【陳情令】第25話「不協和音」感想・ブロマンス忘羨の百鳳山 | 占いworld♡エンタメ部

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第25話「不協和音」は百鳳山巻狩のシーンがある回。原作では藍湛によるいわゆるBLシーンがありますが「陳情令」での藍湛はもちろん性的接触は行わず、あくまでブロマンスで魏嬰に接しています。忘羨のこのシーンについては以前に書いておりますが「BLと中国」を読んだばかりということもあり、今回は感想とともに改めて「陳情令」のブロマンスに着目してみようかと思います。

 

 

 

第24話で金光瑤から告知のあった金鱗台百鳳山の狩猟大会。金光瑤により入山資格を得るための的当の説明がされ、興を添える催しとして的の前に鎖でつながれた温氏捕虜たちが連れてこられます。おそらく金光瑤の発案なのでしょうが悪趣味過ぎです。腹黒さでは「陳情令」の金光瑤は頭ひとつ抜けているかもしれません。魏嬰は怒りに震えますが、宗主席の江澄から制され、何とか感情を押さえます。

 

金子軒が矢を命中させ、金子勲が「我が従弟より腕の立つものがいるか?」と皆を煽ります。

 

魏嬰「藍湛。頼みがある」

藍湛「何だ?」

魏嬰「抹額を貸してくれ」

 

 

無言で藍湛は魏嬰から視線を逸らしたため、魏嬰は的の前に進み出ます。自分の手首に巻いていた黒い帯で目隠しをし、温氏捕虜たちが立ち並ぶ中、複数本の矢を一度に放ち命中させます。拍手の中、魏嬰は目隠しを外し、藍湛の隣に戻ります。金光瑤は的当は肩慣らしの余興と言い、皆の入山を促します。魏嬰が目立ったことで当初の修正に入ったということなんでしょうか。金子勲が魏嬰に捨て台詞を吐き、一同は入山していきます。

 

ひとり陳情笛を吹く魏嬰。笛の演奏が終わり、藍湛が林の中を歩いてくるのを目にします。思わず声をかけようとしますが「世には定まった法則がある。君が我が道に固執してしまえば、心配する者にも影響を及ぼす」との曦臣兄様の言葉が頭をよぎり、藍湛に呼びかけようとした声を魏嬰は飲み込みます。しかし、藍湛が魏嬰に気づき、魏嬰の元に近づきます。

 

魏嬰「よう、藍湛。最近、雲深不知処で掟を整理するのにえらく苦労してるとか」

藍湛「曲譜を研究し発見があった。効果があるかどうかを試してみたい」

魏嬰「(溜息)藍忘機、答えてみろ。俺はお前の何だ?俺のことには関わらないでくれ」

藍湛「私はお前の何だ?」

魏嬰「かつてはお前のことを生涯の知己だと」

藍湛「今もそうだ」

 

 

過去と今の違いはあれど、ここはお互いに知己宣言しているブロマンスの大変重要なシーンだと思います。私が思うに、互いの知己認識は、魏嬰は座学終了時の天灯の祈りを捧げた時、藍湛も同時期くらいだとは思うのですが、まだ素直に認められない部分を残していたのではないかという気がします。その後、慕渓山の洞窟時点で明確になったのではないかと。でも、慕渓山洞窟後の再会時には魏嬰は夷陵老祖として、藍湛にも言えない秘密を抱えているため、気持ちはお互いに向いているにもかかわらず、齟齬がある状態になっていると考えます。藍湛は既に知己の確信を持ってるけれど、魏嬰がね。金丹の秘密を伝えることができたらと、またいつもの詮無いループにハマってしまう訳でございます。

 

BLは恋愛関係、ブロマンスは性的要素を抜いた固い友情ということなのかと思います。その切り分けで考えると、私自身はブロマンスで満足するタイプのようです。原作のBL展開も十分に楽しませてもらっていますが、ブロマンスもブロマンスで凄くいいと感じています。ブロマンスの固い絆とは相手に命をかけることができるような関係だと私は考えています。だから、藍湛が魏嬰に捧げる献身も、性が絡まなくても成立すると思っているのです。そのような強い想いは友情という言葉で片付けてよいのだろうか?という意味合いで、性的関係が伴わない固い友情、いわゆるブロマンスもBLでいいんじゃない?と思っていたのです。つまり男性同士で、そこに性的なものがなくても大きな愛「big love」があるなら「BL(boys' love)」でもいいのでは?との考えということです。

 

BL(boys' love)が性的要素を必ず含むものということであれば、私は言葉の使い方を間違っていることになります。「BLと中国」を読んだ限りではどうもその様子が濃厚なので、今後は安易にブロマンスなものをBLと言わないようにしようと思います。

 

人は主観の生物ですので、同じシーンを見たとしても受け取り方は様々かと思います。このブログは私の主観による感想を述べておりますので、そこのところはどうかご容赦ください。

 

話を第25話に戻します。知己の告白合戦の後、金子軒と江厭離が連れ立ってくるのに気づき、魏嬰は藍湛を付き合わせ木の陰に隠れます。この期に及んでもまだ素直になれない金子軒。彼の言動に怒った魏嬰は二人の前に飛び出しますが、やってきた金子勲に罵倒されます。そして、江厭離が金子勲に名演説を披露する運びとなる訳ですが、陳情令の江厭離は怒りのボルテージが高いように感じました。怒ってるわ、師姉!という印象です。いつも菩薩のごとく優しい彼女の静かながらも強く怒るさまがカッコよいです。温和な人を怒らせると怖いのです!

 

そんな最中にタイミング悪く現れた金光瑤。金夫人と金子勲に八つ当たりされ、さすがにここは気の毒だと思いました。でもその後、原作で姚宗主が言っていた「江宗主、お宅の魏無羨は大層な人物ですね」の嫌味なセリフを金光瑤が言っていて、金光瑤の嫌な人感がクローズアップされているのには思わずクスっとしましたよ(笑)

 

金子軒の江厭離への告白騒動の後、魏嬰は巻狩後の宴には出ないと言い、蘭陵の街へ出かけてしまいます。その街中で「物乞いめ!」言われ、通りがかりの人に突き飛ばされた温情と再会することになります。

 

金鱗台。

曦臣兄様「忘機、さっきからずっとうかない顔だが。何か悩みでも?」

藍湛「兄上。ある者を、雲深不知処に連れて帰りたいのです」

曦臣兄様「雲深不知処に、連れて帰りたい?」

藍湛「連れて帰り、隠します」

曦臣兄様「隠す?彼は、望まないだろう」

 

 

名シーンですよねぇ。何度観てもうっとりするわ(笑) 太陽12ハウス持ちの私にはスマッシュヒットというか、心を打ちぬかれた感というか、語彙力なさすぎて何と表現したらよいのかわからないけど、これ以上ないくらい大好きなシーンです。

 

第25話は忘羨度高めではないでしょうか。もっとも魏嬰はアレなんですけど、藍湛の気持ちが溢れかえっている感じなのがね。私は藍湛の片想い状態(ブロマンスだけど)結構好きなんです。切なくて!ということで、今回は私の妄想が肥大した感がありますが、第25話の感想を終わりたいと思います。