この10年間、宮本と連絡を取っていない訳ではなかったのだが、やはり最後はケンカの様な形で電話をお互い切ったりしていた。
2度、3度、宮本は亮治に会社に戻って来ないかと誘った事もある。
しかし、宮本の会社に今も勤めている亮治の後輩でもある岩崎の存在があり、それが実現する事は無かった。
岩崎は宮本の会社に入社してから、亮治に叱られない日は1日足りとも無かった程である。
その岩崎は今や宮本の会社の現場の責任者である。
亮治が会社に戻って来たら、岩崎が仕事をし辛くなるのは、宮本も亮治も解っていた。
その事が理由で、宮本も亮治も昔の様に一緒に走るのは無理だと確信して実現には至らなかった。