涼風文庫堂の「文庫おでっせい」462 | ryofudo777のブログ(文庫おでっせい)

ryofudo777のブログ(文庫おでっせい)

私が50年間に読んだ文庫(本)たち。
時々、音楽・映画。

<ローマー、

ハミルトン>

 

1394「時の罠」

キース・ローマー
長編   冬川亘:訳  早川文庫
 
 
全世界は今、
未曾有の危機に直面していた!
 
第七次元からの侵略者の手によって、
世界は104億494万1602の<閉鎖空間>に分断され
人類はその<時の罠>の中に閉じ込められてしまったのだ。
 
しかも時空の混乱によって、
16世紀のガレオン船が20世紀のタンパ湾に入港したり、
果てはすでに死んだはずのリンカーン大統領が
アラブの小村に現われる始末。
 
ふとしたことから、
この奇想天外な時空犯罪に巻き込まれたロジャー・タイソンは、
未来の美女ク・ネルとともに<時空>を超える旅に出たが……。
 
俊英キース・ローマーが、
軽妙洒脱な筆致で描きあげた痛快冒険SF!
 
                        <ウラスジ>
 
 
<キャプテン・フューチャー>谷間の一冊。
 
 
キース・ローマーと言えば
”パラレル・ワールド” モノ。
 
『多元宇宙の帝国』
『多元宇宙SOS』

この二作はシリーズものです。

 
も一つ
『多元宇宙の王子』
は別シリーズなんで未読です。
 
そこに、
タイムトラベルや歴史改変なんかを加えたのが本作。
 
パラレル・ワールド(平行世界もしくは並行世界)
タイムトラベルとは相性が良いようで。
 
タイムトラベルによる歴史改変で、
パラレル・ワールドが(無限に)増殖していく――。
 
ただし、その二つを同時に扱う作品は、
大方、混線に見舞われます。
 
作品も、読者の頭も。
 
歴史改変onlyだと
『高い城の男』
とか
『プロテウス・オペレーション』
(この二作はともに第二次大戦で枢軸国が勝ったという設定)
とか、
シリアスなものが多いような印象を持っていますが――。
 
そこにパラレル・ワールドの要素が入って来ると、
一転してコメディっぽくなるってのは、
物語の構成上、自然とそうなっちゃうのかも。
 
 
 
 
 
 
 

1395「宇宙囚人船の反乱」 

キャプテン・フューチャー

エドモンド・ハミルトン
長編   野田昌宏:訳  早川文庫
 
 
囚人護送船<ヴァルカン>は、
いましも太陽系重罪刑務所がある
冥王星の衛生ケルベロスめざして、
長い旅に出ようとしていた。
 
美人パトロールのジョオンが
この船の警備につくことを知ったカーティスは、
各惑星から指折りの凶悪犯人を一堂に集めて護送するという
危険きわまる任務に彼女の身を案じ、
フューチャーメンを引き連れ共に船に乗り込んだ。
 
不穏な空気に包まれながらも、
やがて船は冥王星へ――
 
正義の王者キャプテンに激しい憎悪を抱く囚人達が、
驚くべき奸計を用いて反乱を起したのは、その時だった!
 
ジョオンを人質に取られ闘いもままならず、
敵に追いつめられたキャプテン危機一髪!
 
                        <ウラスジ>
 
 
囚人の反乱って言うと、
どちらかと言えば囚人側に<正義>があって、
刑務所側に<悪行>がある、てのが
よくある設定ですかね。
 
とくに ”女囚モノ” とか。
 
それはさておき。
 
ここからは、
<キャプテン・フューチャー>シリーズの
準レギュラーたちをご紹介。
 
 
<ジョオン・ランドール>
 
惑星警察機構の若くて気の強い女性諜報員。
 
 
当然のような恋愛モード要員。
 
<キャプテン・フューチャー>を、
唯一、”カーティス” と呼ぶ女性でもあります。
 
イラストから女優を選抜。
 
金髪巻毛なら、
ローレン・バコール、ラナ・ターナー、
そしてグレイス・ケリーってところ。
 
一人に絞るとなると、
スキャンダルを身にまとったような
ラナ・ターナーを。
 
 
……実の娘が、
母親の愛人の男(ギャングだという)を
射殺するっていう……。
 
ラナ・ターナーを語る上で、絶対に外せない事件。
 
エルロイの『L.A.コンフィデンシャル』には
実名で登場させられていたっけ。
 
 
 
 

1396「惑星タラスト救出せよ!」 

キャプテン・フューチャー

エドモンド・ハミルトン
長編   野田昌宏:訳  早川文庫
 
 
大至急衛星ダイモスまでこられたし!
 
老科学者チコ・スリンの連絡を受け、
ダイモスに急行したフューチャーメン一行は、
そこで驚くべき実験をまのあたりにした。
 
アルルス人が残した
奇妙な科学機器を改造したチコ・スリンは、
20億光年かなたの別の宇宙から
異星人を呼びよせることに成功したのだ!
 
<冷たきものたち>
と呼ばれる怪物どもに苦しめられていた彼らタラスト人は、
最後の手段として別の宇宙に救援を求めたのである。
 
奇怪な四次元空間を抜けて、
フューチャーメン一行は滅亡の危機にある
惑星タラストを救うべく、
20億光年のかなたへ旅立ったが……。
 
                        <ウラスジ>
 
 
すでにお気付きのかたもおられるでしょうが、

1940年代に発表されたという事情もあって、

この<キャプテン・フューチャー>の舞台は

ほとんどが太陽系の中に収まっています。

 

恒星間航行なんてまだまだ。

銀河系は遥かなり。

 

その中でこの「惑星トラスト」は

太陽系の外でのお話――

という態なんですが……。

 

「ねるとん紅鯨団」じゃないけど、

”大どんでん返し”

が待っています。

 

 

それはさておき。

 

ここは登場人物を一旦離れて、

フューチャーメン一行の ”乗物” を。

 

<コメット号>
 
宇宙艇は大事。
 
映像作品だと、

「宇宙大作戦(スタートレック)」の<エンタープライズ号>

「スターウォーズ」の<ミレニアム・ファルコン号>
「キャプテン・ウルトラ」の<シュピーゲル号>
 
小説だと
『宇宙船ビーグル号の冒険』の<ビーグル号>
『砂漠の惑星』の<無敵号>
そしてもうすぐ登場する、<スカイラーク号>
 
変わり種だと、
クリス・ボイスの『キャッチワールド』に出て来る<憂国号>
 
率いるは日本人の田村艦長。
他にも「稲垣」なんて日本人が登場する……。
 
ついでに「ダーティペア」の<ラブリーエンゼル号>も。