
今はもうCDを買うこともないからアルバムといわれても頭を悩ますのだけれど、ちょっと思い出したことがあるので書いてみようかな。
「○○ちゃん、これ友達に焼いてもらったんだけどさ、この歌詞の部分なんて作れる?」
そう、CDについている表紙&歌詞のあの小冊子のことだ。
僕がまだディスクワークをしている頃の話で、お互いちゃん付けで呼び合う同僚の女性がこの話を持ちかけてきたんだ。
パラパラとそれをめくった僕は答えた。
「できるよ」
「ホント?!」
「でさ、俺のも焼いてくれる?」
「分かった。お金かかるかな?」
「いや、紙は両面印刷のでいいから在庫はあるよ。0円」
僕はスキャナーで表紙を読み込み、各ページをパソコンで打ち込んでいった。長いホッチキスなんてないから普通ので止めた。これはデザイン学校に通っていた頃の技が生きた。
仕事の合間だから2日ぐらいかかっただろうか。僕はできあがったそれを見せた。
「すごーい!」
「でしょ」
本物と並べてみないと分からない程の、中国のバッタものをしのぐ出来映えだった。
それが宇多田ヒカルの「Distance」だった。
このアルバムの曲たちは良かった。

その後も頼まれてコブクロのアルバム「ALL SINGLES BEST」の冊子を作った。
「ここにしか咲かない花」良かったな。たくさん泣いた。
ひとりぼっちの部屋でたくさん泣いた。
あの優しかった場所は今でも
変わらずに僕を待っていてくれていますか
ううん、誰も待っていなかったんだよ。

ここにしか咲かない花/コブクロ
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