涼風文庫堂の「文庫おでっせい」461 | ryofudo777のブログ(文庫おでっせい)

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私が50年間に読んだ文庫(本)たち。
時々、音楽・映画。

<エドモンド・

ハミルトン>

 

1391「暗黒星大接近!」 

キャプテン・フューチャー

エドモンド・ハミルトン
長編   野田昌宏:訳  早川文庫
 
 
太陽系内の全テレバイザー通信機に、
突如、ひとりの異様な人物の姿が現れた。
 
怪人ザロ博士だ!
 
「巨大な暗黒星が、太陽めがけ刻々接近しつつある。
人類を救う道はただ一つ、九惑星の支配権を全て余に与えよ!」
 
人々はたちまち大恐慌におちいった。
 
頼みの天文学者たちは次々と行方不明。
 
<太陽系防衛団>と名乗る敵の一味を相手にまわし、
火星、海王星、冥王星と、
おなじみフューチャーメンの面々の大活躍がはじまる。
 
だが、不覚にも敵の手に捕えられ、
かつて生きて帰った者のない
恐るべき<宇宙のサーガッソ海>に流された
キャプテンの運命やいかに……!
 
                        <ウラスジ>
 
 
はたして人類は暗黒星の脅威から逃れ得るのか?
そしてザロ博士の陰謀とは?
 
と、それはさておき。
 
これに近い話を大昔、
『鉄腕アトム』で読んだ記憶があります。
 
巨大な彗星だか隕石が地球にぶつかりそうだと言うので、
宇宙船に乗って脱出しよう、という一団が出てきます。
 
その宇宙船の乗船券の値段は一枚100万円。
 
1960年代・昭和30年代の頃です。
まだ ”百万長者” という言葉が現役でした。
(『百万長者と結婚する方法』、みたいな映画もありましたな)
 
その切符(?)売り場に現われた、
ねんねこ姿のお母さん、
「100円にまけて」
と言い出し、当然追い返されます。
 
このシーンがいやに目に焼きついて――。
 
「まける」=「値切る」、というのは関西弁らしく、
兵庫県出身の手塚先生が普通に使っていた言葉なんでしょうが、
はたして、わが街・博多では通じたのか?
 
この時代、まだ言葉の往来は自由じゃなかったんで。
 
しかし、
地球に彗星や巨大な隕石がぶつかりそう、って
小説でも映画でもいまだに扱われていますね。
 
いま、
遅ればせながらニーヴン&パーネルの
『悪魔のハンマー』
を読んでいる最中ですし、
似たような表現を使った、
クラークの『神の鉄槌』
(これは映画『ディープ・インパクト』の原作だったっけ)
も似たようなお話でした。
 
まあ、
『アルマゲドン』(観てない)なんて映画もあったし……。
 
彗星もしくは巨大隕石を破壊する――。
 
日本だと『妖星ゴラス』かな。
こっちは衝突を避けるため、地球が逃げるお話。
 
これはこれで面白かった。
 
ま、いずれにせよ、
なんか、好きですねえ、このシチュエーション。
 
 
 
 
では、フューチャーメンの紹介を続けます。
 
 

<サイモン・ライト>

 

フューチャーメンの一員。

もとは高名な科学者だったが、
死に瀕したとき同僚だったカーティスの父の手で
その脳を特殊なケースに収められ、
<生きている脳>となる。
キャプテン・フューチャーの参謀役。
 
 
もうすぐ出て来る 
『ジェイムスン教授』とか
かつて取り上げた、
『ドウエル教授の首』とか
 
みんなそれっぽいですね。
 
知恵袋となる仲間が、
動きに難のある赤ん坊、という点では、
『サイボーグ009』の 
”001” なんかもそうと言えるでしょうか。
 
サイコキネシスで自力移動なんか出来ると思うんだけど、
いつも003(フランソワーズ)に抱っこされてる
イメージがあるんで……。
 
 
 
次はオットー。
 
 
 

1392「太陽系七つの秘宝」 

キャプテン・フューチャー

エドモンド・ハミルトン
長編   野田昌宏:訳   早川文庫
 
 
考古学者ケネス・レスターがニューヨークで殺害され、
古代火星王朝の超科学の謎を封じ込んだ
”神秘の石” の一つが略奪された。
 
その石を七つ全部揃えて秘密を解いたものは、
無限の力が得られるという!
 
おりから
地球で休暇を楽しんでいたキャプテン・フューチャーは、
この事件を、
火星人の秘密結社<二つの月の子ら>
と結んで太陽系征覇をもくろむ
天才科学者ウル・クォルン博士の仕業とにらみ、
彼のいる金星へ愛機コメット号を飛ばした……!
 
悪と対決して向かうところ敵なし、
太陽系全域にその名も高きフューチャーメンの面々
さっそうの活躍!
 
                        <ウラスジ>
 
 
ドラゴンボールじゃ。
 
青、緑、白、黄、紫、赤、黒、
七個の ”神秘の石” 。
 
これ元をたどれば、
ゴシック小説によく出て来る、
”割符収集解読” の物語。
 
○○を、××個集めると、△△が貰える。
 
最近読んだのでは、ウージェーヌ・シューの
『さまよえるユダヤ人』
が、そんな話っぽかったな。
 
うまく扱えば、サスペンスフルなミステリー。
 
雑に扱えば、駄菓子屋のおまけ説明。
 
 
では残るフューチャーメンのご紹介。
 

<オットー>

 
フューチャーメンの一員。
カーティスの父に作られた白肌緑眼の
プラスチック製合成アンドロイド。
何にでも自由自在に変装できる特技をもっている。
 
スキンヘッドにパンツ姿。
 
柴田亜美さんなら、
「こいつは変態だ!」
と断じてしまうかも。
 
彼のせいで実写化が難しかった、
なんて話もチラホラ。
 
次に登場する
『謎の宇宙船強奪団』の表紙のイラストなんか、
「がきデカ」に出て来る
”練馬変態クラブ” 
っぽいし。
 
 
 

次はグラッグ。

 
 
 

1393「謎の宇宙船強奪団」 

キャプテン・フューチャー

エドモンド・ハミルトン

長編   野田昌宏:訳  早川文庫

 
 
最新の花形宇宙船が覇を競う
太陽系一周レースを間近にひかえ、
水星の宇宙船試験基地に頻発する
奇怪な宇宙船消失事件!
黒いもやがテスト飛行中の新造船を包む、
と船は姿を消し、
パイロットは宇宙空間の真っただ中に
放り出されているのだ。
 
あまりの難事件に音をあげた惑星警察機構は、
フューチャーメン出動を要請――
 
おりもおり、
一人で月の裏側散歩としゃれこんでいた
アンドロイドのオットーが、
快速宇宙艇コメット号ともども
謎の機械人間一味に誘拐された!
 
手口はどうやら一連の事件と同じだ。
 
さて、真相やいかに?
 
スペースオペラの最高人気シリーズますます快調!
 
                        <ウラスジ>
 
 
宇宙船会社の社長たちのなかに、
真相は存在した。
 
誰が機械人間を操っていたのか?
太陽系一周レースとの関わりは?
 
……て、
クラークの『太陽からの風』を思い出しちゃうか。
 
「太陽からの風を円形帆に受け、
 地球を一周して月へ向かう太陽ヨットレースが
 今まさに始まろうとしていた……」
 
いや、ロマンがあるなあ……。
 
と、それはさておき。
 
最後のフューチャーメンを。
 

<グラッグ>

 
フューチャーメンの一員。
カーティスの父に作られた
身長7フィートの全鋼鉄製ロボット。
怪力が自慢で
オットーとはまたとないけんか友達である。
 
 
これでフューチャーメン、揃い踏み。
 
 
<亜流・傍流・インスパイア 1>
 
わたしらの世代だと、一番手はこれ。
 
 
『キャプテン・ウルトラ』
 
* ロボット(ハック・巨大じゃないが)もいる。
* アンドロイドぽい(キケロ星人ジョー)のもいる。
* キャプテン・ウルトラも通称で、本名は「本郷武彦」。
  (何かに似てる)
 
* 主役の中田博久さんは悪役でも有名。
* ……なにげに登場していただいた
  柴田亜美さんの親戚筋にあたるとか。
* なんかうれしい。
 
* ジョーを演じるのは若き日の小林稔侍さん。
 
* 乗り込むは宇宙艇「シュピーゲル号」。
* ドイツ語で ”鏡” 。
* ガンダムにも出て来るらしいが、よく知らないのでパス。
 
* 三機合体メカの走り。
* ウルトラホーク1号。
* ゲッターロボ。
 
* 宇宙ステーションは ”シルバースター” 。
 
* バンデル星人。
* ゆうれい怪獣キュドラが怖かった。
* etc.
 
<P.S.>

この他にもいろいろ、おいおい。