Adagio
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なだらかに滑るように車が入って来た
大きなあなたの手が私の小さな手を掴む
言葉は少なくて 見つめあって おはよう を交わす
走り出した車内で ゆっくりとあなたの表情が緩む
Adagio
緩やかな時間
風花が舞う北の高原は 私達のHome
すっかり眉の下がったあなたが 私を見つめている
温かなウィンナコーヒー
甘い砂糖が あなたの甘さと重なってほろほろと喉を撫でていく
木管五重奏のoboeの響きが柔らかく歌っていて…
"特別な事は何もいらない
一緒にいるだけでいい"
そう言っていたあなたの言葉通り
ゆっくりと流れる刻の調べが 辛かった日々を塗り替えて行った
一緒にいること
そこに温もりがあること
それだけで
2人のテンポが静かに始まり
私の全てを笑顔と安心に変えて行く
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記憶力なんていらない
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言葉の記憶を粉々に打ち砕いた
断片達が宙に浮いて泣いていた
繊細な感情と折り重なっていたものが
薄い層が破れて感情の片鱗が流れ落ちてく
救われない言葉達
私の記憶の倉庫には期待と夢とを背負った言葉達が弾けんばかりに渦巻いていた
時に甘い蜜さえ湛えて…
記憶の倉庫なんていらない
みんなその場で忘れていけばいい
期待も夢も楽しみも 言葉に意味なんて持たせずに
記憶力なんていらない
みんな忘れてしまえばいい
甘えた瞳も 猫のような声も
冷めた眼差しで沈めて封印してしまえ
失って行くものは気力だけでは維持できない
時計の針は人それぞれにテンポが違うの
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