風神 あ~る・ベルンハルトJrの「夜更けのラプソディ」 -102ページ目

「どうぞやめないでって、バッキャロ!」

捻り鉢巻きをした赤提灯の主人は、カウンターの向こうで顔をくしゃくしゃにした。その目の周りは、僕のごちそうしたビールで、ほんのりと朱に染まっている。

唐突ですが、ちょっと話を止めます。
お酒を飲むと頬や耳たぶが赤くなる人と、目の周りが赤くなる人、あるいは僕みたいに全く顔色が変わらない人がいるのは何でだろう?
どこかに原因があるんだろうけどね。

意味もない中断をしてしまいました。実話は続きます。

「どうぞやめないでって、何をだよ、バッキャロ! なあ、○○ちゃん」
笑いすぎると苦しくなるけど、マスターの顔はまさにそんな感じだった。

「どうぞやめないでって……クックッ」

いや、マスターあれは……
楽しみを奪ってはいけないのではないかと、僕は事実を口にすることができずに半笑いになっていた。

「どうぞやめないでって、エロいんだよ。なあ、○○ちゃん」
まだ言ってる。どこまで行くんだろうこの人……。
でも、楽しみを奪ってはいけない。

この歌を聴くと、ひどく懐かしく思い出すひとがいる。そのとき、僕の胸はちくりちくりと痛む。

そんな歌のひとつやふたつは、みんなあるんだろうね。


昭和を彩った和製ボサノバの最高傑作です。丸山圭子さん、埼玉は浦和の出身です。
ちなみにボサノバって音楽ジャンルは、ひどく歴史が浅いのはみなさん知っていましたか?

作詞・作曲・歌:丸山圭子/どうぞこのまま



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1番好きな音楽アルバム ブログネタ:1番好きな音楽アルバム 参加中

今はもうCDを買うこともないからアルバムといわれても頭を悩ますのだけれど、ちょっと思い出したことがあるので書いてみようかな。

「○○ちゃん、これ友達に焼いてもらったんだけどさ、この歌詞の部分なんて作れる?」
そう、CDについている表紙&歌詞のあの小冊子のことだ。

僕がまだディスクワークをしている頃の話で、お互いちゃん付けで呼び合う同僚の女性がこの話を持ちかけてきたんだ。

パラパラとそれをめくった僕は答えた。
「できるよ」
「ホント?!」
「でさ、俺のも焼いてくれる?」
「分かった。お金かかるかな?」
「いや、紙は両面印刷のでいいから在庫はあるよ。0円」

僕はスキャナーで表紙を読み込み、各ページをパソコンで打ち込んでいった。長いホッチキスなんてないから普通ので止めた。これはデザイン学校に通っていた頃の技が生きた。

仕事の合間だから2日ぐらいかかっただろうか。僕はできあがったそれを見せた。

「すごーい!」
「でしょ」

本物と並べてみないと分からない程の、中国のバッタものをしのぐ出来映えだった。

それが宇多田ヒカルの「Distance」だった。
このアルバムの曲たちは良かった。



その後も頼まれてコブクロのアルバム「ALL SINGLES BEST」の冊子を作った。

「ここにしか咲かない花」良かったな。たくさん泣いた。
ひとりぼっちの部屋でたくさん泣いた。

あの優しかった場所は今でも
変わらずに僕を待っていてくれていますか


ううん、誰も待っていなかったんだよ。




ここにしか咲かない花/コブクロ



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「和楽器バンド」って割と好きで前々からよく見てるんだけど、ブログに取り上げるのは初めてかな?
YouTubeの再生回数 34,319,218って半端じゃないなあ……

ボーカルの鈴華ゆう子(すずはな ゆうこ)ってなかなか美人だ。確か茨城は水戸の出身で詩吟の師範だったと記憶してます。

ご存じの通り、千本桜ってたくさんの桜が植えられている、いわゆる名所のこと。

歌舞伎だったかな? その演目に「義経千本桜」っていうのがあるけど内容はまったく知りません。

なんだかんだと言いながら、今年もまた、桜の咲く季節がひたひたと近づいてきましたね。

今夜の東京、ちょっとだけ雪が舞いました。



和楽器バンド/千本桜



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前回、「ちんちんにさ……」発言で在らぬ疑いを掛けられた友人のシーンから再開です。

─輪ゴムの謎 ②─

そいつが懸命に否定しても、誰も信じない。
「違うんだって」
のけぞったまま誰も近づかない。友情はかくも壊れやすい。

「銭湯でさ、な、な、聞いてくれよ」必死の訴えにも誰もが無言だった。

「変な人がいたんだよ」

「変な人?」
「そうそう」
「お前のちんちんがおかしくなったんじゃなくて?」

「俺のは関係ないよ。でもさ、そいつのちんちんが絡んだ話なんだ。聞きたいだろ」
「変なちんちん?」
「聞けよ!」

「じゃあ聞こう。どんな人?」淋病・梅毒疑惑を掛けられた男の立場はくるりと逆転した。

「それがさ……」
そいつが長い机に前屈みになるのに引き込まれるように、僕たちも前屈みになった。



僕たちが使っていた机は長かった。ただ座って授業を受けるだけなら楽に4人は座れる長さだった。
それが、以前書いた精密描写程度ならひとりから2人ぐらい、製図板やT定規などを持ち出すと完全にひとりで使った。

「そうだ、言っとくけど、俺うんこなんか踏んでないからな」
「なに?」
「エンガチョだよ」
「根に持つねー」
「あれ? 怒っちゃったの?」

「ていうか、お前んとこのエンガチョはああだったの」
「違う?」
「俺んところはさ、こうだ」

そいつは人差し指に中指を絡めて言った。
「エンガチョ切った! 絶対こうだよ。なあ○○」
「俺の田舎にはエンガチョなんてなかったよ」
「日本は広いなあ」
そう、僕はエンガチョなんて知らなかった。でも、この頃の仲間たちはよく使っていた。

「銭湯の話はどうなったの」僕は話を戻そうとした。
「おっかみさーん! 時間ですよー!」
「パーパラ、パーパラッ♪」

「みんなして混ぜっ返すねー」



「じゃあ、本題に戻そう。ちんちんにさ」
そいつがさらに前屈みになるのに引き込まれるように、僕たちもさらに前屈みになった。さながら秘密の作戦会議だ。

「輪ゴム巻いてた人がいるんだよ」
「ちんちんに輪ゴム?!」
「お前さ、声大きいんだってば」

「ちんちんに輪ゴム?」
「おいおいおい、耳元で囁くなって」そいつは大きくのけぞって耳たぶをこすった。

「感じるだろ」
「感じねえって。なあなあ、こいつ変態じゃね」
「いい勝負じゃないの」
「誰と?……なあなあ、何でみんな俺を見てんだよ!」



「時間ですよ」



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葬儀も終わり、自宅にお線香を上げに来る人たちに丁寧に頭を下げた。
ちっちゃい頃から僕も通った個人病院の女医さんも来た。

風邪を引き、母に連れられてその病院に行った。脱脂綿に茶色い薬をつけて喉に押し込まれるのがイヤだった。
苦かった。苦しかった。
何で大人はこんな事をするのだろうと思った。

また、ある日のことだ。便秘だったのだろうか?
子供が便秘なんてするのだろうか?

僕は浣腸をされた。
そして、その女医さんや看護婦さんや母親の見ている前でうんちをさせられた。
だから、とても幼かったのだろう。
けれど、僕のプライドは傷ついた。

ぴゃーっと浣腸液が出た。

そして僕は言った。「出ない」
これはウソだった。

先生があきらめ顔をした。隙を見て病院のトイレに行った。
うんちがたくさん出た。

「出しちゃったの?」
「うん。出た」

おそらくはうんちを検査したかったのかもしれない。
これが傷ついた幼い僕の力一杯の抵抗だった。

方法というものがあるだろう。ちっちゃい子供にだってプライドがあるのだ。



もちろん若い頃のことだけど、きつい言葉も投げつけた。
電話を叩き切ったこともあった。

父が親子の縁を切ると言っている。それを口にする母は電話の向こうでおろおろとしていた。

「親子の縁? いらんわそんなもん!」


皆が寝静まった深夜も、僕は線香を絶やさないように燃やし続けた。
「母ちゃん……」
あぐらを掻き、ひとり酒を飲み続けた。


作詞:ちあき哲也
作曲:杉本眞人 歌:すぎもとまさと/吾亦紅



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隔てるのは距離だろうか、それとも君と僕に見えている景色の違いだろうか。

あるいは、それぞれに流れる時間だろうか、それともそれとも、ちょっぴり離れたふたつの心だろうか。

それよりも何よりも、冬だから暖まらなくちゃ大変なことになるんじゃないの?

ほら、手が冷たくなってるじゃないか。
馬鹿だな、手袋もしないで。




作詞:岡本おさみ 作曲:吉田拓郎 「歌ってよ夕陽の歌を」



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仕事場に電話が入ったのは、夜も遅い頃だった。

「死んだ」

ゆっくりと息を吸った僕は「そぉ……」と、ため息混じりの声を出し、唇を引き結んだ。電話を掛けてきた兄も、哀れなほどに沈んでいた。

母親が死んだからといって、さっさと仕事を中断することができないのが飲食業の定めだった。安定したよほどの大手ではない限り、ぎりぎりの人数でこなすことを要求されるからだ。

切符がなかなか取れなかった僕の帰郷は遅れた。

空港に着いた僕は実家に電話をした。出たのは叔母だった。
「○○ちゃん、姉ちゃんはもう行くとよ」
「待ってくれ、待ってくれ!」僕は受話器を握りしめた。

「○○ちゃん、葬儀屋さんが来て、みんなが姉ちゃんを早く焼こうとするとよ」
「待ってくれ……」人目もはばからず、僕は泣いた。

結局僕は、母の死に目にも会えず、死に顔さえ見ることが叶わなかった。
僕を待っていたのは骨壺に収まった母だった。

僕はまだ30代も前半だった。
なんと短いつきあいだったのだろう。
僕の子供を待ち望んでいた母に、孝行のひとつもできなかった。

その後、生まれたばかりの娘の顔に、僕は母を見ることになる。
あの日の出来事を、僕は忘れることがない。


なぎらけんいち「永遠のきずな」



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神 はじめに天地を創りたまえり

何事においても〝原初〟はじめというときがある。

我が子が初めて微笑んだ日を憶えているだろうか。
お座りをした。はいはいをした。自力で立った。伝い歩きをした。両手を前に上げてヨチヨチとこちらに向かって歩いてきたあの日を。

トイレトレーニングが功を奏して、やっとオムツがとれた喜びの日を。

同じく何事においても〝結末〟最後というときがある。

成長した子供は恋をして、結婚して、子をもうけ、親がそうしたように我が子の結婚を祝い、孫をかわいがり、やがて老いて死んでゆく。

はじめがあり、終わりがある。
それは恋においても人生においても同じことなのだろう。

最後の桜、最後の日差し、最後の紅葉、最後の雪、最後の笑顔、最後の言葉、最後の後ろ姿、最後の手の温もり……。



最後、それは予期せぬ時に訪れたりするのだろう。
それでも僕たちは、明日を信じて生きてゆく。まだ来ぬ明日、来ないかもしれない明日を信じて。


時間がないため皆さんのブログへ訪問ができません(゚ー゚;
言葉を吟味する時間もありませんので、ここのところ書きっぱなしの乱文ですみません。

え! いつもと変わらないって? スマソ( ̄Д ̄;;

作詞:作曲:歌/中島みゆき「わかれうた」


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生きているといろんな出来事に遭遇する。

もう立ち直れないかと思われる事にも出会ったりするし、明日がこなければいいのになんて、心の底から思う日もあったりする。

笑っている人を見ると、異星人でも見ているような不思議な気がして、ただ普通に笑えるって、なんて幸せなことだったんだと呆然と見つめたりする。

けれど僕は生きているし、これからも生きていく。

きっと。


作詞:作曲:歌/吉田拓郎「今日までそして明日から」




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この時間に雪になっていないということは、明日の電車は大丈夫かなあ。

東京の電車はいつになっても学ばない。冬は雪だって降るのに、もう、グダグダになる可能性があるのに学ばない。
それはそう、僕のように……。

突然だけれど、イソップ童話のアリとキリギリスという話はみんな知っているよね。

夏の間、冬の食料を蓄えるためにアリたちは働き続け、キリギリスはバイオリンを弾き、歌を歌って過ごす。



やがて冬が来て、食べ物を探したけれど見つからないキリギリスは、最後にアリたちに乞い願い、食べ物を分けてもらおうとするんだ。

だけど、「夏には歌っていたんだから、冬には踊ったらどうだい?」とアリたちは食べ物を分けることを拒否して、キリギリスは飢えて死んでしまう話だ。

僕はアリだろうかキリギリスだろうか。

君はアリだろうかキリギリスだろうか。

キリギリスは愚かしく見える。けれど、こつこつと働いたアリたちには慈悲がないように見える。
どちらが正しくどちらが間違いとも判断しかねる。

だって、キリギリスのように好きなことして生きていきたい。
でも、アリのようにこつこつと働かなければ生きていけない。

一つ目は希望であり、二つ目は現実である。

僕はキリギリスより働くけれど、アリほどは計算できないし、働き者でもない。だけど、それなりの慈悲はある。

でも、それはたぶん何の役にも立たないことを僕は知っている。

僕はキリギリスのようなアリになりたい。
うん、アリのようなキリギリスではなくね。


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作詞:作曲:歌/吉田拓郎
「どうしてこんなに悲しいんだろう」