手がかりは淡路の部屋に残された2名の毛髪だけ。娘の行方は淡路の証言に頼るしかない、と岡部さんに言われた千堂大臣。
淡路の証言を得るため、病室に赴き土下座して外務大臣を辞職する覚悟を伝える千堂大臣。「全ての責任は私にある。私にだ。咲じゃない。あの子じゃない。あの子は何も関係ない!」と咲の居場所を教えてくれと懇願する大臣。
淡路「あんたは娘を誘拐した私を殺したいほど憎んでいるし、20年前のことも間違っていたとは露ほども思っていない。もし今同じ状況になったら、20年前と同じ行動をとるだろう。あんたはそういう男だ。そのあんたが、偽りの謝罪をするほど娘の命を助けたいと思っているなら、そんなあんたらしくないことをせずに、何故」
声には出さず、監視者に見えないようにして「ころさない」と言う淡路。自分の脳を見ればいいさ、と千堂大臣を誘います。
コンテナの少女の映像解析ができたことを報告する宇野。薪さんのめずらしい「偉い、よくやった」とのお褒めの言葉に、一瞬宇野がポカンとするシーンがあった。ちょっと嬉しい(笑)
コンテナ少女の救出命令要請依頼を長官に直訴する薪さん。明らかな証拠がない、既に死亡しているのではと要請を出すことを渋る長官に薪さんは言います。
「もし長官の、あなたのお嬢さんだったら。閉じ込められたのがあなたの一番大切な人だったら。たとえ間に合わなくても、もし息絶えていたとしても、一刻も早く、暗く狭いコンテナの中から助けてあげたいと、そう思われませんか?」
正式に警察と海上保安庁合同の救出命令が降り、青木は少女の救出にヘリで向かいます。
コンテナ少女は生存。無事救出。青木の元に走る薪さん。青木は少女救出後に手を怪我していました。薪さんの「…よかった…」と台詞が入ってました。震える手は確かにわかりにくいものね。でも、個人的には台詞なしの方がよかったなぁ。
そして咲ちゃんの行方を知るため、千堂大臣は凶行に及びます。「早くコイツの脳を見せろ!脳を見せて、さっさと咲の居場所を探せ!」淡路の意図通り、千堂大臣は淡路を殺害。満足そうな死顔の淡路。
第九からの知らせを受け、雪子さんが青木の元へ。青木のことを雪子さんに知らせるようにとの薪さんの手配。千堂大臣による淡路殺害の知らせとともに、青木の病室に岡部さんも登場。現れた雪子さんに薪さんは一礼して退出します。
淡路の脳の解析により、咲ちゃんも救出。青木と雪子さんはふたり仲良く並んで記者会見をテレビで視聴。雪子さんによる「暑苦しい映像。つよし君出さないと」に「薪さん、この捜査に反対だったから」と返す青木。
みんな助かってよかったと言う雪子さんに、青木は言います。本当はみんなが助かった訳じゃない。吉田さなえが自殺し、咲ちゃんと引き換えに淡路が死んだ。ひとりの命を救うためにひとりの命が脳の情報を得るために故意に奪われた。
ただただ、青木を心配する雪子さん。「死にませんから。ここにいますから。ずっと、ずっと側にいますから」と雪子さんを抱きしめる青木。
前回のドラマでは雪子さんはまだ青木からの指輪をしてなかったみたいですが、既にこのふたりはかなり親密な状態です。雪子さんへの言葉と同じようなことを薪さんにも伝えたかった。でも言えなかった、言わなかったとの青木のモノローグがかぶります。
私はBL好きな人間ですが、「秘密」は危ういとも言える関係ではあるけれど、ただのBLじゃないし、BLにして欲しくないと思っているクチです。実はドラマ化での一番の懸念点がそこでした。演出でそっちに持っていかれたら嫌だなぁと思ってるのですが、今のところはギリセーフってとこですかね。
BLの定義については色々思うところがあるのですが、清水玲子さんの「秘密」は24年組の流れを継ぐ作品だと私は捉えてまして、萩尾望都さんの「トーマの心臓」や山岸涼子さんの「日出処の天子」などと同等のテイスト作品だと受け取っています。時代背景とか全然違うけど、愛の描き方に通じるものがあると感じるのです。性描写のある竹宮恵子さんの「風と木の詩」もBLじゃないと思っていますし、最近の作品ではユノイチカさんの「夜明けの唄」がBLにカテゴライズされてるようですが、BLに留めておく作品じゃないと勝手に考えてます。ユノイチカさんの「夜明けの唄」は現在連載継続中。感想書いてみたいなぁ。
脱線しました!「秘密」に戻ります。咲さんとの面会時間前に薪さんに呼び出された千堂は遺伝子データを見せられます。咲さんとお母さんは遺伝子的に親子関係。しかし、千堂との親子関係は不一致。「父、千堂潮は子千堂咲の生物学上の父親である可能性から排除される」
「おそらく奥様は何年も不妊治療を続けるにあたり、あなたとでは子供は望めないと結論をお出しになったのかと」
激昂し、薪さんを「恥知らずが!」と罵倒する千堂潮。しかし、このDNA鑑定は淡路が行ったもの。咲さんが遺伝子上の自分の子ではないと知った千堂潮は「咲には会わん」と言い出します。
「実の子でないとわかっていたら淡路を殺したりしなかった。どこの誰が赤の他人のために殺人などする?私は大臣だそ!16年間の絆?いや、私は16年間裏切られてきたんだ。お前に今の私の後悔と屈辱がわかるか?私は咲のために全てを失ったんだそ!私を裏切った奴の顔など見たくない!」
千堂夫人は他の男性と通じた訳じゃないと思う。精子提供で授かった子なのではないかな。長年の不妊治療はおそらく夫人にほとんどの負担と責任が負わされていたのでは?千堂潮は俺様は偉い脳の人なので、いつまでも子供が授からない夫人を責めることをしても、夫として治療にはさして協力してなさそうです。石女呼ばわりしたことがあったのじゃないかという気すらする。これまでの一連の言動を考えると。
面会に行かないと言う千堂に、薪さんは「淡路の犯行の目的は何か」を明かします。コンテナ船にいた平野望美さんの映像を見せる薪さん。咲さんと同じ病院内で入院していると思われ、母親からりんごを食べさせてもらっています。淡路の犯行声明は「千堂大臣の一人娘をさらった」というもの。淡路は咲さんが千堂の実の子でないことを知っていた。コンテナの映像はフェイクではなかった。千堂の実の子はコンテナに乗せられていた望美さん。千堂が見殺しにしたその人こそが実の子だった。淡路の目的は千堂に深くダメージを与えること。実の子でない咲さんの命ではなく、実の子の望美さんの命を危険にさらす。父親に実子である望美さんを殺させようとした。