお気に入りだった。
何でこんなに写真みたいに描けるんだろうと、僕は圧倒された。
その先駆者といえば、PARCOの初期の広告を手がけた山口はるみだろうか?
だけど、僕はこの人の絵に感動したことは、残念ながらない。
山口はるみの作品 拡大できます!

後年、僕は自分の描いた作品を押し入れから引っ張り出して見たことがある。
上手すぎる……。
まあそれは、描くという修行をやめてしまったからそう見えたのだろうけれどね(苦笑)
スーパーリアリズム(超精密描写絵画)の第一人者
Richard Estes (リチャード・エステス)の作品
写真にしか見えないでしょ! ぜひ拡大して見てね!

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