こんにちは。

 

ブログの更新も今月2回目。

 

なかなか進まなかったけど「Wired」について取り止めもなく綴っています。

 

 

ジェフ・ベックの名盤「Wired」は全曲で8曲収録ですが、個人的に一番好きなのはM2「Come Dancing」っていう曲です。

 

何がいいのか、、イントロからのドラムが心地いというか、めちゃカッコよくてそれだけでノックダウン!

 

まさにそんな感じです。

 

ドラムは多分、全曲を通してナラダ・マイケル・ウォルデンが担当してて、この曲もそうだと思ってましたが、よくよく見てるとエド・グリーンの名前もクレジットに上がってたからどうなんだろう、、。

 

16ビートのカッティングとジェフのファズっぽいディストーションサウンドが本当に最高です。

 

本作と前作「Blow By Blow」はジェフベックにとって世間一般で一番初めのピーク期と言われてます。

 

使用ギターはそれまでギブソンレスポールが多かったのがだんだん、フェンダーのストラトが中心に、今現在のスタイルに近づいてきた時期なのではないかな、、と思います。

 

元々レスポールが好きだったのかもしれませんが、ヘンドリックスに影響されたのかなと思います。

 

 

E・クラプトンもですけど当時のブルース、ロック系統のギタリストはみんなそうだったイメージがあります。

 

第二期Jeff Beck Group時くらいからストラトが活躍する頻度が増えてますよね。

 

ヘンドリックス以外にもジェフ・ベックはモータウン系とか当時のブラックミュージックにめちゃ影響されててそれでストラトを選んでたって言うのもあるでしょう。

 

’60年代後半から黒人系の音楽がすごく影響力を持ってたと思うので流行りに敏感だったのですね。

 

他の収録曲だと「Led Boots」、「Blue Wind」はリードパートは明らかにストラトサウンドと言う気がしますが、この曲「Come Dancin'」は雰囲気的にまだレスポールだったのでは、、と考察したりするんですが。

 

アルバムのジャケット自体もストラトを弾いているイラストですが、裏面にはレスポールを弾いている写真が載っていますよね。

 

 

’80年代以降はストラトキャスターをフィンガーピッキングで、かつヴォリュームノブやアームを複雑に操作しながら唯一無二の音の世界を構築したジェフ・ベックですがこの’70年代のレスポールをピックで弾くスタイルも大好きです。

 

またいつかお話できたらと思っていますが、前作「Blow By Blow」リリース時のプロモーションツアーでマハビシュヌ・オーケストラとダブルヘッドライナーで行ったU・Sツアーの音源があったんですが、その時のピック弾きのジェフのトーンが個人的にめちゃ好きでした。

 

そしてバンドのメンバー、プロデューサーも「Blow By Blow」時のメンバーが関わりつつ、「Wired」から加わった新しいメンバーも混在していて面白いです。

 

 

「Blow By Blow」の時はジョージ・マーティンと手探りで新しいソロ作品の音を探りつつ、本作制作時にはもっとジェフ自身も色々、自分の思いやアイデアを試したかった、、っていうのもあるんでしょうか。

 

レコーディング初期段階の楽曲、多分「Gooby Pork Pie Hat」はそうだと思うんですが、マックス・ミドルトン(key)、リチャード・ベイリー(Dr)らのバンドサウンド、「Blow By Blow」の延長線上みたいな雰囲気ですが、「Blue Wind」や「Led Boots」はマハビシュヌオーケストラのナラダ・マイケル・ウォルデン(Dr)、ヤン・ハマー(Syn)も加わって本作ならではの勢いや荒々しい雰囲気を感じることが出来て、その辺の聴き比べも本作の聴きどころなんじゃないかな。

 

プロデュースも前半はG・マーティンが担当してましたが、後半からヤン・ハマーになってますね。

 

「Blow By Blow」と「Wired」を聴き比べてみて、先に出された「Blow〜」の方が洗練された感があって、かえって「wired」の方があんまり造られていない荒々しさが目立つのが面白いですね。

 

10代の頃は激しいアレンジが主流の「Wired」が個人的には気に入っていて「Blow〜」はロックが主流でありつつスG・マーティンの個性でトリングスが加わったりファンク色も強くちょっと印象が薄かったのですが、いろんなジャンルの音楽を聴いてみると30代のの今はトータル的に「Blow〜」の方が完成度が高いのかな、、とか色々考えています。

 

 

当時のインタビューなど見てると、ジェフ的にもG・マーティンをリスペクトしてるけど、どうしても自分の趣向、その当時の流行に合わせてもっとハードなフュージョン作品にさせたかったのを意見が折り合わず、袂を分かち合った、、的な感じで書かれてました。

 

まぁその決断も、本作の商業的、芸術的成功を考慮したら適切だった、、ということかな。

 

 

ちょっと話が飛ぶんですが、「Blow By Blow」の制作前にジェフはあのローリングストーンズ加入のお誘いがあったそうです。

 

M・テイラー脱退後のリードギタリスト募集中だった時期の事です。

 

一応オーディションもやるけど、後釜はほぼほぼジェフで決定って事で。

 

そしてそのとっても名誉あるオファーを蹴ってまで、G・マーティンと創った久しぶりのソロアルバムは最高の出来で、一気にロックギタリストのスターダムにのし上がって、、

 

その当時の事を「もしあの時加入してたら、俺は今頃、天下のローリングストーンさ!」

 

って言っていたなぁ。インタビューで。

 

しかしそんなG・マーティンとのパートナーシップもわずか2作で解消。

 

それも恐れず新しい作品を作り続ける情熱って本当に凄いなーって感心します。

 

 

2枚のアルバムによる商業的成功からイギリスの片田舎に大量のビンテージカーを収納できる豪邸を購入。

 

プライベートでは「Wired」発表の’76年に両親が死去。

 

この’74年から’76年くらいの間このジェフ・ベックの人生って本当に凄かったんだなぁ、、まさに激動って感じですよね。

 

ジェフ本人にとっても忘れられない時期なのではないでしょうか。

 

またギターやジェフ・ベック関連の記事を書いていきたいです!